kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

尖閣諸島国有化は止むを得ない判断だった

昨日のTBSテレビ『NEWS23』で民主党代表選の討論会をやっていたが、その時に野田佳彦首相(「野ダメ」)が尖閣諸島問題について発言した。それが報じられている。


http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012091900005&g=pol

「虎の尾踏もうとした」=石原都知事念頭に−野田首相


 野田佳彦首相は18日夜のTBS番組で、尖閣諸島の国有化を受け、中国で反日デモが相次いでいることに関し、「野党の中に、(首相が)『虎の尾を踏んだ』という方もいる。思いっきり踏もうとしたお父さんもいた。(国有化は)極めて現実的な対応だった」と述べた。尖閣購入を計画した石原慎太郎東京都知事を念頭に置いた発言で、都が買い取れば中国をもっと刺激したと言いたかったようだ。
 首相は国有化について「長期に、平穏かつ安定的に維持管理をするのが目的、目標だ」と説明し、重ねて理解を求めた。

時事通信 2012/09/19-00:24)


この件に関しては「野ダメ」の言い分に理があると思う。

指摘する人は少ないが、尖閣諸島のうち大正島はもともと財務省の所有になっている。謎めいた栗原一族の所有になっていたのは、久場島魚釣島、北小島、南小島である。石原慎太郎は1978年にもこれらの島の買収を画策して失敗している。この時、けんもほろろに石原を突っぱねた同じ人間が、今度は石原に島を売ろうとした。危険なことこの上ない。それを考えれば、国有化はやむを得ない判断だとずっと思っていたし、今もそう思っている。

たとえば「尖閣の国有化―緊張を和らげる一歩に」と題した7月8日付の朝日新聞社説はこう書いた(リンク切れ)。

何かにつけて中国へ敵意をむき出しにする石原慎太郎知事だ。都が購入すれば。中国との間で緊張が高まる懸念があった。

国有化すれば、中国などの反発は必至だ。しかし、長い目で見れば、政府の管理下、いらぬ挑発行為を抑え、不測の事態を避けるのが目的だ。中国には静かな対応を望みたい。

これを機に争いがあることを認め、双方が虚心坦懐に向き合うことを望む。


これを読んで、そうだよなあと思った。むしろ真に強く批判されるべきは政府よりも石原慎太郎である。その石原を批判している点や、領有権の争いがあることを認めよとする点でも、朝日新聞の主張はバランスのとれたものだといえ、評価できる。

ところが、上記の朝日新聞社説は例外として、マスメディアは「野ダメ」は責めるのに、なぜか石原慎太郎には異様に甘い。「野ダメ」が「思いっきり踏もうとしたお父さんもいた」と発言したのは、いうまでもなく自民党総裁選に立候補している石原伸晃を揶揄したものだ。石原伸晃にはオヤジのリモコンでトンデモ政治をやりかねないという恐怖心を私は抱いている。自民党総裁選で一番当選させたくないのは安倍晋三だが、その次がこの石原伸晃である。その伸晃は、テレビ出演でも「親の七光り」を臆面もなく自慢しているのだから始末におえない。

私は何も「タカ派」の野田佳彦(「野ダメ」)を擁護するつもりなど毛頭ないが、この件に関しては、もっとも強く批判されるべき対象は石原慎太郎である、そう繰り返しておく。