kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎や橋下徹は「脱原発」の足手まといだ

鳩山由紀夫の引退は、朝日新聞が大きく取り上げていて驚いたが、2010年の鳩山退陣の前に、「(普天間問題で『現行案』に回帰することによって)社民党を切ると小沢さんに政局にされる」と言いながら「社民党を切」って、鳩山自身が予想していた通り「小沢一郎に政局にされ」たことを忘れるべきではない。結局あれは実質的に鳩山の無責任な「政権投げ出し」であり、安倍晋三とも並び称されるべき醜態だった。その後の民主党政権の迷走も、もとをただせば鳩山に最大の責任がある。引退は当然だし、あんな人物を惜しむ必要などない。

ところで、その鳩山とタッグを組んで聞いた小沢一郎の話だが、昨日の当ダイアリーの記事 小沢一郎「(維新などと)連携できるなら解党もいとわない」(呆) - kojitakenの日記id:advance777氏から長文のコメントをいただいた*1。文面から判断して「きまぐれな日々」のコメント常連の風太氏だと思われる。そうだとすれば当ダイアリーには初登場かと思う。長文だが、以下に引用する。

advance777 2012/11/21 06:53
古寺さんへ


私への疑問提起ですが、まず真の第3極の件ですが、来月の都知事選挙に備えて、国民の生活が第一(以降は生活)ときづなと社民などが宇都宮候補支持でスクラムを組む話し合いはできています。
そこへ共産が単独擁立をやめ宇都宮候補を支持するという動きがおき、宇都宮候補を中心に大きな支援体制が構築される方向への動きがおこっています。
私はこの都知事選挙での共闘がうまくいけば、地方の首長選挙ですが、それをひとつのモデルケースとして、来るべき総選挙に備えての拡大版オリーブの木になりうると期待をしていました。
従って虚構の世界ではなく現実の動きを元にしての話を述べたつもりです。
ただ残念ながら野田総理の、財務省の筋書きに則ったとも思える突然を装った解散宣言で、都知事選挙への国民的な関心が吹っ飛んだ形になっています。
その為に都知事選挙での各政党のポジショニング表明で、国民に真の対立軸を提示するという戦略は難しくなったと言えるかもしれません。
しかし自民と民主野田・前原派に維新が衆議院選挙後に共闘を組めば、それこそ憲法の改正も可能になります。
これにたいしては生活から共産までが手を組まなければ阻止する事は不可能でしょう(いまのままでは組んでもむずかしいなあ)。
そういうわけで、脱原発・反TPP・反消費増税で一致する政党が立場を超えて共闘することは、この非常事態では充分ありえるし、そうでなければこの流れを止める事は無理だと思っています。


小沢さんら生活がドイツで向こうの環境大臣自然エネルギー推進の責任者らと意見交換をしてきたのは単なる政治アピールではないと思います。彼らは現実的に原発を止めるにはどういうやり方が良いのか確かめに行ったのだと思われます。
そして得た結論が10年ですべてを廃炉にして自然エネルギー化石燃料の体制に移行するという結論です。
ここまで具体的に踏み込んで現実的な政策を発表したのは生活だけでしょう。
逆に原発を推進しようとしている(核兵器開発が念頭にある)安倍自民党や、アメリカの横やりで遥か先の脱原発ですら閣議決定も出来ない野田民主とは大違いです。
それを猫も杓子も「脱原発」というご時世だと一緒くたにしてしまうのは、それこそマスコミ報道に毒されている証拠ではないですか。


朝日新聞の記事については、まず例によって小沢さん本人の口から出た話でもなく、あまり信用してません。
でも一応信じられるものとしてみても、その幹部氏とやらの期待するように、維新の会もみんなの党も、政策を変えてTPP推進を取り下げるのならば、連携だかも可能性はあるのかもしれませんが、現実的にそれはありえないので、その幹部氏の発言も、単なる意気込みのようなものでしょう。
そして小沢さんの会見をみましたが、小沢さんの考えは政策の一致する勢力との連携ということであり、そうでなければ単なる野合です。
古寺さん、それと小沢さんが橋下氏と考えが同じとしたのは、あくまでいわば霞が関が主導する日本の統治形態の点であり、その他も含めてすべての考えが同じなどとは言っていないはずです。
それは御本人がインタビューではっきりと明言しています。
ちなみに小沢さんは岩上さんに対してインタビューかなにかの場で、解散は年内と述べていたそうです。まあ朝日が正しいか、それとも岩上さんが正しいのかはわかりませんが、いま岩上さんの話を残された映像などで確認するのも意味が無いのでやめておきますが、13日付の朝日の、もろに小沢憎しで凝り固まった社説(まずはインチキ報道を謝罪すべきだろうにね)を読めば、私には朝日はこの件になるとまったく信用に足りるメディアではないと判断しています。
朝日は真摯な記事を載せる傍らで、この様な感情むき出しの内容を最近は平気で出してきます。
そのせいか、最近朝日の購読をやめて東京に鞍替えする読者が多いと聞いています(朝日販売店の営業担当の話)。


私は別に小沢信者(小沢さんが言う事はすべて肯定と言う意味ですか?)ではなく、言ってみれば小沢さんを政治家として高く評価する立場です。
今の日本は、長年に渡るアメリカ影響下からの離脱の時期に来ていると私は考えています。
それは冷戦下では、アメリカの対日政策により、しばらくはある種の蜜月な関係が継続していたのかもしれません。
その時期にはアメリカとの関係をうまくしていさえしていれば事足りる時代だったのかもしれません。
もっとも現実はその為に多くの犠牲を日本国家は国民に強いてきたのですが。
しかしそんな関係もすでに終わり、アメリカは日本を自分らの生き残りの為に消費しようとしています。
よってアメリカの戦略で生きていける時代は終わり、今の日本は自立して国際社会を生きていく決断を迫られているのです。
従って政治の世界でも、今までの様に狭い土俵の上で右だ左だと、日本国内でしか通用しない花相撲を取り続けている余裕などまったくありません。
時代は常に変化をしているのです。


しかし現実の日本は、アメリカから自立して自主独立路線を取る事を恐れる既得権益護持勢力がいまだに力を持ち続け、アメリカ自体の変化の現実にも目をつぶり続けアメリカ追従路線を死守しようとしています。
そして危機感を持つ小沢一郎率いる民主党による変革の動きも、小沢さんに対しての「政治とカネの問題」とかいう虚構を持ちだしてきて国民を脅し、国民がひるんだすきに元の木阿弥にしようとしています。
そして小沢さんらは検察とマスコミによる一連の陸山会事件キャンペーンで刑事被告人に貶められ、民主党は小沢さんらが抜けた結果骨抜きにされて現在に至っています。


この現実を理解できないから日本は今とても危険な状態に陥っているわけです。
古寺さん、小沢さんの事をまりにも色眼鏡で見過ぎですよ。
逆に彼の立場に立ってみて、その視点で日本の現状を眺めてから彼の動きを見直すべきです。
小沢さんらはじつにまともな考え方に立って、この国の将来を考えて行動しているのがわかってくると思いますよ。
いまはマスコミにより意図的にミスリードされた小沢像の為に、あなたの目は曇ったままのようにみえます。


野田総理がついに強権を発動して、TPPや増税などの自分達が勝手に決めた政策に同意できない者は、党として公認出来ないと言い始めました。
もう殆ど党内独裁者丸出しになってきましたね。
そうそう鳩山さんがどうたらとかいう報道ですが、鳩山さんが不出馬を決めた事を古寺さんはたいへん喜んでいるようですね、でも私はこれを決して喜んでなどいません。
鳩山さんが出馬を断念したのは、支持母体の連合がTPPに賛成の立場なので、TPP賛成の署名を拒否した鳩山さんの選挙では敵対する立場を取るということになり、戦えないと判断したからでしょう。
これは他の候補にもTPP賛成に変えないと連合も敵対し選挙を戦えなくするぞという見せしめです。
古寺さん、こうやってアメリカの国際戦略であるTPPに強引に日本は参加させられていくのですよ。
これが今の我々の本当に戦わなければならない連中の正体なのです。


だから今まで指摘し続けてきたでしょ、敵は小沢さんではないということを。
しっかりとしてください。


都知事選の話だけれど、

国民の生活が第一(以降は生活)ときづなと社民などが宇都宮候補支持でスクラムを組む話し合いはできています。

という話は、早々にネットに流れたけれども、そのすぐあとに「オスプレイ東」と私が呼んでいる東祥三がそれを打ち消すようなコメントを出し、その後何の音沙汰もない。そんなものは小沢一郎が一言話を進めるコメントさえすれば前に進むのだが、それをやらないということは、小沢一郎に真剣に宇都宮健児を推すつもりなどないことを意味する。ましてや維新の会が猪瀬直樹を推す方針(石原慎太郎が合流した以上当然だろう)と報じられている現在、「来週までは維新との連携を模索する」つもりらしい小沢一郎が話を前に進めることはほとんど期待できない。

小沢一郎の一番悪いところは、配下の者を使って「左派(サハッ)」に気を持たせておきながら、自らは動かないことだ。「脱原発」にしたって、民主党にいた頃は方針をはっきり示さず、それどころか原発推進派の海江田万里を御輿に担ぐなどの愚挙に出た。党を割って出て、気楽な野党の立場になって初めて「脱原発」をはっきり打ち出すような小沢一郎など信じるに値しないし、生活党の面々の多くは核燃サイクルの存続を容認するなど、その「脱原発」ポーズのメッキは早くも剥がれ始めている*2

11/20の朝日新聞2面の記事は、有名ブログの「世に倦む日日」も昨日の夕方に更新されたエントリ*3で取り上げている。当ダイアリーの昨日の記事よりも朝日新聞記事からの引用が多い。同ブログは有料だが、無料部分から引用する。

今日(11/20)の朝日の政界面で重要な記事を見つけたので、その紹介から始めたい。テレビ報道やネット情報では拾えない事実があり、市民が期待する左側のドタバタ迷走ぶりが暴露されている。少し長くなるが引用する。「小沢氏は(略)脱原発を結節点に、維新との連携に進むみんなの党を引き寄せるとともに、脱原発に強い思い入れを持つ『みどりの風』などとの結集を目指す構えだ。小沢氏は衆院が解散された今月16日、山田氏と会談した。生活幹部は『維新やみんなの党まで連携の線が延びて欲しい。連携できるなら、小沢代表は解党もいとわない』と語る。ただ、『脱原発』を軸にした結集はそれぞれに思惑に違いもあり、一筋縄にいきそうにない。新党結成直前のみどりをめぐる駆け引きが、その難しさを象徴している。亀井、山田両氏は当初、国政政党化を控えたみどりに合流する方策を探っていた。14日夜、社民党を離党する阿部知子氏、みどりの谷岡郁子氏、『脱原発』の運動を展開している人類学者の中沢新一氏がひそかに会談。谷岡氏はみどりの綱領案を示し、賛同するなら入党を認める姿勢を示した。これに対し、亀井氏は『みんなそれぞれプライドがある。綱領に賛同する人は入れるというやり方ではうまくいかない』と再考を求めた。だが、谷岡氏は譲らず、みどり入りは見送られた」(2面)。


以下、有料部分冒頭に引用された朝日新聞記事の続きのみ引用する。

「阿部氏の行き場も迷走。離党に不快感を示す社民党福島瑞穂党首は、谷岡氏に『阿部さんを入れないで欲しい』と要請。谷岡氏は『それは筋が違う』と断ったが、みどりの亀井亜紀子氏は地元の参院島根選挙区で社民党選挙協力しているだけに、『社民党との影響が出る』として阿部氏入党に難色を示した。阿部氏がみどりへの参加を諦めると、亀井、山田両氏は18日、阿部氏に電話。『一緒に結党会見に出て欲しい』と誘ったが、断られた。(略)みどり幹部は『小沢さんは私たちのクリーンなイメージが欲しいだけだ。総選挙前の合流は100%ない』と慎重姿勢を示している」(2面)。


ブログ主は、この朝日新聞記事は事実だろうとみている。私もそう思う。ここで私が注目したのは、赤字ボールドにした部分、つまりみどりの風小沢一郎と距離を置こうとしていることだ。

世に倦む日日」のブログ主はみどりの風を批判しているのだけれど、私は「小沢と距離を置く」方針を支持したい。どこまで貫けるかはわからないけれど。なぜかというと、1991年の青森県知事選で核燃サイクル推進派の現職知事を当選させるために剛腕を発揮したり、日立製作所出身の大畠章宏の進言を容れて民主党のエネルギー政策を「慎重に推進」から「積極的に推進」に転換したり、東電原発事故後も民主党代表選で海江田万里を推薦したりしながら未だにその非を認めようとしない小沢一郎、人気とりだけのために「脱原発」を打ち出しておきながら石原慎太郎と野合した橋下徹との連携になお未練たらたらの小沢一郎など「脱原発」の足手まといにしかならないと思うからだ。この際、小沢一郎橋下徹、あるいは彼らとくっつきたがるような連中は、たとえ著名な脱原発派の知識人であれ連携しない、それで良いのではないかと思う。

ここで私が念頭に置いているのは飯田哲也である。飯田は今も橋下に未練たらたらだ。


https://twitter.com/iidatetsunari/status/270455645432602624

飯田哲也(いいだてつなり)
@iidatetsunari

然り。石原氏の原発論は空疎。橋下氏はより深く脱原発の必然性を理解しているはずで、メカニズム論だけでなく原発ゼロの明言を期待 RT @masason: @t_ishin 原発問題は、小異ではありません。橋下さんの脱原発に対する理念が太陽でメルトダウンしない事を信じ、願っています。


小沢一郎飯田哲也などと行動を共にすると、知らないうちに橋下と合流したり石原と合流したりして、結局「脱原発」を本当に推進しようとすると再度分裂せざるを得なくなる。それなら最初から彼らとは距離を置いていた方が良い。そうそう、「みどりの風」は飯田哲也とも近づかないことを願う。既に近づいているかもしれないけれど。


戦争責任のある人間たちは、日本がアメリカに占領されてしまったから、少なくとも敗戦直後は戦争責任が不問にされることはなかった。そこが東日本大震災や東電原発事故と全く違うところである。原発事故前には原発問題に全く関心のなかった橋下徹や、ましてや原発事故前に率先して原発を推進していた小沢一郎に頼る「脱原発」であってはならないと思う。

*1:http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20121120/1353365984#c1353448401

*2:なお、核燃サイクル廃止を打ち出さない点で、民主党や石原との合流以前の維新も同罪だ。維新に至っては「脱原発」の看板も投げ捨てた。

*3:http://critic5.exblog.jp/19529751/