「アベノミクス」とやらがひょうたんに駒の円安と株高を招いて右派右派、もといウハウハに違いない安倍晋三だが、いうまでもなく安倍は平沼赳夫らと同じく、もともと経済問題には何の関心もない。戦後レジームのなんちゃらとかいう戦前回帰命の男だ。だから河野談話や集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈など、自民党政権時代の(安倍にとっては)負の遺産が邪魔で邪魔でしょうがない。
しかし、そんな安倍ちゃんの心境をさっぱりわかってくれないのがアメリカだ。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020101002316.html
集団的自衛権「中国刺激」と難色 米側、首脳会談の事前調整で
日本の集団的自衛権行使容認へのオバマ米大統領の支持表明は「中国を刺激する懸念がある」として難色を示していることが1日、分かった。複数の日米関係筋が明らかにした。会談で大統領の支持を得て、同盟強化を内外にアピールしたい安倍晋三首相が会談に向けた戦略練り直しを迫られるのは必至の情勢だ。
関係筋によると、日本政府は同日までに、東京とワシントンの外交ルートを通じ、集団的自衛権の行使を可能とするため憲法解釈見直しを目指す首相の姿勢への理解と協力を米側に打診。
2013/02/02 02:26 【共同通信】
安倍政権の右傾化の歯止めをアメリカにかけてもらうしかない状況というのも情けない限りではあるが、そうはいっても幸か不幸かオバマの任期の残りは安倍晋三より長い。仮に次回衆院選まで安倍が粘るとしても、衆院選はもっとも遅くて2016年12月、オバマ大統領の任期満了は2017年1月だからだ。つまり、安倍の相手となる米大統領は今後もずっとオバマであって、小泉純一郎の時のバカ・ブッシュとは相手が違うのである。安倍は外交・安全保障問題の進展が思うに任せず、またぞろストレスを溜め込むことは目に見えている。もっとも、アメリカの圧力は米軍基地問題では懸念される方向にしか働かないことは肝に銘じておく必要があるが。
ところで、この件でもう一つ思ったのが、「小沢信者」を中心とする「反米左派」の言説によると、アメリカの圧力によって媚米政権が集団的自衛権の行使に突き進むという話だったはずなのに、全然違うじゃないかということだ。
私は、そのうち「小沢信者」ら「反米左派」と、平沼や城内実ら「反米右派」(安倍晋三も本心ではこちらだろう)とがいずれ手を組むのではないかと前々から予想している。過去にも「小沢信者」らが熱心に平沼赳夫や城内実を応援してきた実績があるし、最近「小沢信者」の間で(孫崎享に教化されて)岸信介の再評価が急速に進んでいることなども想起されたい。
アメリカが日本を右傾化させているのではない。日本人自らが右傾化の道を選び取っているのである。