kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「総理大臣にふさわしい政治家」の世論調査で小沢一郎が10%なんて、TBSの誤表記を信じるとはおめでたすぎる

まだ年が明けてもいないのに、おめでたい方々が少なからずいらっしゃるようだ。

何がって、TBS系列の放送局で形成されるJNN(Japan News Network)の世論調査で、「総理大臣にふさわしいと思う政治家は?」という問いに対して「小沢一郎」と答えた人が10%に達したとの報道に、ネットの一部に今も根強く棲息する「小沢信者」の方々が大喜びした件である。

当該報道のURLは下記。

現在、回答結果は下記の通り。

総理大臣にふさわしい、あるいは任せたいと思う政治家は誰ですか。1人だけ挙げてください。

ところが、これが公開された当初、「小沢一郎」と答えた人が「10%」と表示されていたのである。私はこれをさる「小沢信者」のブログで知り、TBSのサイトを参照したところ、確かにそうなっていた。しかしこの件を日記に取り上げようとは思わなかった。TBSのサイトの誤表記に決まっていると確信したからである。事実、その後誤表記が訂正された。上記に転記した通りである。

この件は、「小沢信者」とまでは言えないながらもかなり小沢一郎寄りの、さるリベラル系の有力ブログに取り上げられた*1こともあって、ネットではかなり広がった。ご苦労なことに、Togetterに検証サイトまで現れたが、もし「小沢一郎」が10%なら、票の数字を全部足し算すると105%になる。一方、小沢が「1%」でも合計は96%となり、いずれにしても計算が合わないということで、議論になっていた。

この結果においては、「0%」というのが曲者で、0.49%であっても四捨五入で「0%」と表記される。しかし、0.5%ジャストでも「1%」と表記されるわけであり、しかも「0%」と表記されている政治家は7人しかいないから、これらをかき集めてもトータルが100%となるには至らない。このことから、表にはまだ間違いが残っていると思われる。TBSのいい加減な仕事ぶりには呆れるほかない。

ともあれ、ここから想像されることは、「小沢一郎」以外にも結果が誤表示されている選択肢があるのではないかということである*2

一方、まずあり得ないとして棄却されるべきは、小沢一郎と答えた人が本当に10%もいたという仮定である。10人に聞いて1人というのならあり得るが、サイトには「有効回答数1200」と表記されている。1200人のうち最低114人もの人間が「小沢一郎」と答えることはまずあり得ない。そんなに小沢一郎の支持者が多いなら、参院選という全数検査の結果において、生活の党の候補者全員が落選するはずがないのである。但し、参院選で、ドント式の壁に阻まれたとはいえ山岡賢次(笑)がもう少しで当選というところまで行ったことを考えると、「小沢一郎」の回答が「1%」ならあり得なくもない。こう考えるのが普通だろう。


さて、以降はファンタジーではなく現実の話。時事通信が6〜9日にかけて行った世論調査の結果である。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013121300636&g=pol

内閣支持急落、最低の47%=不支持32%−時事世論調査


 時事通信が6〜9日に実施した12月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比9.5ポイント減と急落し、47.1%となった。第2次内閣発足直後の2013年1月の調査以降最低で、5割を割り込んだのも初めて。不支持率は8.1ポイント増の32.7%となり、初めて3割台に乗せた。
 安倍政権が、国民の「知る権利」侵害の恐れを指摘される特定秘密保護法の成立を急いだことが影響したとみられる。同法の成立は調査初日の6日夜だった。
 調査は全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は63.1%だった。 
 内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」が15.1%でトップで、「首相を信頼する」「リーダーシップがある」がともに14.4%で続いた。支持しない理由(同)は「期待が持てない」14.9%、「政策が駄目」13.6%、「首相を信頼できない」12.3%が上位を占めた。
 政党支持率は、高い順に自民党24.6%(前月比1.2ポイント減)、公明党3.8%(0.5ポイント増)、民主党3.4%(0.2ポイント増)、共産党1.3%(0.3ポイント減)、日本維新の会1.2%(0.7ポイント減)。調査期間中に江田憲司前幹事長らの離党の動きがあったみんなの党は0.9ポイント減の0.6%。維新とみんなは第2次安倍内閣発足後の調査で最低となった。支持政党なしは63.2%(2.8ポイント増)で、第2次内閣発足後の最高を記録した。

時事通信 2013/12/13-15:04)

この記事では社民党と生活の党が無視されているが、時事通信のサイトには一覧表が掲載されており、それによると社民党0.6%(増減なし)、生活の党0.1%(0.3ポイント減)、新党改革0.0%(増減なし)となっている。記事に記された調査の有効回収率を考慮すると、回答をした1262人のうち「生活の党」と答えた人は1人しかいなかったということだ。こんな状態なのに、「総理大臣にふさわしい政治家は」という問いに「小沢一郎」と答える人間が10%もいるはずがなかろう。

今回の件で、「小沢信者」のブログ群が久々に沸いたようだが、こんなことしか話題にできないようではどうしようもあるまい。

そういえば、去年の12月の第3日曜日が衆議院選挙の投開票日だった。「日本未来の党」惨敗の総選挙から、明日で丸1年になる。

*1:http://mewrun7.exblog.jp/21437449;この記事が公開された時には、TBSのサイトはまだ「10%」の表記のままだった。

*2:その後もう少し考えてみた。表には記されていないが、他にも四捨五入で「0%」の政治家が多数いて、それらの小数点を切り捨てた状態で数値、すなわち「0%」を足し合わせてしまったのではないかとの仮説が立てられる。この場合、「その他」の「5%」が誤りで、実際には「9%」ほどいたのではないかと推測される。