kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

仲井真弘多の辺野古埋め立て承認と安倍晋三の靖国参拝

沖縄県知事仲井真弘多辺野古の埋め立てを承認した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013122702000243.html

辺野古埋め立て 沖縄知事承認 迷走の末「県内移設」


 沖縄県仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は二十七日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設に向け政府が申請した名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立てを承認した。知事の公印が押された承認書が埋め立て事業者の沖縄防衛局に送達された。仲井真氏は自らの公約である「県外移設」の主張は堅持。午後に県庁で記者会見し承認を正式表明する際に「知事コメント」として公表する。 

 仲井真氏にとっては「苦渋の選択」(知事周辺)だが、住宅密集地に囲まれた普天間の危険性を早急に除去し、固定化を回避しなければならないと考え最終決断した。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十七日午前の記者会見で「米軍の抑止力や普天間の危険除去、基地負担軽減のためのぎりぎりの判断が辺野古移設だ」と、仲井真氏の判断を歓迎した。

 ただ、米軍基地が集中する県内での移設は地元世論の強い反発を招くのは必至だ。来年一月の名護市長選で辺野古反対を明言する現職が再選されれば、「直近の民意」を理由に反対運動が高まるとみられ、移設実現には曲折も予想される。

 政府は今年三月、県に辺野古沿岸部の埋め立てを申請した。十一月末には、知事を支え「県外」を掲げてきた自民党県連を辺野古容認に転じさせ、知事が埋め立てを承認しやすい環境を整備した。

 県は申請内容を審査するとともに、名護市長や関係機関に意見を照会。埋め立てが環境に与える影響などの疑問点を洗い出し、事業者の沖縄防衛局に質問を重ねてきた。

    ◇

 沖縄県宜野湾市普天間飛行場の移設に向け、名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認した仲井真弘多知事に抗議する市民約千人が二十七日、県庁になだれ込み、座り込みを続けるなど混乱もみられた。

<解説>

 沖縄県仲井真弘多知事が、米軍普天間飛行場の移設に向けた名護市辺野古沖の埋め立てを承認したのは、政府が「普天間の危険性を除去する唯一の解決策」と迫り、受け入れざるを得ない状況に追い込んだためだ。安倍晋三首相は見返りとして、早期に県内の基地負担を軽減すると約束したが、米国との調整は難航必至。沖縄の世論の反発も強く、実現は容易ではない。

 周囲に住宅地が密集する普天間飛行場は「世界一危険な基地」とされ、十七年前に日米両政府が返還に合意。移設先を辺野古沖としたが、沖縄では自民から共産まで与野党の県組織だけでなく、県内全四十一市町村長が一致して県外移設を要請してきた。

 これに対し自民党本部は沖縄選出の所属国会議員に圧力をかけ、県外移設の主張を撤回させた。政府も仲井真氏に「辺野古移設が実現しなければ、普天間は固定化する」と迫ったほか来年度以降の沖縄振興予算の上積みまで約束し譲歩させた。

 仲井真氏は公約として普天間の県外移設を掲げてきただけに、今回の埋め立て了承は事実上の公約違反との批判は免れない。日米同盟強化を理由に、沖縄に基地負担が押しつけられ続ける構図も変わらない。 (後藤孝好)

東京新聞 2013年12月27日付夕刊)


仲井真はもともと、第1次安倍政権発足から間もない2006年11月の沖縄県知事選で初当選した人間である。この沖縄県知事選は、安倍晋三が総理大臣になって最初の大型地方選として注目された。もっとも厳密にはその前の週に福島県知事選が行われており、自民党が推した森雅子が敗北している。私が森雅子の名前を最初に認識したのはこの時だった。それはともかく、沖縄県知事選は選挙前には糸数慶子が優勢とも見られていたが、仲井真が制した。小沢一郎顔負けの中川秀直の「剛腕」によるものとされる。当時のブログ記事を引用する。

沖縄県知事選挙 水面下で争われた徳洲会騒動 : オフイス・マツナガのブログ(2006年11月21日)

沖縄県知事選挙 水面下で争われた徳洲会騒動
2006年11月21日


  ◆沖縄知事選開票結果(選管確定)

当  347,303 仲井真弘多 無新〈自〉〈公〉
    309,985 糸数 慶子 無新〈民〉〈共〉〈社〉〈国〉〈日〉
      6,220 屋良 朝助 諸新

 ※〈 〉内は推薦・支持政党

 沖縄県知事選挙は自公推薦の仲井真が終盤追い上げた糸数を振り切り初当選を果たした。
 この当選の裏には公明党の選挙運動ともう一つ「中川秀直隠し球」があった。
 これは徳田毅(鹿児島2区)の自民党入党問題がある。
 徳田は11月、父・徳田虎雄が築いた「自由連合」を脱党し自民党へ入党すると衝撃的な行動に出たのだ。

  マスコミが書くことの出来ない、内部レポート。
  マスコミ関係者の無断パクリは、ほどほどに・・・・お願いします。

  参考:沖縄知事選挙は大接戦


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徳田毅氏、自由連合離党を正式表明 [11/02 17:35] MBCニュース


 鹿児島2区選出の衆議院議員徳田毅さんが、きょう自由連合からの離党を正式に表明しました。当面は無所属で活動するということですが、今後、自民党入りをめざすのではないか、という見方も出ています。
 鹿児島2区選出の衆議院議員徳田毅さんは、きょう、県庁で記者会見し、自由連合からの離党を正式に表明しました。そして、離党の理由について、「地域の問題は、自由連合という枠組みだけではなかなか解決できない。党を離れて、自分の可能性について考えてみたい」と話しました。
 徳田毅さんは、父の虎雄さんの政界引退により、去年の総選挙に無所属で立候補し、初当選を果たしました。その後、自由連合の代表を務めていましたが、今回の離党表明により、当面は、無所属で活動するということです。しかし、会見では、格差是正について、安倍政権に期待する発言も出るなど、今後、自民党入りをめざすのではないか、という見方も出ています。


 鹿児島2区では、自民党公認をえられず無所属で選挙戦を戦い、徳田さんに敗れた後離党していた打越明司さんが、きのう復党願いを出したほか、党公認候補として3度連続して徳田さん親子に敗れた園田修光さんも活動を続けており、次の選挙での公認をめぐる動きがすでにはじまっています。このため、徳田さんの今後の動向に注目が集まっています。

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 遂に30年も前に始まった「保岡・徳田戦争」が再燃か?
 通称「保徳戦争」は奄美大島周辺を舞台に既存保守勢力である日本医師会徳洲会との大戦争だった。
 日本医師会は当時の田中角栄を主に大量の田中軍団を送り込み徳田を蹴散らしてきた。
 大量の金ばらまきに作戦よる大戦争徳田虎雄前理事長は3敗。
 だが、田中派分裂(田中系ー竹下系)などの内部の弱体化によって90年2月、ようやく当選した。
 それ以後、金で苦労し借金を抱えた保岡興治が本土・鹿児島に上がり、奄美大島周辺地域は徳田の地盤となり「保徳戦争」終わったかに見えた。
 そんな平和な日々が続いたにもかかわらず徳田毅自民党へ入党すると言う動きを見せた。当然日本医師会は激怒する。
 形を変えた大戦争が勃発したのである。
 日本医師会宇和島徳洲会の「腎臓移問題」をリーク。これは後に逮捕者が出る事件へと発展すのだが、医師会側からこれでもかこれでもかと腎臓移植に関するリークが続き、宇和島徳洲会問題は全国的に取り上げられてしまう。
 こんな状況ともなれば徳田毅自民党入党が危ぶまれるのは当然。


 そこで救いの手を出したのが中川秀直幹事長だ。
 中川幹事長は徳田に「沖縄県知事選挙で我が党推薦の仲井真が危ない。何とか当選できるように頑張ってくれれば入党を認める」
 と沖縄県知事選挙勝利と引き替えに「徳田入党」を約束した。


 徳洲会沖縄県内(沖縄、宮古石垣島)に16もの医療施設を持っている。徳田はここの関係者をフル動員すると共に、本土の鹿児島などから職員を百数人沖縄へ派遣。選挙戦術用に従事させたのだ。
 父・徳田虎雄は以前、「徳洲会病院の入院・外来関係者は一病院で家族を含め7万人位いる。その家族らを説得すればそこそこの票は出てくる」
 といっていた。
 沖縄県知事選挙で「徳洲会」が本気でローラー作戦をやればそこそこ1〜3万票は出てくるようだ。
 徳田猛が中川幹事長から日本医師会の妨害をはね除けて自民党への入党の最大の条件とすれば必死に中井真をやったということも頷けるわけだ。
沖縄県知事選挙では各社の出口調査で数ポイントながら糸数が有利とでていた。
 ところがあにはからんや当確予想の基本資料である出口調査がひっくり返ったのである。
 その原因は不在者投票が10万票にも上ったこと。これは病院の入院関係者が不在者投票したとか、自民党公明党が支援者に働きかけ、公共事業と引き替えに?不在者投票をさせたとかの噂が流れている。

 
 ともあれ、沖縄は基地問題より失業対策=経済対策(公共事業)が優先されるような状況になっている現実がある。
 あまり本土の人間が文句を言う筋合いではないが・・・・。


 ともかく、日本の平和と安全問題がこうした下世話な状況によって選挙がさようされるのか・・・・。
 うう・・・・ん。日本の現実は厳しい!? 


文責:辻野匠師


東京都知事猪瀬直樹の辞任劇が連想される、なにやらきな臭い話だが、そちらについては、「仲井真弘多 徳洲会」でググると、「元痴漢」氏のブログ記事が多数引っかかる。私は元痴漢の尻馬に乗るつもりなど毛頭ないから、この件にはこれ以上触れない。

私が言いたいのは、多くの方と同じ感想だろうが、安倍晋三靖国参拝仲井真弘多辺野古埋め立て承認とはセットなんだろうなということだ。ともにテレビがジャーナリズムの本分である「報道」を棄ててしまい(だから「報棄て」というのである)、年末年始の馬鹿げた娯楽番組に精を出している隙に行った。しかも、靖国参拝アメリカを怒らせ、辺野古埋め立てはアメリカに取り入るという、アメリカの反応という意味では正反対のベクトルを持っている。安倍晋三としては、アメリカにクリスマスプレゼントをしてやるのだから、靖国参拝も大目に見てもらえるのではないかという手前勝手な観測をしていたのではないか。

このあまりにも甘い希望的観測は、安倍晋三靖国参拝に対するアメリカの強い反発によってものの見事に打ち砕かれた。アメリカにしてみれば、ソ連は既に亡く、中国も政治体制はともかく経済面ではロシアともども過激な資本主義経済の国になっている。ロシアや中国は世界でも有数の、貧富の差が極端に激しい国とされる。アメリカにとってはロシアはもとより、政治的な自由のない中国や北朝鮮よりも、戦前の亡霊によって支配されているかのような日本の軍国主義の方が厄介なのであろう。旧大日本帝国軍国主義は、ナチス・ドイツファシズムともども「絶対悪」であるというのが世界の常識である。それこそ、かつての竹村健一の決めゼリフをもじって言えば、「世界の常識は日本の非常識」というやつである*1安倍晋三靖国を参拝した12月26日は、アメリカでは25日のクリスマスであった。極東の極右国家主義者からの最悪のクリスマスプレゼントに、米オバマ政権が激怒したであろうことは想像に難くない。

今朝(12/28)の朝日新聞記事より。

http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312270407.html

「米の失望」首相の誤算 靖国参拝、国際社会で孤立感


 安倍晋三首相の突然の靖国神社参拝から一夜明け、批判や懸念の声が世界に広がった。「失望」を表明した米国、「遺憾の念」を示したロシア、「慎重な外交」を求めた欧州連合(EU)――。日本への逆風は中国、韓国にとどまらず、国際社会で孤立感が深まっている。

 「日本包囲網」が瞬く間に形成された背景には、首相が靖国参拝をごく限られた側近だけと決めたことがある。「参拝を歓迎する人たちの旭日(きょくじつ)旗に囲まれるわけにはいかない」(政権幹部)と事前の情報漏れを防ぐことを優先させたため、外交当局を交えて関係国の反応を十分吟味しなかった。首相秘書官の一人は26日の参拝直前、「官邸で首相がモーニングを着ていたので驚いた」と明かした。

■日米防衛相の電話協議中止

 安倍政権が外交の柱に掲げた日米同盟の強化は参拝を境に暗雲が立ちこめた。27日、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古埋め立ての知事承認に絡み、小野寺五典防衛相と米国のヘーゲル国防長官が電話協議をする方向で調整が進んでいたが、都合が合わないとして急きょ中止になった。

 関係者は「靖国参拝が影響したかわからない」と歯切れが悪い。

 首相の参拝を機に対応に追われる外務、防衛両省内に無力感が広がっている。

朝日新聞デジタル 2013年12月28日08時07分)


記事の続きの部分を本紙の紙面から一部引用する。

 参拝への批判に対し、有効な手立てを講じる動きはない。首相周辺は米国の批判を当初、「在日米国大使館レベルの報道発表だ」。その後、国務省が同様の談話を発すると、政府高官は「別の言葉から『失望』に弱めたと聞いている」と語った。官邸から外務省には「参拝で外交に悪影響が出ると記者に漏らすな」と伝えられたという。
朝日新聞 2013年12月28日付1面掲載記事より)

政府高官(内閣官房副長官を指すとされる)が「別の言葉から『失望』に弱めたと聞いている」と言ったというくだりには大笑いしてしまった。アメリカは本音では、安倍晋三に対してもっと激しく腹を立てているのだと、自ら認めた発言だからである。

かくして安倍晋三アメリカの「虎の尾」を踏んでしまったのだった。

ここで注目したいのは、「アメリカの『虎の尾』を踏んだ者はアメリカの陰謀によって失脚させられる」という「小沢信者」が信奉する教義の真否が今後試されるということだ。「小沢信者」たちは、いや、安倍晋三仲井真弘多に圧力をかけて辺野古埋め立てを認めさせたではないか、アメリカの意に沿ったこともしている、などと言うかもしれないが、安倍晋三のような狂信的な国家主義者ならずとも、単なる「親米」の政治家なら自民党に大勢いる。安倍晋三の「代わり」などいくらでもいるのであるから、上記の仮想反論は無効である。

もちろん私は小沢一郎は単に自滅したに過ぎないと考えている。もっとも安倍晋三も今後再び「自滅」する可能性は少なくない。6年前の総理大臣投げ出しも「自滅」であった。人間は変わらない。同じことを何度でも繰り返す。

*1:竹村健一は確か「日本の常識は世界の非常識」と言って、かつての日本に根強かった平和主義を批判していた。但し、右寄り文化人として悪名高かった竹村がテレビ評論を引退する直前、日本や自民党の極右化を批判するようなことを言っていた。今、竹村は安倍政権をどう見ているのであろうか。