kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

極端な論功行賞人事に走り、自ら抜擢した裏金議員・萩生田光一を「傷もの」呼ばわりした高市早苗。2002年民主党代表選に再選された直後に代表辞任に追い込まれた鳩山由紀夫を彷彿とさせる

 ネット検索をかけるとジェラルド・カーティス小泉進次郎と仲が良くて小泉を買っているらしいが、自民党から離れたら「ただの人」としか思えない小泉を評価しているのに「自民党の崩壊は時間の問題」というのは、個人的な感情と学者としての分析は別物だということだろうか。たぶんそうなんだろうな。

 自民党政権の寿命がなぜ尽きかけているかというと、それは自民党の経済政策が結果を出せず、国民の生活を苦しくさせる結果にしかならない状態が長く続いているからだ。

 安倍晋三は2度目の政権の最初に思い切った金融緩和をやって、ほんの一時的にだが日本経済を回復させた。自民党はその一瞬の印象を強調する宣伝を続けて2010年代半ばから後半にかけての高支持率を保ったが、実は金融緩和の効果など2010年代半ばにはもう尽きていた。印象操作による政権維持がままならなくなったとみた安倍は2020年夏に再びの政権投げ出しを行い、以後はキングメーカーとして君臨していた。2021年に安倍とはかなり方向性が違う岸田文雄を総理大臣にしたのも安倍だった。岸田が安倍の靴を舐め続けたことを評価したのだろう。しかしその岸田にも非常に緩やかにではあるが「脱安倍」の方向性はあった。そのさなかの2022年7月8日に安倍は暗殺された。

 その少し前だったか後だったか、岸田内閣支持率が一時「V字回復」したことがあったが、その頃に弊ブログは「岸田が解散総選挙をやるチャンスは今しかない。岸田内閣支持率は再び下落に転じるし、そうなったら内閣支持率は二度と回復しない」と書いた。結果はその通りになったが、なぜそう断言したかというと、岸田に限らず自民党には日本経済を回復させて国民の生活を向上させる政策を打ち出す能力がないと考えていたからだ。その考えは今も変わらない。

 そうは言っても「日本初の女性総理大臣」が実現すればそのインパクトは大きい。現在の政局を乗り切って第1次高市内閣が発足したら、当初はメディアの世論調査で高い内閣支持率を叩き出すだろう。

 だが、まだ内閣が発足してもいない段階から極端な論功行賞人事をやったり、自公連立の合意も取れていない段階で高市玉木雄一郎と「密談」したりするとは、そもそも高市は政局勘が玉木雄一郎同様、極端に鈍い人間なのではないかと疑わずにはいられない。

 極端な論功行賞人事といえば私が思い出すのは、2002年の民主党代表選で菅直人に勝って代表続投がいったんは決まった鳩山由紀夫であって、鳩山は民社党系を中心とする極端な論功行賞人事をやったことに加えて、小沢自由党との合流を強引に進めるなどしたことから批判を浴びて、9月に代表選をやったばかりだったのに鳩山が辞意を表明し、結局同じ年の12月に民主党は再度代表選を行ない、それには鳩山は出馬せず菅直人岡田克也が争って菅が勝った。結局民由合流は菅の手で行われた。

 あの時の民主党は、野党とはいっても本当に弱い政党だったから、現在腐っても第一党にして与党である自民党とは政党のスケールは全然違う。しかし党首選に勝った人物の軽佻浮薄な動きにかけては今の高市早苗は当時の鳩山由紀夫と大差ない。高市は人事で麻生派を偏重した上、自らが幹事長代行に決めた裏金議員の萩生田光一を「傷もの」呼ばわりした。

 前途多難というよりは、こんな人物に総理大臣が務まるのかと思わずにはいられない。