kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

木曽の御嶽山、有史以来最大規模の噴火か

木曽の御嶽山が噴火したというニュースを知ったのは今日の夕方。

http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092701001054.html

御嶽山噴火、16人意識不明 重傷者30人超の情報も 

 27日午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(3067メートル)が噴火した。長野県によると、少なくとも16人の登山者が意識不明となった。重傷者が30人以上との情報もあり、さらに多数のけが人が出ている可能性もある。

 登山道の各山小屋には視界不良などで下山できなかった40人以上がとどまったが、県警などは二次災害の恐れから27日は救助を断念。情報は山小屋の従業員らに頼っており、28日朝に救助活動が可能かどうか、あらためて判断する。

 気象庁によると、付近を飛行した航空機の報告などから、噴煙は上空10キロ以上まで達した可能性がある。

共同通信 2014/09/27 21:57)


御嶽山はいろんな山に登った時、東からも西からも眺めたことがある。特徴のある山で、一度登ってみたいと思っていたが、今回の噴火で登山に規制がかかった。これは意外に長引くかもしれない。

ところで、御嶽山といえば宗教登山の山というイメージがあり、噴火のニュースを聞いた記憶もなかった。調べてみると、有史以来噴火の記録がなく「死火山」もしくは「休火山」とされていたが、1979年に有史以来初の噴火が確認されたという。その後、1991年と2007年にも小規模な噴火があったようだ。この件に関しては、その社名のせいか、山系、もとい産経の報道が詳しい。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140927/dst14092721410022-n1.htm

水蒸気爆発発生か 「影響数カ月続く可能性も」「火砕流」発生した可能性が高い

 御嶽山で27日に起きた噴火は、昭和54年以降で最大とみられる規模となった。噴火のメカニズムはまだ分かっていないが、専門家は前回の平成19年などと同じ水蒸気爆発とみており、気象庁は火山灰などを分析して詳しく調査する。

 日本列島は太平洋側から海洋プレート(岩板)が陸側プレートの下に沈み込んでいる。両プレートの境界付近ではマグマが発生するため、列島を縦断するように火山が連なっている。御嶽山は太平洋プレートに関係する乗鞍火山帯に位置する活火山だ。

 御嶽山は約1万年前以降、マグマを放出する噴火や、マグマの熱で地下水が水蒸気となって爆発する水蒸気爆発を繰り返してきた。しかし、噴火は頻度が低く歴史記録は残っておらず、昭和54年の噴火が有史以来、初の噴火だった。

 このときの噴火は山頂南西の山腹にできた割れ目で水蒸気爆発が発生。複数の火口から噴煙が上がり、前橋市付近まで火山灰が降った。噴出物は二十数万トンと推定されている。

 平成3年と19年の小規模噴火も水蒸気爆発だった。荒牧重雄東大名誉教授(火山学)は今回の噴火について「見る限りではマグマの関与は認められず、水蒸気爆発とみられる」と話す。

 気象庁によると、今回の噴火場所は山頂南側の火口とみられ、3キロ以上にわたって噴煙が流れ下った。高温の軽石やガスなどの混合物が高速で流れ落ちる「火砕流」が発生した可能性が高い。火砕流は非常に危険な現象で、雲仙普賢岳長崎県)で大きな被害をもたらしたことで知られる。

 今後の推移について、気象庁の北川貞之火山課長は「数カ月続く可能性もある」と指摘。荒牧氏は「予想できないが、防災面からは悪い方に考えて噴煙や噴石に警戒すべきだ」と話す。

MSN産経ニュース 2014.9.27 21:41)


この記事からは昭和54年(1979年)の噴火と今回の噴火のどちらが規模が大きいと判断されるべきかはわからないが、もし今回の噴火の方が規模が大きいとされるようなら、上記記事の赤字ボールドにした箇所の記述から、今回の噴火は「有史以来最大」の規模だったことになる。

もう1つ、別の産経の記事。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140927/dst14092721440023-n1.htm

地震活動の予兆あったが…噴火の記録乏しく予知できず

 御嶽山では噴火の約2週間前に地震活動が活発化したが、気象庁は前兆現象と判断できず、予知できなかった。噴火の記録が乏しく観測網も手薄だったためで、経験則に基づく噴火予知の難しさを示した。

 気象庁によると、御嶽山では9月10日ごろに山頂付近で火山性地震が増加し、一時は1日当たり80回を超えた。しかし、その後は減少に転じた。マグマ活動との関連が指摘される火山性微動は噴火の約10分前に観測されたが、衛星利用測位システム(GPS)や傾斜計のデータに異常はなく、マグマ上昇を示す山体膨張は観測されなかった。

 噴火は地震と比べると予知しやすいとされるが、過去の噴火で観測されたデータに頼る部分が大きい。気象庁火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「今回の噴火は予知の限界」と話す。

 平成12年の有珠山(北海道)の噴火は約1万人が事前に避難し、予知の初の成功例として知られる。有珠山では江戸時代以降、地震増加が噴火に直結することが分かっていたからだ。

 だが、このような経験則が成り立つ火山は例外的だ。御嶽山は有史以来初となった昭和54年の噴火が起きるまで、噴火の可能性すら認識されず、近年も静穏な状態が続いていた。噴火過程の理解など予知の判断材料は十分でなかったという。

 藤井会長は「観測点がもっとあれば分かったかもしれないが、噴火予知は多くの場合、難しいのが現状だ」と話している。

MSN産経ニュース 2014.9.27 21:44)


素人考えだが、こういうニュースに接すると、近年、日本列島は地震や火山活動が活発な時期を迎えたのではないかと思えてならない。90年代以降、雲仙普賢岳噴火(1991年)、阪神淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)が相次いで起きている。

そして、産経的には触れられたくないことだろうが、九州電力川内原発の近くにある火山の影響は本当に大丈夫なのだろうかと疑う。霧島の新燃岳が噴火したのは東日本大震災の直前、2011年1月だった。霧島山最高峰の韓国岳には2002年に登ったことがある。また、開聞岳にも1999年に登ったことがあるが、この山も「薩摩富士」と呼ばれる山の形からも明らかなように火山である。桜島が噴煙を上げている姿は、過去5度ほど鹿児島を訪れた際に、毎回見てきた。川内原発が被害を受ける可能性がある想定範囲内に、霧島、桜島開聞岳の3つのカルデラがあり、過去に川内原発敷地内にそれぞれの火砕流が到達した記録があることを九電も認めているのである。