kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

極右トンデモ女「川口マーン惠美」の正体

川口マーン惠美に関してネット検索をかけ、下記「アマゾンカスタマーレビュー」のコメントをみつけた。例の『8勝2敗』うんたらかんたらとは別の本のレビューである。

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★★★☆☆ 反日的ドイツに対する安倍シンパの鬱憤晴らし?, 2013/11/21
投稿者 iwannoaho
レビュー対象商品: ドイツで、日本と東アジアはどう報じられているか?(祥伝社新書) (新書)

興味深いタイトルに惹かれて一気に読ませてもらったのだが、著者のかなり右翼チックな解説には初めから終わりまで辟易とさせられた。著者は安倍シンパであることを隠していない。しかしドイツのマスコミは安倍総理にきわめて冷たく、ほとんど年中批判ばかりしているので、著者としては無性に腹立たしく、おそらくその不満が高じてこの本を書くことになったのであろう。要するに、この本は著者の反日的なドイツ・マスコミに対する鬱憤晴らしのような他愛のない本なのであるが、著者の意図とは別にわれわれが日ごろ接する機会のないドイツ・マスコミの日本評を知る上では貴重な本である。著者にとっては憤懣やるかたないほど偏向していると思われたのかもしれないが、ここに紹介されたドイツ・マスコミの日本批判は決して著者がいうようにひどいものではない。むしろそのほとんどは冷静かつ客観的なものであり、その分析力と情報収集力は驚くほど正確である。もしこれが逆であれば、日本のマスコミが果たして遠い国(近い国でも同じだが)の政治をこれほど正しく伝えるであろうかと非常に疑問に思う。著者がドイツ・マスコミを偏向していると感じるのは、情緒的ナルシズム的なナショナリズム(著者はそれを「愛国心」だと思っているらしい)から来るものであり、日本を批判されることは即自分を批判されることだと受け取って感情的に反発しているにすぎないのではないかと思われる。

以下、本書に対する若干の疑問点を指摘しておきたい。

まず著者はドイツ・マスコミのヒステリックな報道の証拠として3,11後のドイツ人の反応を例にあげて批判しているが、おそらくこの著者は3.11原発危機の何たるかも分かっていないのではないかと思われる。3.11後、ドイツの新聞などではすぐに日本を脱出しなければというパニック報道が起こった。これはドイツ人の原発ヒステリー症の例としているわけだが、しかしあの当時、日本では何が起こってもおかしくない本物の危機があったということについて著者はまったく分かっていない。もしあのとき原子炉の冷却に失敗すれば格納容器が爆発していた可能性は非常に高くあった。もし現実にそうなっていたら、東日本一帯は数百年間人が住めない地域になっていたであろう。格納容器が爆発しなかったのはむしろ幸運な偶然の結果であり、決してその危機はなかったとはいえないはずである(いうまでもなくその潜在的危機は現在でも続いているのだが)。

次に著者は3.11をきっかけに脱原発に舵を切ったドイツ人が、こともあろうにその恐るべき事故の当事国である日本で原発再稼働派の政党が国民の圧倒的支持を集めて政権についたということを信じられないとしているのを逆に批判している。しかし3.11がきっかけで脱原発を選択したドイツを責めるのはどうかしているのではないか?あれほどの事故を起こした国で、しかもその事故がいまだ収束したとはいえない状況で、さらに世界一の地震大国でありながら、原発再稼働派に政権を渡すというのは、一体、どういう選択なのか?これは原発ヒステリーのドイツ人でなくても「日本=不思議の国」と映ってもいたしかたあるまい。

現在のドイツ人の日本批判の根底には先の戦争をいまだに自衛戦争だったとかいってごまかし加害国であったという反省と罪意識を欠如していることがドイツ人には信じられないのである。これは当然のことであろう。しかしこの著者にはユダヤ人を殺したドイツと一緒にされたくはないというのである。実際、現在の安倍総理をはじめその周辺の人物はいまだに自衛戦争論を固持しているので、安倍シンパとしては当然その方があたりまえだと思っているのであろう。

著者はドイツ人がいう南京での虐殺事件も実際には誇張であると信じているらしいのだが、その根拠として虐殺否定派の東中野氏の本をドイツ人に読ませたいなどと書いている。これには唖然とした。東中野氏の本では南京でいわゆる便衣兵の処刑が行われたことに対してハーグ陸戦規定に則り合法であったというとんでもない解釈をしている人物である。そんな本をドイツ人が読めば、これはユダヤ人の虐殺を合法だったというのとほとんど同じ理屈だとみなされるであろう。こんな論理は世界中どこにも通用しない論理であり、日本でも秦郁彦氏や北村稔氏をはじめ右派の研究家からも批判されているのをご存じないのか?ちなみに著者は従軍慰安婦問題で秦郁彦氏の研究を例にあげて世界中に慰安婦制度はあったとして日本を弁護しているのであるが、その秦郁彦氏が自著(「南京事件中公新書)の中で日本が中国人に対して行った虐殺とナチがユダヤ人に対して行った虐殺のどちらが悪いかということは一概にいえないと明確に語っているのをご存じないのであろうか?

著者も認めるように、現在の安部政権に対する右傾化批判はなにもドイツだけではなく、アメリカにおいても厳しい批判が底流として存在し、しかもそれは民主党だけではなく共和党内にも安倍批判が強くある。その結果、現在の日本は「戦争をいまだに反省していない手前勝手な国」として世界中からみられているという事実が存在する。これは著者がいうように決して単なる周囲の誤解ではなく、むしろそれこそが世界標準であるという事実を受け入れなければ、日本はこの先も孤立を深めるだけであるということは間違いないであろう。著者にはぜひこのあたりまえの事実に気付いてほしい。


川口マーン惠美とは、どうしようもない安倍晋三信者の極右トンデモ人士らしい。こんな人の書いた本を読んで喜ぶ人間が「安倍談話」を擁護するのは当然かもしれないと思った。