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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池百合子、今年も関東大震災の朝鮮人虐殺追悼式典に追悼文を送らず(呆)

 小池百合子は今年も追悼文を送らなかった。朝日新聞デジタルの「有料記事」は末尾の部分以外は無料で読める。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM914GYYM91UTIL00J.html

 

小池知事、今年も追悼文送らず 関東大震災朝鮮人虐殺

軽部理人 

 

 関東大震災から96年を迎えた1日、震災の混乱の中で虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典が東京都墨田区横網町公園で開かれ、約700人(主催者発表)が参列した。小池百合子都知事は3年連続で追悼文の送付を見送った。主催者からは「事実の風化につながる」と批判の声が上がった。

 政府の中央防災会議が2009年までにまとめた報告書によると、震災後に「朝鮮人が略奪や放火をした」などの流言が広まり、各地の「自警団」などが朝鮮人らを殺害する事件が多発した。1千~数千人が殺されたと推計し、「虐殺という表現が妥当する例が多かった」と記している。

 式典は、虐殺された朝鮮人らを追悼するために市民団体などが毎年開催。今年の式典では、河野洋平・元衆院議長が「歴史を銘記して語り伝えることによって、民族差別とは無縁の社会を作っていきたい」とするメッセージを寄せた。

 歴代の都知事は式典に追悼文を寄せており、小池知事も就任直後の16年は送付した。だが翌17年からは「震災の犠牲者全てを対象とする法要で哀悼の意を示している」として、取りやめた。小池知事は虐殺についても「様々な見方がある」とあいまいな言い方を続けており、式典の実行委員会が8月下旬に抗議声明を発表していた。

 江戸川区の会社員男性(45)…

 

朝日新聞デジタルより)

 

 小池が朝鮮人虐殺の犠牲者らを追悼する式典に追悼文を送るのを止めたのは2017年だったことに留意されたい。つまり、小池が同年の衆院選で「排除」をやらかす前のことだ。この日記では当然これを取り上げて小池を批判したと記憶するが、当時は「民進党と小池知事の連携に『ワクワク』する」連中が「リベラル」の主流だった。彼らは、石原慎太郎でさえやらなかった追悼文送付の「見送り」を小池がやったことを、見て見ぬふりをした。私はそんな態度をとらず、一貫して小池に批判の目を向けてきたから、同年8月2日付のこの日記で、小池が「排除」をやらかすことを的確に予測する記事を書くことができた。

 以上の例から思うに、現在日本の「リベラル」の間で流布している、「韓国の人たちが批判しているのは『安倍政権』であって『日本』ではない」などとする言説は、あまりに自分たちに甘過ぎるのではないかと言わざるを得ない。現に日韓関係に関する野党第一党の立場は「安倍政権と同じ」らしいし、毎日新聞は平然と「ヘイト川柳」を紙面に載せたらしい。テレビは連日「嫌韓」を煽り続けているし、それを批判する言説を口にした青木理でさえ「どっちもどっち」論に立った上での日本のメディアに対する批判に過ぎないという腰の引けた態度をとっている。日本の言論人の中ではまだしも良心的な言説を唱える青木理でさえこのありさまなのだ。

 ましてや、東国原英夫だの武田邦彦だのといったもともとの極右(もっとも小池百合子ももともとの極右だが)たちがとんでもない暴言を口にしたことは、全く驚くに当たらない。ここでは、脱原発の言説が流行していた頃に、特に「小沢信者」に応援されていた武田邦彦*1の暴言を、朝日新聞デジタルから引用する。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM8Z6V0SM8ZOIPE02J.html

 

ゴゴスマ、出演者発言を謝罪 「ヘイト容認できない」

 
  CBCテレビ(名古屋市)は30日、生放送の情報番組「ゴゴスマ」内で出演者が日韓関係に関して発言した内容について、番組内で謝罪し

 問題の発言があったのは27日の日韓関係についての特集コーナー。韓国で日本人女性が韓国人男性に髪をつかまれるなどした映像が拡散したことを受け、中部大学武田邦彦特任教授が「路上で日本人の女性観光客を襲うなんていうのは、世界で韓国しかありませんよ」「日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しないといかん」などと発言。共演者から「それは言いすぎ」などといさめられていた。30日は司会の石井亮次アナウンサーが番組冒頭で「ヘイト(スピーチ)や犯罪の助長を容認することはできません。不快な思いをされた方々におわびいたします」と頭を下げた。

 CBCによると、武田教授は火曜レギュラー。次回以降の出演予定は決まっていないという。

 

朝日新聞デジタルより)

 

 私は、先週読んだ下記の本の中で武田邦彦の言説が肯定的に引用された実例を目にして改めてうんざりさせられた。
 

www.chikumashobo.co.jp

 

 その文章は山本太郎の「著書」に出てくる*2。但し、どう見ても武田邦彦の文章を肯定邸に引用する一節を含むこの本を実際に書いたのは山本太郎ではない。木村元彦である。これは典型的な「ゴーストライター本」なのだ。単行本初出は2012年の集英社で、まだ山本太郎衆院選に初挑戦して落選するより前に刊行されている。だから本の中で山本太郎は政治家になることを否定しているし(但し2016年に出版されたこの文庫本には、政治家になったあとの山本の「思い」も記されている)、俳優の本だからあからさまなゴーストライター本の体裁で気軽に出版されたのだろう。

 なお、この本に書かれた山本太郎の「原点」は無論「脱原発」だが、最近国民民主党の電力労組系議員に配慮するかのような発言を山本はしていたから、おいおい山本太郎よ、原点を忘れるなよ、と改めて突っ込みを入れたくなったことも付記しておく。

*1:武田邦彦が「小沢信者」たちに応援されたのは、脱原発の言説というよりは、それ以前から武田が唱えていた地球温暖化否定論による。アメリカではトランプを含む共和党とその支持者たちに広く支持されている地球温暖化否定論を、なぜか「小沢信者」たちは大いに好んでいたのだ。この傾向は今でも「山本太郎信者」(ヤマシン)たちに引き継がれている。

*2:面倒臭いので当該の箇所を示すのは省略する。興味のおありの方は直接『山本太郎 闘いの原点』をお読みいただきたい。それは必ず載っているから。