kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池百合子への批判がどうしても弱くなる「リベラル」/出たい人を出させない「野党系候補の一本化」は筋が通らない

 昨日(7/3)、東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者はさらに増えて124人になった。小池百合子の責任は安倍晋三ともども極めて重い。

 また、江川紹子らを代表格とする、早い時期から経済活動の再開を強く求めていた言論人たちにも猛省を促したい。江川氏などは、当初5月6日で終了する予定だった緊急事態宣言の延長にもずいぶん懐疑的だった。江川氏が示唆する通りにもっと早い時期から経済活動を再開させたりなどしていたら、日本は今頃目も当てられない状態になっていたに違いない。

 COVID-19の件にとどまらず、江川氏は検察庁法改正案の件でも、黒川弘務前東京高裁検事長を「能吏」と称えるなど、すっかり「体制側」の論者と化した感があり、私の神経が逆撫でされることが多い。私には、江川氏が「権力(者)の監視」という、ジャーナリスト本来のあり方からはずいぶん逸脱してしまっているように見える。少なくとも10年くらい前の印象とはずいぶん異なっているが、よくよく思い出せば、その間に氏が小沢一郎びいきに傾斜していた時期があった。あの頃からおかしくなり始めていたのだろうか。

 東京都に話を戻すと、本来有権者の鉄槌を受けるべき小池百合子が高笑いすることがほぼ確実な情勢となっている都知事選について、反政権・反小池側の陣営にあるはずの人たちから奇妙な言説が繰り出されている。

 たとえば、ブログ「日本がアブナイ!」から。

 

mewrun7.exblog.jp

 

 ブログ主は今回の都知事選では宇都宮健児を応援しているという。氏は確か2014年の都知事選では宇都宮氏ではなく細川護煕を支持・応援してコメント欄で批判されていたのを覚えているが、今回の判断は良いと思う。しかし、下記の文章は疑問だ。

 

 投票日まであと1週間を切ったのだが。今、mewも周辺の都民も、一番問題にしているのは、小池都知事が、この間まで細かく休業宣言のルールを決めたり、東京アラートがどうのと言っていたのに、都知事選で自民党本部の支持を受けた途端、急に大人しくなってしまい、何も対策をとろうとしないことだ。(ーー゛)

 

出典:https://mewrun7.exblog.jp/29074561/

 

 えっ、自民党本部がいつ小池百合子「支持」を打ち出したのかと驚いてネット検索をかけたが、何も出てこなかった。以前から二階俊博が小池支持を口にしていたことや、自民党が独自候補を諦めて小池を実質的に支援することにしたとはだいぶ前から報じられているが、それは小池が「東京アラート」とやらを宣言してコロナ対策の「やってる感」をアピールしていた頃よりもずっと前からの話で、急に自民党本部が「支持」を決めたわけではない。

 あるいは、記者会見等で自民党が党として「小池支持」を決めたことをアナウンスした機会があったのかもしれないが(もしそうならご存知の方は教えていただきたい)、「自民党の支持を受けた途端、急に大人しくなってしまい」というのは事実に反するのではないか。そんな書き方だと、現在小池がコロナ対策に不熱心なのはまるで自民党のせいみたいではないか。そうではなく、小池百合子本人に大きな問題があり、小池は新型コロナウイルスを利用することしか考えていないというのが私の意見だ。現に東京五輪の延期が決まるまでは、小池百合子安倍晋三を思わせる「気配を消す」やり方を決め込んでいたではないか。

 このように、上記ブログにはいくら宇都宮健児を支持を公言しても、小池百合子に対する批判がどうしても弱くなる傾向が見られる。これは何も上記ブログに限った話ではなく、東京の「リベラル」層の多くに見られる傾向だ。

 なお、今回の都知事選は小池百合子宇都宮健児も政党の推薦はすべて断っている。某新選組の公認に固執した山本太郎とは、その点で鋭い対象をなす。

 その意味では、宇都宮候補の街頭演説で、党で推薦しているわけでもない共産党社民党立憲民主党の幟が目立ったり、上記3政党の幹部の国会議員や小沢一郎(の代役?)や野田佳彦の応援演説ばかりがツイートで拡散される傾向の方がよほど問題だろう。もっと宇都宮候補本人の声を強くアピールすべきではなかったか。

 それから、今回の都知事選では私は山本太郎を全く買わないが、それでも「野党は候補を一本化すべきだった」という意見には強く反対する。新選組や維新、N国といった一部の「ゆ党」を除く野党は、今回どの候補も公認や推薦などはしていない上、宇都宮健児山本太郎は2人とも「何があっても絶対に立候補したい」候補だった。だから、野党が勝手に候補者を一本化する筋合いなど最初からない。山本太郎の場合は資金難を解消する必要に迫られたという事情がありそうだし、もうそうであれば都政よりも個人の野望を優先していることになるから、それはそれで批判を受けるべきだとは思うが、それでも「出たい人間を無理やり出させない」ことは筋が通らない。前回の都知事選では宇都宮氏がその目に遭った。だからこそ氏は今回、何が何でも出馬したかったのに違いない。そもそも、各メディアの情勢調査では、宇都宮健児への支持と山本太郎への支持を足しても、小池百合子への支持には遠く及ばない。

 その意味で、下記「世に倦む日日」ブログ主のツイートは疑問だ。

 

 

 宇都宮・山本両氏が「どうしても出たい」と言っているのに、どうして推薦もしていない立民や共産の幹部がそれを止められるというのか。それに政党の幹部というなら、山本太郎などその張本人ではないか。

 どうやらこの人は山本太郎を「アゲ」たい一方、共産と立民の幹部をdisりたい人で、特に共産党に対して強い私怨を持っているようだが、個人的な感情のために、もはや冷静かつ公正な判断ができなくなってしまっているようだ。前記「宇都宮健児への支持と山本太郎への支持を足しても、小池百合子への支持には遠く及ばない」ことなど、ツイート主自身もしばしば指摘しているにも関わらず、こんな筋の通らないツイートを発信してしまうのだから。

 なお、今回の都知事選では私は宇都宮健児に投票する予定だが、小池に大敗することは覚悟している。宇都宮・山本に加えて小野泰輔の得票がどのくらいになるかも注目されるが、それらも含めて今の東京都のどうしようもなさをはっきり示す選挙結果になるだろう。

 まあここ20年あまりの東京都知事選は毎回そうなるのだが。