これは本当に興味深い。
日本共産党大和高田市議会議員・向川まさひで氏のツイートより。
山本氏と小野氏の傾向が似ているのが興味深いですね。新自由主義に最も煽られた40代で、両氏のウエイトが高いことをどう考えるべきか。 https://t.co/rYTcDc3XPB
— 向川まさひで (@muka_jcptakada) 2020年7月5日
就職氷河期の世代である40代で小野泰輔と山本太郎が強い。40代に限っては小野が2位、山本が3位、宇都宮健児が4位だ。小野は30代でも2位で、山本と宇都宮が激しく競っている(どちらが多いか目視ではわからないくらい)。それより上の世代でも下の世代では、小野も山本は弱くなる。小野と山本の傾向は本当に似ている。
思い当たることがある。2016年の都知事選の直前に行われた参院選東京選挙区で、中盤まで維新公認の田中康夫が当選の勢いだったが、選挙戦後半で山本太郎が応援する三宅洋平に票をずいぶん食われて共倒れし、民進党公認の小川敏夫が辛くも当選したのだ。
さらに遡れば、2012年の衆院選の前には、選挙直前に立ち上がった「日本未来の党」に加わることになる「国民の生活の第一」の代表だった小沢一郎は、「私の考えは橋下市長と同じだ」と口癖のように言っていた。私はその頃、なぜ小沢は維新にすり寄るのか、それは「国民の生活が第一」というスローガンと矛盾するのではないか、そしてそんな小沢一郎をなぜ小沢支持者たちは批判しないのか等々、不思議でならなかったのだが(今でも不思議だ)、おそらく小沢や小沢支持者には、彼らなりの独自の論理があったのだろう。
その流れからずっと一貫しているように見える。山本太郎は、今回の都知事選でこそ小沢と「決裂」したかのように見えるが、それまではずっと小沢の「直系」だった。いや、今回だって小沢は山本を「野党共闘」の統一候補に仕立て上げようとしていた。その過程で両者に行き違いがあっただけのことだ。
山本を含む小沢系と維新とは、どうやら以前からずっと支持層が「被る」ようなのだ。その理由は私には未だにわからないが。
今回も、「食い合い」「潰し合い」をしたのは宇都宮健児と山本太郎ではなく、案外小野泰輔と山本太郎だったのかもしれない。
[追記]
維新が東京にも浸透し始めた、と危機感を持つ人もいるようですけど、NHKの出口調査を見ると自民党支持層から票が回ってますからね。そこを見逃してはいけません。今回自民党は小池百合子を支援したわけではなく自主投票です。また、記事本文に書いたように2016年参院選の東京選挙区で、維新公認の田中康夫に当選の可能性があると言われたこともあります。
蛇足ですが、自民党には極右の安藤裕のように、山本太郎と仲の良い議員もいます。これも蛇足ですが、全国で一番山本太郎が強いのは東京です。山本は兵庫県宝塚市出身で、彼の言葉には強い関西アクセントがありますけど。