いろいろと見られる山本太郎に対する弁護論だが、こんなのもある。
なお、これも落ち着いたら書こうと思ってたが、山本さんが野党共闘票を割ったとの批判あるが、「小野候補+維新」の躍進を止めた功績は大きいと思ってる。年齢・実績・吉村人気を考えても危なかった。
— 舩田クラーセンさやか Sayaka Funada-Classen (@sayakafc) 2020年7月5日
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小野氏陣営「旬の吉村知事の勢い生かせず」 https://t.co/apBDpeCRQV #2020東京都知事選挙
この主張はさすがに無理。
小野泰輔の得票は都心3区(千代田、中央、港)が多い。いわゆる「勝ち組」から票を集めた。一方、山本太郎の得票にはこれといった特徴がなく、広く薄く票を集めた。
この両者がともに30代、40代で得票が多かったのだが、「票が被っている」(と私も安易に書いてしまったけれど)というよりは、「就職氷河期」といわれた苛酷な弱肉強食の時代*1における「勝ち組」が小野支持に、この時代に被害を受けた層が山本支持に回った面とみる方が妥当だろう。30代、40代で両候補が強かったのは、この世代では階級の分化が著しいために起きた現象だが、山本が小野の躍進を食い止めたとは全くいえない。
一方、共同通信の調査を見る限り、やはり山本太郎は今回も立民と共産の支持層からともに2割近い票を得ていた。下記は東京新聞記事へのリンク。
以下引用する。
自公支持の80%超が小池氏に 都のコロナ対策評価、60%
2020年7月5日 21時02分 (共同通信)
5日投開票の東京都知事選で共同通信社が実施した出口調査によると、小池百合子氏は自民、公明両党の支持層の80%超を固め「支持する政党はない」とした無党派層の56・9%を押さえるなど、幅広く支持を集めた。都の新型コロナウイルス感染症対策を評価した人は60・7%で、うち79・6%が小池氏を支持し、勝利の一因となった。
宇都宮健児氏を支援した立憲民主党の支持層は、45・9%が宇都宮氏に投票した。31・6%は小池氏、17・3%は山本太郎氏に流れた。共産党支持層は、宇都宮氏が60・9%を固めたものの、山本氏が18・4%、小池氏も16・1%を獲得した。
(東京新聞より)
山本太郎は、やはり「野党共闘」票を割る以外のことはやっていない。
なお、「野党共闘」については、これが野党相互間での批判を封じる弊害が大きく、この点については大いに批判されるべきだが、その一方で衆議院選挙が小選挙区制を中心としている限り、共闘自体は行わざるを得ない。
私がいつも言うのは、「野党共闘」は衆院選の選挙制度を現行の小選挙区制中心のものから再度改める*2までの過渡的な位置づけにするべきだと考えている。
少なくとも、下記のような山本太郎の態度は「百害あって一利なし」であり、強く批判されなければならない。
以下引用する。
れいわ山本氏 次期衆院選「消費税減税が野党共通政策にならない限り、単独でやる」
7/6(月) 19:10配信
れいわ新選組の山本太郎代表は5日夜、都知事選落選を受けて記者会見し、次期衆院選の野党共闘について「消費税5%への減税が野党の共通政策にならない限り、私たちは単独でやる」と改めて強調した。既に次期衆院選の小選挙区に100人を擁立する方針を表明しており、「擁立に向けて精いっぱい努力することは変わらない」とも語った。
山本氏は得票で宇都宮健児氏を上回ることで、立憲に「消費税5%」を受け入れさせる狙いは外れたが、れいわ関係者は「一定の存在感は示せた」と強調する。山本氏は野党共闘の必要性を否定していないが、「政権交代には大義が必要。それが消費減税だ」と漏らしている。山本氏は会見で「次の選挙に向け、政策も深めなくてはいけない。やることは山積みだ」と語った。【浜中慎哉】
(毎日新聞より)
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/4ba44085867d728ae4221631b40f497b8a60f1e4
この山本の言葉は、安倍晋三には心強い限りだろう。
最初に引用した舩田クラーセンさやか氏のツイートは、このようにして安倍晋三に塩を送る、私には「アベ友」にしか見えない山本太郎を甘やかしてつけ上がらせるだけの暴論だ。氏の妄論をここに強く指弾させていただく。