毎日新聞が都議選を前にして世論調査を行った結果を報じた。
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170529/k00/00m/010/086000c
都議選
投票先、自民が最多17% 都民ファースト11%毎日新聞2017年5月28日 22時38分(最終更新 5月29日 01時27分)
東京都議選(6月23日告示、7月2日投開票)を控え、毎日新聞が27、28両日に実施した都内の有権者が対象の電話世論調査で、政党別の投票予定先は自民党が17%で、小池百合子知事が率いる地域政党の都民ファーストの会の11%を上回った。ただ、「まだ決めていない」との回答が49%に上り、投開票日までに情勢が変動する可能性がある。
その他の政党別投票予定先は、共産党6%▽公明党5%▽民進党3%▽その他の政党・無所属計4%▽無回答5%−−となった。
「小池知事を支持する」と答えた人は63%に上り、「支持しない」15%、「関心がない」14%、「無回答」8%を大きく上回った。小池氏が都議選を控えて自民党と対決姿勢を強めていることについて尋ねた今年2月の毎日新聞の全国世論調査でも「支持する」が56%で、依然として高い人気を維持していることが分かった。
一方、「小池氏支持」と答えた人のうち、投票予定先を「都民ファースト」としたのは17%にとどまった。「まだ決めていない」が48%、「自民」も15%あり、小池氏への支持がそのまま都民ファーストに反映されていない状況がうかがえた。
小池氏を支持する人の他の投票予定先は、公明6%▽共産5%▽民進3%▽その他の政党・無所属計4%▽無回答2%−−だった。
「投票に行くか」は「必ず行く」と「たぶん行く」を合わせて92%に達した。【樋岡徹也、関谷俊介】
(以下の「質問と回答」のデータの引用を省略。元記事をご覧下さい=引用者註)
(毎日新聞より)
2月下旬に森友学園事件がワイドショーで「解禁」になって以来、すっかりワイドショーの「主役」から追いやられた小池百合子と「都民ファ□ストの会」が失速しているのだ。特に小池にとって「痛かった」(私にとっては「ざまあみろ」)と思われるのは、小池が自らの「劇場」のクライマックスに位置づけていたであろう石原慎太郎の都議会喚問が、当時国会での証人喚問が決まった籠池泰典の「籠池劇場」の影に完全に隠れてしまったことだ。しかもこの2つの喚問において、籠池が堂々とした受け答えをしたのに対し、石原を攻める「都民ファ」の音喜多駿らの質問がいたってお粗末で、「小池劇場」への観客の期待を裏切った。しかもその後、小池が就任当初人気浮揚の目玉にしていた築地市場移転問題で迷走したので、失速はますますはっきりしてきた。
とはいえ実は小池百合子の支持率は(腹立たしいことに)さほど下がっていない。63%もある。同じ毎日の調査で安倍内閣の支持率が46%もあるが、それよりまだ相当高い。しかしそれが「都民ファ」への支持に結びついていない。
ここで警戒すべきは、少し前まで、大阪維新の会(地域政党)や日本維新の会(国政政党)などの苦戦が世論調査で伝えながら、いざ蓋を開けてみると維新が「善戦」してがっくりくるという繰り返しが、東京都議選でも起きないかということだ。つまり、人気の高い小池百合子が選挙戦に出ずっぱりで「都民ファ」の候補への投票を呼びかけまくれば、「都民ファ」の躍進の脅威はまだまだある。
しかし、そうなろうがそうなるまいがどうしようもないのは民進党だろう。上記毎日新聞記事から引用を省略した「質問と回答」のデータを見ると、前回の都知事選で民主党に投票した人は13%いるが、今回民進党に投票すると答えた人はわずか3%しかいない。
当たり前だろう。民進党は会派名から党名を消した上(名前を忘れたのでネット検索をかけて「東京改革議員団」であることを確認した)、民進党候補予定者のポスターには「区民ファースト」などと書かれている。小池百合子の顔写真を麗々しく掲げた公明党のポスターもひどいが、「区民ファースト」を掲げた民進党のポスターを見て呆れないのは、コアな民進党支持者だけだろう。
ここにきて、昨年11月頃だったかにいち早く小池百合子への「共感」だったかを表明した蓮舫と、その後の会派名から「民進」を消すなどの一連の民進党の小池百合子へのすり寄りが大失敗だったことがはっきりしたといえる。
しかし、民進党シンパの「リベラル」は、昨年には「小池都知事と公明党と民進党の連携にちょっとワクワクしている」などと言って蓮舫と民進右派(小池との連携を推進したのは蓮舫と松原仁や筆頭とする東京の右派のほか、野田佳彦や馬淵澄夫など民進党右派の政治家たちだった)の動きを諸手を挙げて歓迎していたのだから、自業自得としか言いようがない。
このように民進党は論外だが、「都民ファ」の失速に焦った衆院議員の若狭勝が不可解な、というより笑うほかない行動をとった。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052900729&g=pol
自民・若狭氏、都民ファースト応援へ=「加計学園」で政府批判
自民党の若狭勝衆院議員(東京10区)は29日、衆院議員会館で記者会見し、7月の東京都議選で小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」を応援する考えを明らかにした。これに先立ち若狭氏は、自民党に進退伺を提出した。
若狭氏は昨年7月の都知事選で党方針に反し、小池氏を応援した。会見では「応援した信念は1年近くたっても燃えている。都議選で都民ファーストを応援するのは自然だ」と述べた。進退伺を提出した理由については「けじめをつける意味合い」と説明した。
また、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を「総理の意向」とした文書の存在を政府が認めないことも挙げ、「ごまかしだ。安倍晋三首相が何らかの便宜を図ったという疑いがある」と批判した。
自民党の二階俊博幹事長は会見で「一議員の進退をいちいち委ねられても執行部としては扱いに困る。進退は自分で決めていただきたい」と述べ、若狭氏を突き放した。
一方、若狭氏が所属する同党石破派は29日の緊急幹部会で、「(都議選では)自民党勝利のために力を合わせるべきだ」(古川禎久事務総長)として、若狭氏の退会を決めた。石破派所属議員は19人となった。
(時事通信 2017/05/29-19:25)
若狭の腰が引けた「進退伺」(なぜか離党届ではなく「進退伺」だった)は二階俊博に一蹴された。
【若狭勝氏が進退伺】二階俊博幹事長「大幹部なら別だが…進退は自分で決めろ」 - 産経ニュース
【若狭勝氏が進退伺】
二階俊博幹事長「大幹部なら別だが…進退は自分で決めろ」
自民党の二階俊博幹事長は29日の記者会見で、同党の若狭勝衆院議員(東京10区)が進退伺を提出したことについて「大幹部の場合なら別だが、一議員の進退をいちいち委ねられても執行部としては扱いに困る。進退は自分で決めていただきたい」と述べ、処分を党に委ねるとした若狭氏を突き放した。若狭氏は29日、東京都議選(7月2日投開票)で、小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」を「とことん応援する」などとして進退伺を提出した。離党届は出さなかったが、「除名も想定の範囲内だ」と語った。
二階氏は、若狭氏の行動について「感想を申し上げるに及ばない。どうぞご随意に」と切り捨てた。その上で、昨年10月の衆院東京10区補欠選挙で、二階氏をはじめ党幹部が若狭氏を応援したことなどを念頭に「若狭氏が窮地に陥ったときにも、われわれは常に応援の手を差し伸べてきたが、今日のことは直接何も聞いていない」と強調。「本気で辞めていくなら、私のところに来るのが本当でしょう」と不快感をあらわにした。
(産経ニュース 2017.5.29 19:38更新)
小池百合子は「男・若狭ですから」云々と言って若狭をかばっていたが、若狭が改めて離党届を出すのであれば恥さらしもいいところだし、自民党に残留するのであれば論外だ。なんとも頼りないというかひ弱というか、言葉とは裏腹に小池の腸は煮えくり返っているのではないか。もっとも小池自身が今も自民党籍を持っていることが若狭の腰の引けた行動を生んだともいえるが。
若狭の例を引くまでもなく、かつての維新にも似て「都民ファ」が小池百合子の個人商店であって、小池の人気だけが頼りの政党であることは言うまでもあるまい。
何はともあれ、投票日まであと1か月あまりとなった都議選において、「都民ファ」の躍進だけは絶対に許してはならない。「都民ファ」が躍進すると、それは野党の右翼的再編を直ちに引き起こすからだ。「最高顧問」だったかの小池百合子自身が極右であり、「都民ファ」代表の野田数(最近スキャンダルも暴かれたようだ)に至っては、大日本帝国憲法復活を持論とする、それこそ安倍晋三どころではない極右中の極右だからだ。先日の産経とFNNの世論調査によると民進党支持層の7割が安倍晋三の改憲提案に反対らしいが、本気で安倍の改憲提案に反対するのなら、絶対に「都民ファ□ストの会」なんぞに投票してはならないのである。