kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小池百合子が都議選でも「排除」していたことを東京新聞が指摘

朝日新聞世論調査で、立憲民主党政党支持率17%に対して希望の党政党支持率が3%だったことには笑えたが、これをもって「小池百合子は終わった」と断じて安心するのはまだまだ早い。思えば2007年に安倍晋三が政権を投げ出した時、「水に落ちた犬は叩かない」と宣言してそれまで熱心に展開していた安倍晋三批判を止め、あろうことか安倍の盟友だった平沼赳夫(今回の衆院選に出馬せず引退。次男の平沼正二郎が出馬したものの落選)と城内実の応援を始めて「リベラル」をたぶらかせたブロガーがいたが、その愚を繰り返してはならない。

朝日の世論調査にも腑に落ちないところがある。

http://www.asahi.com/articles/ASKBS3PWJKBSUZPS007.html より

世論調査―質問と回答〈23、24日〉
2017年10月24日22時39分

(略)

◆あなたは今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。

 自民39(32)▽立憲17(7)▽希望3(6)▽公明4(4)▽共産3(3)▽維新2(2)▽社民1(1)▽民進0(1)▽自由0(0)▽日本のこころ0(0)▽その他の政党0(1)▽支持する政党はない21(27)▽答えない・分からない10(16)

◆あなたは、今回の衆議院選挙で投票しましたか。投票しませんでしたか。投票した場合は、比例区では、どの政党に入れましたか。政党名でお答えください。

 自民28▽立憲18▽希望7▽公明7▽共産4▽維新4▽社民1▽日本のこころ0▽その他の政党1▽投票していない24▽答えない・分からない6

(略)

朝日新聞デジタルより)


現在の政党支持はともかく、過去の投票行動について、正直に答えていない人が多数いることは明らかだ。

この世論調査で、立憲民主党には18%の人が、希望の党には7%の人が投票したと答えているが、実際の選挙結果と合わない。選挙結果は、立憲民主党希望の党の得票数は驚くほど拮抗しており、私などは「えっ、こんなに希望の党に投票した人が多いのか」と驚くとともに脅威を感じた。

連想したのは昨年11月の米大統領選挙であって、世論調査の結果ではあらゆる報道機関がクリントンの勝利を予想したのに、いざ蓋を開けてみるとトランプが圧勝した。「隠れトランプ」の存在が指摘されたが、それと同様に「隠れ小池」の人間が多数いる。

こう書くと思い出されるのは某ブロガーであって、昨年から小池と民進党の連携の可能性にワクワクしたり、都議会自民が質問をあらかじめ小池に通告しないで質問して小池の答弁を右往左往させた時には「いじめのような質問だ」と怒ったり、「女を怒らせるとこわい」と小池の怒りに共感したり、あげくの果てには「最近はテレビの小池への応援が下火だから、もっと小池を応援してほしい」などという意味の信じられない妄言まで吐いていたのに、都議選投票日前日に突如「反小池」を打ち出した。しかし、衆院選希望の党の苦戦が伝えられると小池と希望の党の奮起を促す記事を書いて地金を出した。

この人など、一応は立憲民主党を支持しているだけまだマシな部類だ。世間には掌を返したテレビ報道が一斉に小池百合子を批判するニュースの洪水に晒されても、しぶとく内心では小池百合子にシンパシーを持ち続けている人間が多数いて、そういう人は投票所で比例区希望の党に投票しながら、マスメディアの世論調査には正直に答えない「隠れ小池」と化している。彼らが、小池百合子を支持し、希望の党に投票した自分自身にうしろめたさを感じているであろうことは間違いない。

こういう人たちの存在は決して馬鹿にならない。何かのきっかけでまた小池百合子の人気が上がるきっかけでもあれば、彼らは一斉に元気を取り戻して、TBS系の名古屋の放送局・CBCが連日ワイドショーで「小池劇場」を宣伝していた頃のように、正々堂々と小池応援の声を枯らすのだ。

そんな日を再び来させないために、小池の挽回の芽は徹底的に摘まなければならない。

やっと長い長い前振りが終わった。昨日(10/25)の東京新聞より。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017102502000140.html

<誤算の行方>(上)振付師なく「敵役」に 小池氏 過信が生んだ排除発言



 東京都知事との「二足のわらじ」で小池百合子氏が立ち上げた希望の党は、二十二日の衆院選で惨敗した。昨夏の知事選から旋風を巻き起こしてきた小池氏の誤算はどこにあったのか。誤算の先に待ち構える都政への影響は。転換点を迎えた「小池劇場」の揺らぎを関係者の証言から追った。

 当意即妙の受け答えで、厳しい質問をかわしてきた小池氏が、珍しく「敵前逃亡」する場面があった。九月三十日、東京、大阪、愛知の三都府県知事が衆院選に向け、大阪市で連携を宣言した記者会見。質疑が始まると、小池氏は司会者にそっとメモを差し出した。

 紙切れには、一人のフリー記者を「あてないで」と走り書きされていたという。前日の会見で小池氏から、民進党合流組の一部を「排除いたします」との発言を引き出したその記者は、最前列で手を挙げていた。

 関係者によると、小池氏は食事がのどを通らないほど、この発言を悔いていた。希望の候補者たちは「排除発言が流れを変えた」と口をそろえた。だが、七月の都議選で民進から小池氏の地域政党都民ファーストの会」に移った都議は「小池さんは都議選でも同じ事をしていた」と明かす。

 都民ファの選挙支援は民進離党が条件で、リベラル色の強い一部労組との関係も断ち切らせた。準備期間に余裕があった都議選では、この選別を小池氏の側近や民進系会派の幹部が水面下で進め、小池氏が演じる劇場の舞台を整えた。

 今回は急な衆院選で裏方の態勢を整える時間がなく、「振付師がいなかった」と周辺は言う。しがらみを嫌う小池氏は政界に仲間が少ない。すべてを一人で担った結果、表舞台で排他性が見える形になった。

 希望の結党会見では、小池氏をモデルにした女性が、男たちを従えてさっそうと歩くイメージ映像が流れた。ブレーンは「排除」という言葉を発した小池氏に「高揚感があったのでは」と振り返り、知事選からの成功体験が過信につながったとみる。

 都議選後、都民ファ役員の決定過程が不透明だったことや、新人都議への取材規制で火種が生まれた。衆院選の公示直前、初期メンバー二人が「都民ファこそブラックボックス」と批判して離党した。

 「排除」発言も相まって、小池氏のイメージはいつしか、改革の主役ではなく敵(かたき)役に変わっていった。知事選で小池氏の得票は二百九十一万票、都議選で都民ファの得票(追加公認を除く)は計百八十八万票。今回、希望が東京の比例で得たのは百三万票で、小選挙区の勝利は一人だけだった。

 衆院選の投開票日、出張先のパリで敗北宣言する小池氏を「逃亡中の女王のようだ」と皮肉まじりに報じる仏紙もあった。「言葉の使い方は本当に注意しなければ」と反省を口にした。

 小池劇場はどう続くのか。都幹部は、風頼りの姿勢を懸念して言う。「二回も大きな風が吹いた政治家はいない」 (木原育子、内田淳二、榊原智康、唐沢裕亮が担当します)

東京新聞 2017年10月25日 朝刊)

その通り。小池百合子は都議選の時にも「排除」をやっていた。それはおそらく東京新聞も報じていただろうし、朝日新聞の地方面(東京版)も報じていた。それに気づいていたからこそ、私は8月2日の時点で小池が民進党リベラル派を「排除」するだろうと言い当てることができたのだ。もう何回書いたかわからない手前味噌をもう一回書く。

孫崎享『戦後史の正体』と育鵬社の教科書は「押しつけ憲法論」で完全に一致! - kojitakenの日記(2017年8月2日)より

 また、前原誠司が勝った場合だが、この場合も民進党が丸ごと「国民ファ★ストの会」と合併することはあり得ない。民進党とは、国ファがそうなるであろうような右派ポピュリズム政党にとっては疫病神なのだ。特に民進党内の中間派やリベラル系議員は、長島昭久渡辺喜美若狭勝や、その背後にいる小池百合子(小池自身は次の衆院選には間違いなく出馬しない)に排除されるだろう。民進党の看板があっては国ファには絶対に受け入れられないから、結局前原が勝った場合に起きるのは、民進党の解党だろう。

前原誠司による民進党の解党は最後の最後に未遂に終わったが、民進党が三分裂した結果は残った。

また8月17日には下記の文章も書いていた。こちらは、昨日あるツイートからリンクを張られて思い出した。

前原誠司と井手英策への危惧 - kojitakenの日記(2017年8月17日)より

 民進党代表選は、なぜか小沢一郎の意を受けて動いていると思われる松野頼久一派(その中には、あの超エスタブリッシュメント一族の男・木内孝胤もいる)が前原誠司を支援していることもあって、国会議員の票では前原誠司の勢いが圧倒的らしい。私はこのことから、自由党を含む小沢派ももしかしたら「小池ファ★スト」への合流を模索しているのではないかと勘繰っているのだが(その裏には昨年あたりから言われている前原誠司小沢一郎の急接近があるのだろう)、しかしその小沢一派にあって前原誠司とは対照的な経済政策を打ち出しているのが山本太郎だ。

 私は正直言って山本太郎が好きではないのだが、こと経済政策に関しては(もちろん外交・安全保障政策に関しても)山本太郎の方が前原誠司なんかよりよほど評価できると考えている。

 民進党代表選の話に戻れば、「前原でも枝野でも大きな違いはない」なんてまさかまさか。枝野が選ばれた方がずっとマシに決まっている。前原誠司民進党代表になった場合、まるで「死に体」のように思われている安倍晋三が息を吹き返すのではないか。

この悪い予想はもののみごとに的中し、安倍晋三は息を吹き返して11月1日には第4次安倍内閣が発足する運びとなった。なんてこったい。