kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「民進、希望と合流探る 自由加え野党結集も」(日経)

安倍晋三が「今なら勝てる」解散に踏み切ったせいで、本来なら当初私が解散総選挙を予想していた来年1月頃までの間に時間をかけてゆっくり行われるはずだった動きが、早送りのフィルムを見るかのようなスピードで行われ、正直言って全くついて行けていない。

下記は、先刻知った日経のニュース。例によって登録してないので書き出しの部分しか読めない。

民進、希望と合流探る 自由加え野党結集も :日本経済新聞

民進、希望と合流探る 自由加え野党結集も
小池氏の判断焦点
2017/9/27 2:01
日本経済新聞 電子版

 民進党前原誠司代表は26日夜、都内で小池百合子東京都知事と会談し、10月10日公示―22日投開票の衆院選に向け、小池氏が立ち上げた新党「希望の党」との合流をめぐって協議した。小沢一郎氏が率いる自由党との合流も検討。野党勢力を結集し、安倍政権に対抗するのが狙いだ。民進党全体との合流に慎重な小池氏の判断が焦点となる。

 これに先立ち、前原氏は26日、民進党最大の支持団体である連合の神津里季生会長と都…

民進党、小池ファ★スト(希望の党)、自由党の「野党結集」とやら。紛れもない新・新進党。そういや主役は前原、小池、それにラスボス・小沢だ。発想が四半世紀前と何も変わってない。

まさに「新・新進党」そのものだ。かつての「一・一」ラインに変わって、「一・前」ラインってとこか。だが小沢自身の蒔いた種のせいで自公が連立したままだから、集票力はかつての新進党に遠く及ばないだろう。

つしまようへい*1という民進党サポーター*2の方のツイート*3によると、日経の記事の有料部分には

〈新党関係者は「民進党を離党して新党に参加するのが条件だ」と指摘。別の関係者は「前原氏が左派勢力を排除できるかどうかだ」と語る〉

と書かれているようだ。

それでも小池ファ★スト(希望の党)にすり寄る前原誠司小沢一郎。これは、最初から共産党(や社民党)はもとより、民進党「左派」(実際には中道勢力に過ぎないのだが)を切り捨てるつもりが前原や小沢にあったとしか解釈できないだろう。

そういえば、小沢は細川連立政権時代の1994年にも社会党とさきがけを連立からいびり出し、その結果「自社さ連立政権」の出現を小沢自ら招いてしまったのだった、

ところで、小池百合子が「希望の党」結成と自らの代表就任を記者会見で大々的に発表して以来、雪崩現象が起き、一度は安倍晋三の解散宣言で止まるかに見えた民進党からの離党者が再び大量に出始めた。

現在の小池の地元・東京からはともに右派の松原仁民主党時代からの生え抜きの極右)と柿沢未途(出発点は民主党都議だが酒気帯び運転で都議辞職後みんな、維新などを渡り歩いた右派)が離党届を出した。小池の出身地である兵庫県からも候補者が離党、他にも新自由主義勢力の強い神奈川や細野豪志の現在の地元・静岡からも離党者が出ている。さらに2010年の民主党代表選で小沢一郎が「社民党にも支持される人を」と言いながらなぜか担がれた過激な新自由主義者でその後維新の台頭によって議席を失った樽床伸二も小池ファ★ストから立候補するらしい。小沢とつながりがあり、「小沢信者系」政治評論家の代表格である鈴木哲夫(ひところあの都会保守ブロガーがよく引用してた人)のイチ押しだったやはり右派の玉木雄一郎は「共産党以外の野党はすべて解党(して小池ファ★ストとの合流)を」と説く。

かと思えば菅直人までもが小池にすり寄り、都会保守のブログのコメント欄でブログ主に「都民ファーストの会について書いてほしい」とリクエストしたコメンテーターに至っては、再び下記のコメント*4を書いて小池応援を大々的にアピールするありさまだ。

希望の党」小池さんが前面に立ちましたね。
これをどう評価するかが問題でしょう。
確かに「朝鮮人虐殺追悼文の取りやめ」「こころ」合流などを見れば大丈夫かとおもってしまう。
でも脱原発を掲げるというところに注目したい。


僕も今度の選挙はあべ政権をこのまま許すのか
が最大のテーマだと思っています。それは×××さんと変わらないはずです。
ただ、<注・×××は、維新と小池新党は、野党の仲間とはみなさない。>というところはどう考えるか。「希望」もあべ政権と対峙しているように見える。
<ベストパターン>
民進、共産、自由、社民+希望
(全てしがらみを捨ててあべ体制を打倒する体制)
<バッドパターン>
自民、公明、維新+希望
(希望が超保守系に取り込まれる体制)
いづれにもしても「希望」がどっちにつくのか
大きなポイントだと思います、よくも悪くも。
僕は今のところベストパターンを望みます。

実はブログ主がこのコメンテーターのコメントを嫌がっているらしいことを某所で白状しているのだが(「困ったことに、ちょこまか妙なコメントがはいるので」などと書いている*5)、そんなことは昨年暮れに「小池都知事公明党民進党の連携にちょっとワクワクしている」などと書いたことを未だに総括どころか何の反省もしていないブログ主自身の「身から出た錆」「自業自得」以外の何物でもないだろう。

同ブログは今頃になって「小沢自由党民進党と合流すること、そして民進党希望の党と連携、合流することには、絶対反対」*6などと書くが、2009年の政権交代選挙の少し前くらいから「小沢信者」に迎合しまくり、2010年の鳩山政権時代に小沢を批判した民主党内「リベラルの会」所属の生方幸夫衆院議員(当時)を「小沢信者」と一緒になって叩くなどしていた。その長年のブログ運営の甲斐あって、現在同ブログのトラックバック常連は『国民の生活が第一は人づくりにあり』と題された「小沢信者」のブログだ。

今頃泣き言を言うのなら、前から本音を書いておけ、そんな時間はあり余るほどあったはずだから。それが、2009年に「小沢信者」と悶着があって以来ずっと小沢と「小沢信者」を批判し続けている私の感想だ。

なお昨日の動きは「元『小沢信者』」のブログだった『晴天とら日和』の記事でやっと大筋をフォローアップした。私の知らなかった情報もたくさん載っていたが、既に記事が長くなったのでごく一部を引用するに留める。ブログ主は「小沢信者」との訣別宣言をした後も、つい先日まで「小沢さん」と表記していたが、それも「小沢」と呼び捨てに変わった。

【アベの嘘】自民税調 消費税の使いみちは衆院選後に議論+【News23】アベ生出演で言い訳全開!!+【チボーの党】小池はいつから国政に出ることを考えていたのか? : 晴天とら日和 (SEITEN TORA BIYORI)(2017年9月26日)より

(前略)
大島敦幹事長、辻元清美幹事長代行は26日、
市民連合のメンバーから「野党と与党が1対1で戦える構図作ってほしい」
などとする要請を受け、意見交換しました。


希望の党接触たって、
もう既成路線でしょう。
小沢と小池とはハナシがついているんでしょう!


小沢一郎も、
小沢一郎支持者も、
マエハラも、
マエハラ支持者も、
節操のない人だなって思う。
希望の党に、どんな議員が集ってるのかつーとこだよね。


衆院
細野豪志(当選6回、静岡5区)松原仁(6回、比例東京)笠浩史(5回、神奈川9区)
長島昭久(5回、比例東京)若狭勝(2回、東京10区)木内孝胤(2回、比例東京)


参院
行田邦子(2回、埼玉)中山恭子(2回、比例)松沢成文(1回、衆院3回、神奈川)


後、
中山恭子の旦那・中山成彬後藤祐一鈴木義弘福田峰之柿沢未途渡辺喜美


それと、
民進党から離党する議員が出て来るようだし。


この面々どう思う?
日本会議系議員が集結って形相になって来た!


こんな党と、
マエハラ、小沢は連携するという。
おまえら、何回、人を裏切ったら気が済むんだと、思う。
何回でも騙される人は騙されたらいいですよー
詐欺師や、俺々詐欺に何度も引っかかる人と同じですよー
全然、私はついて行けないわねwww


もうねぇ、
マエハラ、小沢ラインでお好きなようにやって頂戴。
そして、ぶっ潰れてしまえばいいのだと、…。
(後略)

前原や小沢が潰れるのは勝手だが、下手に小沢の話に乗ってしまった「野党共闘」は現時点で既にボロボロになっているというほかない。このままでは衆院選でいわゆる「改憲勢力」は3分の2どころではない、議席の大部分を占めてしまうのではないか。

その悪夢を現実化しかねない原動力になろうとしているのが、小沢が中心になって実現させた「小選挙区制」であることも、改めて指摘しておきたい。

暗い話の最後は、ディストピア映画の話で締めようか。これまた忘れがたい悪夢だった「郵政総選挙」のあった2005年(今年と同じ酉年)に制作された総務省のキャンペーン映画の話。

https://takblog.info/comments/460(2017年9月26日)

金子修介監督作品「希望の党☆」を振り返る

希望の党」という国政政党ができるらしいという新聞記事を見て、目が点になってしまった。2005年に総務省と財団法人明るい選挙推進協会のキャンペーン「It’s your CHOICE!」で制作された金子修介監督の作品と同じタイトルだったからだ。渋谷飛鳥主演のこのショートムービーは、政治に強い関心を抱く娘(渋谷飛鳥)と選挙を棄権した父親(木下ほうか)を描いた悲劇の物語。制作から12年経ってはいるが、この機会に振り返ってみたい。(この記事には物語の結末への言及があるので、未見かつネタバレを嫌う人はYouTubeで公開されている動画を見てから読んでほしい)

選挙権は先人が勝ち取った権利

民衆が選挙によって選んだ議員(民選議員)が政治を行なう。現代を生きる私たちの多くは、生まれながらにしてこの権利を「当たり前」に与えられている。しかし歴史の教科書を開けばわかるように、いわゆる「普通選挙」というものが確立したのは、ごくごく最近のことである。

 二十歳過ぎれば誰でも選挙権を得られる、というのは「当たり前」の権利として認識されているが、人間の歴史を振り返れば、これが決して「当たり前」では無く、長い戦いのなかで獲得された「権利」だということが分かる。

 その「権利」を大切にしないのなら、剥奪されても文句は言えないのではないか、という仮説から、ドラマを作ってみた。

(It’s your CHOICE「希望の党☆」)


日本国の前身にあたる大日本帝国では1925年に加藤高明内閣で制定された(いわゆる)普通選挙法によってそれまでの納税要件が撤廃された。成年男子であれば選挙権が与えられることとなったものの、女性が選挙権を獲得するのは、太平洋戦争後の1945〜1946年。日本国憲法が成立する少し前のことだ。日本で、全ての国民が選挙権を行使できるようになってから、70年ちょっとしか経っていない。私(たち)の祖父母の時代、普通選挙は「当たり前」ではなかったのだ。

「政治に参画しない人」から選挙権を剥奪する

「たかが選挙」で日本の未来が決まる――。「どこの政党が政権を取ろうと、悪いことなんかできっこない」なんて思っていても、その日は突然に訪れるのだ。

「本当に明日(選挙に)いかないと知らないよ?」

「昔のようなお父さんと私でいられなくなるかも」


作中では、新党「希望の党」が躍進して政権を奪取したことによって国民生活に大きな影響が出る様が描かれている。選挙に行かなかった父親の仁志が「国民権利義務省」から受け取った封書には、「国民選挙義務新法に基づき、その選挙権を剥奪する」と書かれていた。「国政選挙に3回連続で投票に行かなかった人から選挙権を剥奪する」。それが「希望の党」の公約だったのだ。政治に関心のない成人より、勉強して試験に合格した子供。かつてあった納税額による制限ではなくて、学力と参画意識による制限。制限選挙に変わりはないが、それなりに筋が通っているものだから論駁するのが難しい。

「誰が基準を定めるのか? またその根拠は何か?」。為政者が恣意的にコントロールしてしまう可能性があるからこそ、選挙権を制限することは悪とされる。しかし、普通選挙でそれを乗り越えられるかと言われると、どう反論したらいいのか、答えに窮してしまう。普通選挙下の有権者が出した答えは、本当にコントロールされていないのか。それは誰にもわからない。

「痴漢は死刑」

「冤罪というリスクを冒してでも犯罪者を許さない。そういう姿勢を示すことが現実問題として大事」

痴漢についてはあまり覚えていないが、「希望の党☆」が発表された2005年頃は飲酒運転の罰則強化などが叫ばれていたように記憶している。法による裁きというのは被害者を満足させるような量刑を科すことではないのだが、2004年に導入された裁判員制度など「市民感覚に基づいた量刑」というような言葉をあちこちで聞いたように思う。罰を厳しくすれば犯罪が減るだなんて、そんな前近代的な考え方はもうヤメにしませんか?

「希望」と言う名のディストピア

「今の制度が嫌だったら、ちゃんとそれを主張して、一票、『希望の党の政策に反対です』って、選挙に行って投票してくればいいでしょ」

「ああ、ごめん、選挙権なかったんだっけ」


娘が家に持ち込んだ野良犬を処分して「生類憐れみの法」違反で逮捕される母親、(冤罪かもしれない)痴漢で死刑になる隣の近藤さんのご主人。「希望の党」が政権を取ったこの国はどんどんおかしくなっていく。そしてついに娘の万里江が…。

「戦争反対! 今から選挙に行くぞ。…選挙がないことくらい、お父さんわかってるよ。でもな、選挙に行くぞ。万里江を戦争に行かせないためなら、なにがなんだって選挙に行くぞ。選挙権がなくったって、選挙がなくったて、俺は、選挙に行くぞ。」


この父親は、愛娘が戦争に行くことになって初めて、自分が投票に行かなかったこと悔いるのだ。選挙権が剥奪されて、さらに選挙が行われなくなった世界で。

普通選挙。それは(名もなき)先人が勝ち取ったかけがえのない権利のひとつだ。選挙に行こう。権力と戦った先人のために。選挙に行こう。大切な子孫を守るために。そして、何より、自分が後悔しないためにも。

蛇足的な諸々のこと

この動画が公開された当時、筆者は学校帰りにLFX4881のインターネットラジオを視聴していた。ストリーミング放送を録画するフリーソフトをインストールして、「渋谷飛鳥 瞳でネット。」を録画して視聴していたのをよく覚えている(版権上はグレーゾーン?)。実は、高校在籍時に購入したマイパソコン初号機がNECなのは、父親がNECユーザーということよりも渋谷飛鳥さんがNECのCMに出演していたからということのが大きく関与していたりもする(誰も聞いてない)。

最近フォローしてないからどうしてるかわからないけど、とにかく、軍服姿の飛鳥さんが可愛い(特に「後編」の3:15あたりの表情が好き)。あと、神様役の楳図かずお先生面白い。ホラー感を中和してくれる、コミカルな演技にも注目。(後略)


同じ映画については、『Buzzap!』の下記記事もある。こちらにはリンクのみ張っておく。


さすがに映画の12年後に本当に現れた「希望の党」が政権を獲るとは思われないが、安倍自民か小池「希望の党」(=小池ファ★スト)の二択、などという対立構図になってしまったら、その時点でディストピアが早晩現実と化してしまうことは間違いあるまい。