kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「崩壊の時代」の崩壊を一気に突き進める「希望の党」(=小池ファ★スト)

私の前々からの持論として、「エピゴーネン(追随者)は、本家本元でもやらない過激なことをやる」というのがある。

新党への移籍希望者に「踏み絵」を踏ませる、などという暴挙は、安倍晋三だってやらないだろう。それを小池百合子細野豪志以下の「小池百合子の奴隷たち」はやった。

そして、立憲民主党からの立候補する候補者に「刺客」を送り込む作業を「希望(野望or絶望)の党」が着々と進めていることは報道されている通り。

それどころか、立憲民主党からの立候補を表明した山内康一氏が書くところによると、同氏は希望の党に公認申請をしていたにもかかわらず、同党幹部は同氏に「刺客」を送ろうとしたらしい。これに切れた山内氏は立憲民主党からの立候補を決意した。

立憲民主党に参加します。 | 山内康一(2017年10月3日)より

私は、今回の衆議院選挙にあたり、「希望の党」ではなく、新たに立ちあがる「立憲民主党」から立候補することを決意しました。民進党にはお世話になりましたが、「希望の党」という右派政党とは相いれないので、いまはスッキリした気持ちです。

降ってわいたような小池新党「希望の党」への合流に関し、前原代表は9月28日の両院議員総会では、民進党候補は全員いっしょに「希望の党」へ移ると説明していました。私個人は、「希望の党」の結党メンバーに日本会議メンバーが多いのを見て違和感を覚えました。しかし、民進党全体で「希望の党」へ合流するのであれば、組織人・政党人としては党の方針に従わざるを得ないと考えました。選対会議では「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」と説明して、公認申請に同意しました。

ところが、いつの間にか「安保法制に反対する人はダメだ」とか、「憲法改正に反対の人はダメだ」とか、後になって条件がつきはじめました。リベラル派を「選別」して排除しはじめました。これでは前原代表による「上からのクーデター」あるいは「粛清」です。党内民主主義を無視する蛮行であり、政党のガバナンスのあり方として問題です。これでは「合流」というより「吸収」です。民進党側に主体性はなく、「希望の党」に言われるがまま従い、民進党候補者を守ろうとしていません。

そもそも民進党は安保法制に反対でした。党の方針として反対しました。細野豪志氏も民進党在籍中は反対だったはずです。それなのに「希望の党」の入党の踏み絵として「安保法制に反対の人はダメ」というのでは、ほとんどの民進党の議員や候補者は自動的にダメということになるのが、論理的な帰結です。平気でうそをつける人であれば楽々と超えられるハードルですが、そうでなければ眠れないほど悩むはずです。まともな政治家だったら迷いに迷うと思います。私は「希望の党」に行く民進党候補者を責める気はありません。小異を捨てて大同につくため、目をつぶって「希望の党」へ行くのもプラグマティックなひとつの考え方かもしれません。しかし、私自身は「希望の党」に参加するのは気が引けたし、もし当選したとしても長く「希望の党」に居続けられる自信はありませんでした。

私は、安保法制や憲法改正への態度を問われれば、「希望の党」とは相いれないことはわかっていました。また、民進党の代表選挙で公然と枝野さんを応援していたので、前原執行部から敵視されても仕方ないと思っていました。おそらく福岡県内の8人の民進党候補者のうちで、いちばん初めに「選別」され「排除」される対象は自分だろうという予感もありました。そのため「希望の党」の公認が下りないのは想定の範囲内であり、その場合は無所属あるいはリベラル新党での立候補の可能性も視野に入れていました。

しかし、想定外だったのは、民進党本部が「希望の党」公認候補の「刺客」を立てようと画策したことです。地元の民進党関係者を口説いて立候補させ、民進党関係者の身内同士で戦わせようとしていた様子です。候補に名前の挙がった人は党本部の説得に応じず、対抗馬の「刺客」擁立作戦は失敗したようです。これでは「希望の党」というより「陰謀の党」です。

ふつうは党の方針に逆らった人間に対して選挙区に「刺客」を立てるものだと思います。しかし、私の場合は、嫌々とはいえ、党の方針に従っていて「刺客」を立てられました。どんな大義があって民進党本部は「刺客」を送り込もうとしたのか理解できません。単なるリベラル派つぶしとしか思えません。

また、「安倍1強を止める、自民党候補を倒す」という目的に照らせば、私のほかに「希望の党」の候補者を立てるのは愚かです。私と「希望の党」候補者が戦い、自民党候補者が漁夫の利を得る可能性が高まります。もちろん論理的には「私が立候補を取りやめる」という選択肢もあり得ますが、これまで1年8か月準備してきて今さら立候補を取りやめるのは心情的にはあり得ない選択肢です。そんなことは誰が考えても当然のことです。

要するに、「希望の党」本部の意向としては、「自民党候補に勝ち、安倍政権を倒す」という目的より、「比例票の積み増しを狙い、自分たちの手足になる議員を増やす。そしてリベラル派議員を減らす。」という目的の方が上位にあるということです。自民党を利するような候補者擁立を見ても、「希望の党」が「自民党の補完勢力」との批判は的外れではないと思います。

いま晴れ晴れとした気分です。「希望の党」に属して、心にもないことを言わされることはなくなりました。ちょっと前まで安保法制反対と言っていたのに、突然その真逆のことを言わされるのはかなわないと思っていました。おかげで吹っ切れました。自分の良心に逆らうことなく、気持ちよく選挙戦にのぞめます。悔いのない戦いができることをうれしく思います。

私は、枝野幸男代表率いる「立憲民主党」に参加し、安倍政治を終わらせ、格差の少ない社会、公平ですべての人にチャンスのある社会、多様な価値観が認められる寛容な社会、子どもの貧困のない社会、平和な国際社会、原発ゼロを実現するためにがんばります。正々堂々と自らの信じる政策を訴え、信念を曲げることなく、全力で戦いたいと思います。

いやあ、ここまで非人間的な政党は見たことがない。自民党はおろか、「日本のこころ」よりもひどいだろう。これほど全的な「拒絶」の念を抱かせる政党は今までに存在しなかった。

たとえば私の住む選挙区では、自民党と「希望の党」の候補者の一騎打ちになるとみられている。選挙区には共産党候補もいるから(あまりパッとしない人だけれども)、過去2度の衆院選(2012年、2014年)と同様、消去法で共産党候補に投票することに決めているが、もし仮に自民党候補と「希望の党」候補のどちらか1人を強制的に選ばされるとしたら、私は躊躇なく自民党候補に投票する。それくらい「希望の党」とは論外の存在なのだ。

ところで、今回の「野党の政変」が小池百合子前原誠司小沢一郎の3人が首謀したものであることは、昨日(10/3)発表された「希望の党」公認候補に、樋高剛佐藤公治といった自由党の政治家3人(あと1人は誰だっけ)が入っていることからも明らかだろう。

昨日は、前原も小沢も単純に小池百合子に騙されたのだろうと書いたが、そうではなく、前原も小沢も最初からの計画通りに事を進めたのだとようやく悟った(例によって前原と小沢を見くびりすぎてていた)。小沢が「希望の党」入りしなかったことで、鬼の首を獲ったようにいちゃもんのコメントをつけてきた「小沢信者」がいたが、前原だって「希望の党」入りはしていない。そして京都2区にも岩手3区にも、「希望の党」の公認候補は立っていない。もちろん今後も立たないだろう。

それに気づいて、「なんだ、小沢は小池に『切られた』のではなく、今も小池や前原と密接につながってるんじゃないか」とようやっと理解した次第。

前原については昨日話題になった下記記事を挙げておけば十分だろう。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100301055&g=pol

民進分裂「全て想定内」=前原氏【17衆院選

 民進党前原誠司代表は3日、枝野幸男官房長官立憲民主党を旗揚げし、結果的に民進党希望の党立憲民主党に分裂したことについて「全てが想定内だ。政権交代可能な状況をつくらないといけない。自分の判断は正しかったと思っている」と強調した。民進党本部で記者団に語った。
 前原氏は「枝野氏とは24年間、全て同じ党で過ごしてきた。初めて別れることになり、残念だ」とも述べた。
 希望の党が第1次公認候補を発表したことに関しては「大変良かった。しっかり二大政党制の一翼として、自公に対峙(たいじ)できる陣容を整えたい」と語った。

時事通信 2017/10/03-19:58)


また、小沢の悪行については、新聞記事等の情報が少ないが、少し前に読売が記事を書いていた。その紙面は、誰かがTwitterに画像を挙げていたので私も見たことがあるが、とりあえずこの日記に昨夜いただいたコメントを挙げておく。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20171003/1506983824#c1507043857

id:osaka1994hit 2017/10/04 00:17

そうですね。小沢に関しては、各紙とも。どの程度今回のことに関わっていたのか、いまいちハッキリ書いてない部分があるのですが、読売新聞には、前原が小沢に「野党共闘か、小池新党との協力か」ともちかけたところ、「小池さんと組めばいいじゃないか」と答えたとあからさまに書いてあったので、もう方向性はあきらかなのでしょう。もっと批判されなくちゃいけないと思います。


(山口氏、ツイート削除してしまった。まあ枝野が新党をつくると全員の合流がおじゃんになるからなんとかしてくれ、と電話で泣きついてきたというくだらん話ですが)

つまり、前原は前々から民進党を解体したいとの希望は持っていたものの、土壇場に来て「野党共闘の継続か、小池新党との協力(=民進党の解体)か」と小沢に相談したところ、小沢は明快に「小池さんと組めばいいじゃないか」と答えた。この「小池さんと組めばいいじゃないか」という文字列を見た時、私の全身の血が逆流したことはいうまでもない。

前原は民進党を事実上解体したが(参議院民進党は残っている)、小沢も候補者3人を希望の党に送り込んだ上で自らは無所属で出馬という、前原と寸分違わない行動を選択した。

この小沢の行動には、以前から「陰謀論系小沢信者」のブログ『反戦な家づくり』の運営者にして、今では大阪における自由党の活動家でもある山岸飛鳥氏もついに音を上げた。

https://twitter.com/sensouhantai/status/915215713408761856

山岸飛鳥 日本独立&絶対反戦
@sensouhantai

山岸飛鳥 日本独立&絶対反戦さんが川島 智太郎をリツイートしました

小沢さんは「不思議」かもしれませんが、切り捨てられた同志にとっては「理不尽」です

山岸飛鳥 日本独立&絶対反戦さんが追加

川島 智太郎 @tomotaro_japan

小沢代表も地元のマスコミさんが集まり選挙戦の写真どり。
はじめての無所属の戦い。
何となく不思議な感じでしょうね。
頑張ってもらわねば(^_^)a


7:03 - 2017年10月3日


またしても坂野潤治のいう「崩壊の時代」を思い出す。これまでにも何度か引用した、この歴史家による4年前の発言を再び引用する。

 「危機の時代は小泉純一郎政権から野田佳彦政権まで。第2次安倍晋三内閣で崩壊の時代に入りました。みなさん、今はアベノミクスに満足しています。昨日もタクシーに乗ったら、運転手さんが『いい時代になりました』と言っていました。安倍内閣の支持率が70%近くという世論調査の結果は正しく反映していると思う。しかしその先に何があるのかなんて誰も想像できません。未来がなくて、今の状態だけに満足している」

 今が戦前の第1次近衛文麿(このえふみまろ)内閣が発足した崩壊の時代の始まりと重なって見えるというのだ。近衛内閣はあらゆる政治勢力を包摂して発足し、異議を唱える者が絶え果てた時代という。確かに今も巨大与党に対抗する勢力の衰退が止まらない。「あの時は戦争に負けて焼け野原になったように崩壊の形が目に見えた。しかし今回はこの国の体制がどういう形で崩壊するのか、その姿すら浮かびません

毎日新聞 2013年4月22日付夕刊「特集ワイド:豊かさとは 歴史学者坂野潤治さん」より)


希望の党」から香川2区の候補に公認された玉木雄一郎は、先の通常国会で「加計学園問題」の追及で鳴らしたが、今回の野党の政変の過程で、あれは執行部から言われたから安倍政権を追及しただけで、そもそも最初に追及したのは木内孝胤(=先行して民進党を離党した小沢系の衆院議員)だ、などと軽口を飛ばしていた。だから今後の国会で加計学園問題を追及するつもりなど最初から「さらさらない」らしい。

こうして「異議を唱える者」は確実に「絶え果てて」いく。その坂野潤治と親しい山口二郎は、自ら前原誠司枝野幸男の新党結成を阻止してくれと泣きつかれるぶざまな姿を晒した。前原と山口とは、小沢一郎に引き合わされたことは少し前に書いた。坂野潤治も、まさか自らと親しい山口二郎が「崩壊の時代」の崩壊に加担するとまでは思わなかったのではないか。

最後に立憲民主党だが、今回の選挙は野望の党に刺客を送られるなどして情勢はきわめて厳しく、当選者はほとんど出ないのではないかと私は予想している。世の中の「リベラル」の間には、昨年末に小池百合子に「ワクワク」したことを未だに何の反省もしてない例の某都会保守のブログなどを含め、立憲民主党の結成で対立構造がはっきりして良かった、などと能天気に歓迎している声ばかりが目立つが、あと2週間ちょっと後には大きな失望に変わることは目に見えている。でも彼らの目にはそれは見えていないようだ。

「崩壊の時代」においては、根拠のない楽観論は禁物だと思うのだが。