玉木雄一郎は、一時期自民党支持者だの維新支持者(信者)だのヤマシン(「山本太郎信者」)だのに持ち上げられていい気になっていたようだが、結局その間を通じて国民民主党の政党支持率は全く上向きにならなかった。しかし、この党の内部には相変わらず「右バネ」が強く働いているようだ。野党政治家の中でも屈指の右翼である馬淵澄夫が国民民主党に入党したのも体質が合うからだろう。馬淵はもともと希望の党公認候補だったから元の鞘に収まっただけといえばそれまでだが。
民民では、例によって前原誠司が維新に接近した。
「ジンジンジン」の松原仁(無所属)も参加するらしい。まあ前原だの松原だの、既に自民党におん出た長島昭久だの、今は何をしているかもわからない細野豪志だのが民主党・民進党を掻き回していた頃と比較すれば、彼らの影響力も小さくなった。
民民で存在感が急速を失っている右派の政治家といえば、小沢一郎の名前も忘れてはならない。
しかし、極右のツイッターアカウント・黒瀬深(旧:RAIE*1)をリツイートしているらしい玉木雄一郎は、自身も右翼や新自由主義者に親和性が強いらしく、東京都知事選で宇都宮健児を支援することなど到底できないらしい。
上記リンクのNHKニュースの末尾に、
東京都知事選挙で、国民民主党は宇都宮氏を支援しない方針で、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党が目指してきた統一候補の擁立は実現に至りませんでした。
とある。
あと、なんとか新選組にも動きがない。一部の報道では、一時立民や民民の一部から山本太郎を擁立する動きがあったものの、勝ち目がないと判断されて沙汰止みになったとのこと。なぜか北海道新聞が報じた。共同通信あたりの配信だろうか。
以下引用する。引用文中に弊ブログのNGワードが含まれるが仕方ない。
れいわ山本氏擁立が幻に 都知事選・立憲独自候補
立憲民主党は東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)への独自候補擁立を断念した。国政での反転攻勢につなげようと、れいわ新選組の山本太郎代表のサプライズ出馬へ水面下の調整を続けたが、現職の小池百合子氏には勝てないと判断。構想は幻に終わった。
1月、立憲関係者はこう語った。「蓮舫参院幹事長を知事候補に、前川喜平元文部科学事務次官を副知事候補として戦う手もある」
都知事選は国政選挙に次ぐ影響力があるとして、立憲は重視していた。当初は安倍政権に批判的で、一定の知名度がある前川氏に打診。固辞されると、東京を地盤とする蓮舫氏の名前が挙がる。当時は小池氏と自民党都連の不仲による保守分裂が念頭にあった。
コロナで小池氏に注目
新型コロナウイルスの感染拡大で状況は変わる。ロックダウン(都市封鎖)に言及し、休業協力金を打ち出すなど、小池氏が注目を浴び続けた。党幹部の蓮舫氏が議員辞職して挑むのはリスクが大きい。待望論が浮上したのが、昨年の参院選比例代表で99万票を得ながら落選した山本氏だ。
参院選東京選挙区で当選経験があり、共産、社民党と政策が近い。小池氏が仕掛けた希望の党出身者が多い国民民主党の中でも、小沢一郎氏は山本氏と政党を率いた経緯があり、橋渡し役の期待があった。「山本氏も乗り気だった」(れいわ関係者)。自民が小池氏支援へかじを切る中、野党一丸で破れば、象徴的な出来事となる。
だが5月27日、2012、14年の選挙で共産などの支援を受け次点だった宇都宮健児氏が立候補を表明。山本氏も埋没気味とされるれいわの再建へ、党公認での挑戦にこだわった。月末、立憲幹部は独自の調査で小池氏が山本氏らを引き離す結果を見て「幕引きの方向だ」と漏らした。
今月2日には立憲の枝野幸男代表ら幹部が協議。小沢氏も国民の平野博文幹事長から「山本氏は無理だ」と伝えられた。立憲は4日、宇都宮氏支援を決める方向だ。(文基祐、佐藤陽介)
(北海道新聞 2020年6月4日)
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/ed9519e2725e723c07ab5b2e283cdc4b88509236
この記事によると、山本太郎擁立工作にはやはり小沢一郎が一枚噛んでいたようだ。
以前から山本太郎が都知事選出馬に意欲を燃やしていたことは周知だが、新型コロナウイルス感染症が大問題になった頃に「さっさと休校やー」というツイートを発したのを最後に、山本の存在感がなくなっていった。検察庁法改正案の問題が騒がれたことにも、多忙を理由にネット番組の出演依頼を断るなど、自ら存在感を消す方向の動きを取った。
一方の小池百合子は、東京五輪の延期が決まるまではコロナ対策に消極的で、その責任は極めて重いのだが、五輪延期が決まるや否や東京の「ロックダウン」を言い出すなど態度を豹変させて以来、露出度が増えて支持率を爆上げさせた。JX通信が都民を対象に行った調査では、小池の支持率はなんと約20ポイントも上がったという。
立民も、宇都宮健児と山本太郎の比較なら、本人が「立民主要打撃論」を振りかざしてきた山本よりは、支援者の一部が立民攻撃でうるさいだけの宇都宮健児をとるのは当たり前だ。
しかし民民は、「保守ど真ん中」を自認する山本なら担げても(小沢一郎もいることだし)、左寄りの宇都宮健児は担げないといったところだろうか。
また民民と立民の合流話があるようだが、前原誠司と小沢一郎はもう切り捨てるべきだろう。この2人を切れば、風見鶏の玉木雄一郎もおとなしくなるに違いない。