kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

都知事選、共同と朝日の情勢調査でも「小池圧勝」変わらず。宇都宮、山本、小野が追う展開

 都知事選、共同通信朝日新聞の情勢調査が出た。このエントリでは共同通信の調査結果に絞る。朝日は有料記事なので省略するが、共同と同様の傾向の調査結果だ。

 

 共同通信の調査は日経にも出ている。日経は、序盤情勢は日経リサーチの調査結果を載せ、中盤情勢は共同通信の調査結果を載せた。ひところ毎日が国政選挙で同様のことをしていたが、毎日は今回わけのわからないインターネット調査を行った。全く感心しなかった。

 

www.nikkei.com

 

 以下引用する。

 

小池氏優勢、ほか3氏追う 投票先未定も約3割 共同通信情勢調査

2020/6/28 19:10 (2020/6/28 20:55更新)


共同通信社は7月5日投開票の東京都知事選について電話世論調査を26~28日に行い、取材結果も踏まえて情勢を分析した。再選を目指す現職の小池百合子氏(67)が他候補を引き離して優勢となっている。
日弁連会長の宇都宮健児氏(73)、れいわ新選組山本太郎代表(45)が追い、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)=維新推薦=が続く。
諸派NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)=N国推薦=ら18人も立候補しているが、広がりを欠く。3割はまだ投票先を決めておらず、情勢が変わる可能性がある。
知事選への関心を聞いた質問では「大いにある」が36.4%、「ある程度ある」が51.2%だった。
支持政党別に投票先を見ると、小池氏が無党派層も含めて幅広く浸透。自民支持層の7割、公明支持層の9割が小池氏を選んだ。無党派層では6割だった。
宇都宮氏を支援する立憲民主党の支持層でも6割が小池氏に流れ、宇都宮氏を選ぶのは2割にとどまった。共産支持層に関しては、宇都宮氏が6割を固めた。
投票するに当たって最も重視する基準は「政策」が25.2%で最も多かった。「リーダーシップ」の21.3%、「新型コロナウイルス対策」の14.6%が続いた。
小池都政の4年間については「評価する」が22.8%、「どちらかと言えば評価する」が57.8%で、多くが好意的に捉えていた。
調査は、都内の有権者を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話するRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。有権者がいる世帯にかかったのは1457件で、うち1030人から回答を得た。
〔共同〕

 

日本経済新聞より)

 

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60904040Y0A620C2PE8000/

 

 読売の調査では立民支持層の4割が小池、2割強が宇都宮、1割強が山本支持とのことだったが、共同通信の調査では立民支持層の実に6割が小池に流れているという。

 思い出されるのは2016年の参院選で、民進支持層の大半が蓮舫に流れたために、もう1人の民進候補だった小川敏夫が大苦戦し、一時は落選かともいわれたが、選挙戦後半で山本太郎らに支援された三宅洋平が有力とされた維新公認の田中康夫の票を食ったために三宅と田中が共倒れし、辛うじて小川が当選したのだった。

 この時、私は蓮舫蓮舫へとなびく民進支持層のネオリベ志向の強さに辟易したものだ。蓮舫はその少し後に民進党代表に就任したが、都知事選で当選した小池百合子について、テレビキャスターとして「小池さんの背中を眩しく見ていた」などと言いながら小池にすり寄り、小池もそれに答えてリップサービスした。この時に「小池都知事民進党の連携にワクワクした」人が出てきたのだった。

 この経緯をことある毎にこの日記(ブログ)に書いてきた私は、立民支持層の6割が小池に流れると聞いても実は驚かないのだが、上記の「小池にワクワクした」人は、16年の参院選では小川敏夫に投票し、今回も山本太郎リップサービスをしながらも自身は宇都宮健児に投票すると公言していることには留意したい。つまり、立民支持層の中でも相対的にリベラルと思われる人でも、小池百合子に「ワクワク」してしまう風土があるのだ。毎度書くように、この傾向は一朝一夕には変わらない。

 加えて、強い指導者を渇望する傾向も「リベラル・左派」系には強い。ひところの「小沢信者」(オザシン)どももそうだった。

 

 

 当時、「国民の生活が第一」に属する議員たちの多数は、橋下徹との連携を渇望していたが、橋下が石原慎太郎と組んだために実現しなかった。一説によると、小沢一郎は水面下で石原慎太郎にも連携を打診していたが、橋下と二股かけられたと知った石原が激怒して、小沢を蹴って橋下と組んだために、小沢と橋下の「悪魔結合」は実現しなかったとのことだ(この話を暴露したのは故岸井成格だ)。

 問題は、この時オザシンや小沢支持者の中から、橋下と組もうとする小沢を批判する声がほとんど上がらなかったことだ。もっともそれは、小沢が「イエスマン」しか周囲に置かず、自らへの異論を発する人間を切り捨ててきたせいでもあった。そんな環境下で小沢支持者ないしオザシンになった人たちが今、金のことばかりではなく現物給付にもきちんと言及する宇都宮健児を「緊縮」呼ばわりして非難するのだから、ヘソが茶を沸かすというものだ。

 そして、山本太郎にも師の小沢一郎と同じ傾向が見られる。

 

 

 

 山本太郎も結局行き着く先は「安倍晋三と同じ」。

 

 以上見たように、かつての親小沢も反小沢も、さらには新興の山本太郎支持層(ヤマシンを含む)をも引っくるめた旧民主・民進系全体が惨状を呈している。これでは小池百合子に圧勝を進呈し、さらには安倍政権支持率を上向かせてしまっても仕方ないといったところだろうか。

 一部には、「連合が小池百合子を推している状況で、よく宇都宮氏支持を2割強までもっていけたものだ」という向きもあるが、過大評価だろう。私には、下記米重克洋氏の論評の方がしっくりくる。

 

 

 

 後者のツイートからリンクされているのは今年2月に米重氏自身が書いた記事だ。そこから5か月間、挑戦者の顔ぶれがどうなろうが、都知事選の情勢は全く動かなかった。