先週の日経に続いて、読売が都知事選の世論調査を行った。毎日も「世論調査『もどき』」を行ったようだが、調査はインターネットで行っており、無作為抽出ができているとはいえない、というより無作為抽出をしようとする意図が最初から感じられない*1ので、この日記では考慮外とする。
読売の記事は引用しないが、小池百合子が他を大きくリード、他の候補では宇都宮健児が追い、小野泰輔と山本太郎が横一線で3位争いだという。
上記リンクにも一部が見えている通り、記事にはグラフがついている。自民、立民、無党派層がそれぞれ各候補を支持する比率を棒グラフにしたものだ。
記事にも説明があるが、「約何割」などという10%刻みの粗い表現なので、定規でおおよその比率を読み取ってみた。自民支持層は約68%が小池を支持、以下、小野約7%、山本約3%、宇都宮約2%と続く。立民支持層は約40%が小池、以下、宇都宮約24%、山本約13%、小野約2% と続く。無党派層は約51%が小池、以下、宇都宮約10%*2、山本約7%、小野約5%と続く。
立民支持層の4割は、自らが支持する政党の立党の経緯すらろくすっぽ覚えていないようだ。特に東京では、旧民主・民進系の支持者たちの新自由主義(ネオリベ)志向は相変わらず強く、そのために実際には「リベラルかせいぜい穏健左派」の候補だろうと私が位置づける宇都宮が「左派色が強すぎる」かのように見えてしまうのだろう。この傾向は一朝一夕には改まらない。
また某新選組の山本太郎は、無党派層や立民支持層では小野を上回るものの、自民から流れる票が小野より少ないことと、新選組の政党支持率が維新よりかなり低いことが影響して、小野と「横一線」で、かつ名前が小野のあとに表記される調査結果になったものと思われる。
総じて山本は、昨年の参院選と比較して無党派層の支持を失ったか、または(主義主張や政策こそ全く異なるように見えるものの)山本と同型の煽動型の政治家である小池から票を奪うことができずに伸び悩んでいると見られる。
なお、下記のツイートは勘違いと思われる。
>無党派層では、約5割が小池氏を支持し、宇都宮氏が約1割、山本氏が1割弱の支持を得ている。小野氏は新宿区や港区など都心部の有権者の1割強の支持を得ている
— 軍畑先輩 (@ixabata) 2020年6月27日
無党派層でも宇都宮は山本太郎上回ってる。ただ小野に遅れを取ってる。無党派層でも2位に食い込もう!
小野は「新宿区や港区など都心部の有権者の1割強の支持を得ている」だけであって、無党派層全体の1割強とは書かれていない。それどころか、「新宿区や港区の都心部の有権者」全体の1割強としか読めない。
おそらく、読売としては小野に小池に次ぐ2位の票を獲ってもらいたいのだが、小野もまた宇都宮や山本と同様に伸び悩んでいるために、読売の読者層に「もっと小野を支持してくれ」と懇願する意味を込めてこんな余計な文章を入れたのではないか。そのように私は勘繰った。