kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

産経、「米兵が日本人救助」を虚報と認めるもなお「盗人猛々しく」

産経、ネットのデマを根拠に沖縄2紙をバッシングして「ブーメラン」 - kojitakenの日記(2018年1月31日)の件だが、産経が白旗を掲げた。

https://mainichi.jp/articles/20180209/ddm/041/040/138000c

産経新聞
「米兵が日本人救助」報道 検証記事、おわび・削除 沖縄地元紙非難
毎日新聞 2018年2月9日 東京朝刊

 産経新聞は、沖縄市で起きた交通事故で米海兵隊員が日本人男性を救助したと報道した昨年12月の記事について、「取材が不十分で削除する」とした記事を8日朝刊1面に掲載した。地元の琉球新報沖縄タイムスの2紙が米兵の行動を報じなかったとして非難したことについて「報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現があった」とし、両社と読者におわびした。【青島顕、川上珠実】

 削除したのは昨年12月12日朝刊3面(東京本社版)と同9日のウェブ版ニュースサイトの記事。

 沖縄県警によると、昨年12月1日早朝、沖縄市沖縄自動車道で6台の車が多重衝突し、その中で在沖縄米海兵隊の男性曹長(当時44歳)が後続の車にはねられ、頭の骨を折る大けがをした。産経新聞曹長がはねられる前に横転した車から日本人男性を救助したと報道。救助に触れなかった地元両紙に、紙面で「『反米軍』色に染まる地元メディアは黙殺を決め込んでいる」、ウェブ版では「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と書いた。

 産経が8日掲載した検証記事によると、那覇支局長は曹長の妻のフェイスブックや米テレビ局の報道を見て米海兵隊に取材したが、県警には取材しなかったと説明。琉球新報が1月30日に「米海兵隊が救助を否定した」と報道したことから、米海兵隊に再取材したところ「救助行為は確認できなかった」との回答を得たという。

 産経は乾正人・東京編集局長の「再発防止のための記者教育を徹底するとともに、出稿体制を見直し、記事の信頼性向上に努める」とのコメントも掲載した。同社広報部は8日、毎日新聞の取材に「社内処分について今後検討する」と話した。

識者、紙面検証「不十分」

 産経新聞が8日掲載した検証記事は「経緯」「海兵隊の回答」「男性側の回答」の3点について説明し、「沖縄県警には取材しなかった」ことを認めた。しかし、マスメディアに詳しい識者からは「検証が不十分だ」との指摘が出ている。

 ジャーナリストの江川紹子さんは「事故取材では普通、最初に警察から基本的事実を把握する。なぜ取材しなかったのか記者本人が振り返って明らかにし、どうして間違えたのかを検証しなければ、再発防止につながらない。第三者に検証してもらうべきではないか」と話した。

 服部孝章・立教大名誉教授は「深刻な問題だ。産経新聞は沖縄メディアに対し、いわれのない非難をしたからだ。ウェブ版の記事は一部勢力に支持されようとして書かれたと思われるが、検証はそうした事情を明らかにしていないのも問題だ」と指摘した。

毎日新聞より)

裏取りもせず、ひたすら読者の右翼層(ネトウヨを含む)に媚びる産経の浅ましさには言葉もない。産経の那覇支局長は高木桂一という名前だが、2012年に死んだ元敦賀市長・高木孝一と名前も厚顔無恥さもよく似ている。そんな高木桂一が那覇支局長を務め、率先してネトウヨに媚びを売っているのだから産経の腐敗は構造的なものだ。謝罪とお詫びのコメントを出した東京編集局長の乾正人もよく名前を見掛ける極右記者である。その乾が書いた「削除とお詫び」の記事を以下に掲げるが、この中にも実にふざけた文章が出てくる。

沖縄米兵の救出報道 おわびと削除(1/2ページ) - 産経ニュース

沖縄米兵の救出報道 おわびと削除

 12月9日に配信した「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」の記事中にある「日本人を救助した」は確認できませんでした。現在、米海兵隊は「目撃者によると、事故に巻き込まれた人のために何ができるか確認しようとして車にはねられた。実際に救出活動を行ったかは確認できなかった」と説明しています。

 記事は取材が不十分であり削除します。記事中、琉球新報沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現がありました。両社と読者の皆さまにおわびします。

 ◆検証 「危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー」報道

 本紙は、昨年12月1日に沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故に関する自社報道の内容を検証した。事故ではねられて一時意識不明の重体となった在沖米海兵隊のヘクター・トルヒーヨ曹長について「横転した車両から50代の日本人男性を脱出させた」と報じたが、再取材の結果、トルヒーヨ氏が日本人男性を直接救助した事実は確認されなかった。

 (経緯)

 昨年12月1日午前4時50分ごろ、沖縄市沖縄自動車道の北向け車線で、車6台がからむ多重事故が発生した。

 本紙那覇支局長は「トルヒーヨ氏の勇敢な行動がネット上で称賛されている」との情報を入手。救助を伝えるトルヒーヨ夫人のフェイスブックや米NBCテレビの報道を確認した上で米海兵隊に取材した。この際、沖縄県警には取材しなかった。

 米海兵隊第3海兵遠征軍からは12月6日に「別の運転手が助けを必要としているときに救ったトルヒーヨ曹長の行動は、われわれ海兵隊の価値を体現したものだ」との回答を得た。

 これを受けて、12月9日配信のインターネットサイト「産経ニュース」や同月12日付朝刊で、トルヒーヨ氏が横転した車両から日本人男性を救助した後、後続車両にはねられ重体に陥ったと報じ、あわせて、「琉球新報」と「沖縄タイムス」の地元2紙がトルヒーヨ氏の行動を報じていないと批判した。

 その後、琉球新報が救助を否定する米軍のコメントを1月30日付で報じたのを受け、再取材したところ、米海兵隊第3海兵遠征軍から2月1日、次のような回答が文書であった。本紙記者とのやりとりは次の通り。

 −−米海兵隊琉球新報の取材に対し「救助行為はしていない」と回答している。トルヒーヨ氏の事故現場での行動について、米海兵隊が把握している具体的な事実関係はどういう内容か

 「目撃者によると、トルヒーヨ氏は事故に巻き込まれた人のために何ができるか確認しようとした。手助けする前、北方面へ向かう車にはねられた。自分の車を後続車両のじゃまにならないように車道外に動かそうとしていたときだった。私たちの聞き取りでは、トルヒーヨ氏が実際に救出活動を行ったということは確認できなかった」

 「最初の現場報告では(日本人の)車両をトルヒーヨ氏が援助したということだった。後の報告で、彼自身がひかれる前に(日本人の)救出を完遂したということを確認することができなかった」

 −−事故に対する見解を示してほしい

 「トルヒーヨ氏が車を止め、事故に巻き込まれた人の状況を確認し、手助けしようとしたことは、海兵隊が掲げる価値観の表れだ」

 沖縄県警は7日までの本紙取材に対し「(トルヒーヨ氏は)車道にいたところを後続の車にひかれた。何をしていたかはわからない。(日本人を)誰が助けたかはわからない」としている。

 (男性側の説明)

 横転した車両に乗っていた日本人男性は2月2日、代理人の弁護士を通じ「米軍関係者に救助された記憶はない」と当時の状況を説明した。代理人によると、男性は自身に追突した車両の日本人運転手が助手席ドアを開けたので、自力ではい上がり外に出て路肩に避難した。

 警察と救急車に電話をした後、駆け付けた米軍関係者から「大丈夫か」と声を掛けられたが、この米軍関係者がトルヒーヨ氏かどうかは分からないという。

 トルヒーヨ氏の現在の容体は安定しており、米国内で回復のためのリハビリを続けているという。横転した車両に乗っていた日本人男性はトルヒーヨ氏の安否を気遣い「一日も早い回復を祈っている」と代理人に話している。

 ◆沖縄2紙の報道は

 昨年12月2日付「琉球新報」は事故について「最初の追突事故で横転した車の後方で停止した軽自動車に、Yナンバー車(注・米軍車両を示す)が接触し路肩に停車した。後方から来た米軍の公用貨物車が軽自動車に衝突後、中央分離帯Yナンバー車に接触した。Yナンバー車から外に出た米海兵隊員男性が、後方から来たYナンバー車にひかれた」と報じた。

 同日付の「沖縄タイムス」もほぼ同様に伝えた。両紙ともに「県警交通機動隊によると」としていた。

 この事故に関して産経新聞は、12月9日付の電子版「産経ニュース」と12日付の紙面で、曹長が横転した車の日本人運転手を救出した後に事故に遭ったと伝えるとともに、「勇敢な行動」とたたえた。また産経ニュースでは、琉球新報沖縄タイムスの地元2紙が曹長の行動を報じていないと指摘した上で「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」などと非難した。

 琉球新報は今年1月30日付で、米海兵隊が「曹長が救助した」とする産経の報道を否定し、県警も救助の事実は確認していないと報じた。沖縄タイムスも2月1日付で、海兵隊も県警も、救助の事実を確認できていないと伝え、産経の報道を否定した。

 ◆事故で横転した車の男性運転手の代理人弁護士が発表したコメント全文

 「依頼人の記憶によれば、事故直後、依頼人運転車両に追突した日本人ドライバーが、横転して運転席側が下になった依頼人運転車両の助手席ドアを開けてくれたので、依頼人が自力で這い上がって車外に出て、路肩に避難し、双方で警察及び救急車を要請する電話をかけた後、駆けつけた米軍関係者の方が『大丈夫か』と声を掛けてくださったということです。後続車にはねられてしまった方が、このとき声を掛けてくださった方かどうかについては、依頼人にはわかりかねるということです。

 依頼人としては、米軍関係者の方に救助された記憶はないということです。ただ、重体になられた方の安否をとても気遣い、一日も早い回復をお祈りすると話しております」

 乾正人産経新聞執行役員東京編集局長

 昨年12月1日に沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故をめぐる本紙とインターネットサイト「産経ニュース」の報道を検証した結果、米海兵隊への取材は行ったものの沖縄県警への取材を怠るなど事実関係の確認作業が不十分であったことが判明しました。さらに、記事中に琉球新報沖縄タイムスに対する行き過ぎた表現があったにもかかわらず、社内で十分なチェックを受けずに産経ニュースに配信、掲載されました。

 こうした事態を真摯(しんし)に受け止め、再発防止のため記者教育をさらに徹底するとともに、出稿体制を見直し、記事の信頼性向上に努めていく所存です。

 事故にあわれた関係者、琉球新報沖縄タイムス、読者のみなさまに深くおわびします。

(産経ニュース 2018.2.8 08:00更新)

沖縄県警への取材もせずに米海兵隊への取材のみを根拠にした自らの虚報に基づいて、琉球新報沖縄タイムスの2紙を誹謗中傷を行っておきながら、「行き過ぎた批判」程度の反省文にとどめるとは、盗人猛々しいという言葉しか思い浮かばない。