kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「官邸 vs. 官僚」の偽りの「対立構造」など笑止千万。安倍晋三は一部経産官僚とはズブズブだ

最近、自民党の政治家(たとえば西田昌司ら)やネトウヨは、ことさらに「官邸 vs. 官僚」の対立構造をでっち上げようとしている。

かつて、2009年の政権交代直後には「政治主導対官僚主導」がこれからの日本政治の新しい対立構造だ、などと民主党支持者、ことに「小沢信者」が興奮して力説していたが、それと同じくらいの無理筋だ。

現実の小沢一郎は、「デンスケ」との異名をとった剛腕の大蔵官僚・斎藤次郎とズブズブだった。当時を知るのに格好の経済小説である高杉良の『金融腐蝕列島』は今読んでも面白い。私は今年2月末に読んだが、小沢と斎藤のズブズブの関係にも言及されている。但し斎藤は仮名で、仇名も「ドン助」に変えられているが。なお蛇足ながら、『金融腐蝕列島』に暴露された皇民党「ほめ殺し事件」の真相は興味津々だ。いつか中曽根康弘が死んだ時に書く訃報記事で言及してやろうと今から手ぐすね引いて待ち構えている(笑)。



当時の小沢と同じで、今の安倍晋三も一部の官僚とはズブズブだ。たとえば今話題の柳瀬唯夫がそうだし、国会で野次を飛ばした佐伯耕三がそうだ。佐伯は、出身高校(灘高校)、出身大学・学部(東大法学部)、所属官庁(経産省)が安倍晋三側近の西村康稔と全く同じで、明らかに安倍・西村ラインの引きによって超スピード出世を遂げた若手経産官僚だ。30代半ばの頃から安倍のスピーチライターを務めている。当然ながら経産省内からの嫉視にはすさまじいものがあろう。安倍政権が倒れて安倍の政敵に政権が渡ったら、佐伯は間違いなく飛ばされる。だから前代未聞の野次まで飛ばして必死になっているのだ。松本清張が存命だったら、安倍や西村、佐伯らをモデルとした痛快な小説を書いたに違いないのに、と時代のすれ違いが残念でならない。

下記の記事に出てくる柳瀬唯夫(武蔵高校−東大法学部−通産省経産省)は原発超推進派の大物経産官僚であって、だから東電原発事故で大恥をかいた菊池誠なんかにとっては心強い「味方」なのに違いないと勘繰る今日この頃。

岡山・加計学園:愛媛文書、農水省で発見 「首相案件」記載 - 毎日新聞

岡山・加計学園
愛媛文書、農水省で発見 「首相案件」記載

 学校法人「加計学園」(加計孝太郎理事長)の獣医学部新設を巡り、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が「首相案件」と発言したとされる文書と酷似する文書が、農林水産省内で見つかった。複数の政府関係者が12日、明らかにした。政府が内容の確認を進めている。

 政府関係者によると、文書は報道各社が10日以降に報じた文書とほぼ同じ内容という。菅義偉官房長官が10日に杉田和博官房副長官を通じ、獣医学部新設に関係する府省に文書の存在を調査するよう指示。内閣府と、文部科学、農水、厚生労働の各省が調べていた。

 愛媛県によると、同県職員が2015年4月2日に柳瀬氏と首相官邸で面会し、獣医学部新設計画について「首相案件」と説明を受けた。文書はこの際の「備忘録」として職員が作成したが、同県には保管されていない。中村時広知事は10日の記者会見で、備忘録を基に県側が農水省などを訪問した際に「置いてきた可能性は否定できない」と話していた。

 文書が愛媛県作成のものなら、県側が学部新設に関する理解を求めて府省に提示した文書に、柳瀬氏の名前や「首相案件」の文字が記されていたことになる。

 文書ではこの面会より前に首相と加計氏が会食した際、下村博文文科相(当時)が「加計学園は課題への回答もなくけしからん」と述べたことが話題になったと記されている。また、柳瀬氏との面会で、愛媛県側や学園幹部が学部新設に向けた助言を得たとも記されていた。この文書に関し、柳瀬氏は10日に「記憶の限りでは、愛媛県今治市の方にお会いしたことはない」とするコメントを発表。首相は翌11日の衆院予算委で学部新設への関与を否定した上で「コメントを控えたい」と述べるにとどめた。【青木純、松倉佑輔】

毎日新聞 2018年4月13日 東京朝刊)