昨日(5/23)の日大・内田正人と井上奨が醜悪極まりない記者会見を行ったらしい。井上はコーチを辞任し、既に監督辞任を表明した内田は「一時」役職停止処分を受けて「謹慎」するらしい。いったん「世間」の怒りに火をつけた内田がこの程度で逃げ切れるかどうかはわからないが、内田は今のところひとまず「世間」から制裁を受けつつあるように見える。
しかし、全く内田と変わらない恥知らずの行動様式を日々見せつけているにもかかわらず、「世間」から甘やかされて続けている人間がいる。いうまでもなく安倍晋三である。その安倍を取り上げた『読む国会』の記事から引用する。
政治家・安倍晋三とは何者なのか ー 嘘つきが我が国の総理大臣である事実について - 読む国会
病的な嘘つきが我が国の総理大臣である事実について
愛媛文書を巡るニュースを聞いていると、コメンテーターの方がそろって「一体誰が嘘をついているんでしょうね」と首をひねっている。が、度々述べているとおり、「安倍総理は嘘をついているかどうか?」という論点はもはや意味を持たない。安倍総理が虚偽を述べていることは明白だからだ。
「問題は、嘘をつくような人間が、果たして総理大臣としてふさわしいのだろうか?」という点であり、それを議論しなくてはいけない。
客観的に、いま判明していた事実を述べる。
- 柳瀬総理秘書官は加計学園の関係者と三回も面会し、時に会談は長時間に渡った。
- 柳瀬氏と加計氏が出会ったのは総理主催のバーベキューである。
- 総理と加計氏は第2次安倍内閣以降、16回会食している
- 安倍総理は加計氏を評して「時代のニーズに合わせて新しい学部・学科の設置にチャレンジしたいと聞いている」と祝辞で述べている
- 総理と加計市は腹心の友である
一方、安倍総理はこうも述べている。
安倍総理の答弁と、客観的な状況は明白に矛盾している。
このような状況で獣医学部を作りたいということを聞いたことはなかったとすると、これに対する合理的な説明が必要なことは明らかだ。
(6)関係業者との接触等
倫理の保持に万全を期するため、?関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や 便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない。
https://www.cas.go.jp/jp/siryou/kihan.pdf
この論法が通るなら大臣規範なんて必要ないのである。 「確かに利害関係者と会食もゴルフもしたが、そのような話はしていない」で通せばいい。そこで何を話したかということは、証明しようがないわけだから、そんなことを論点にすべきではない。
下世話な話ではあるが、普通、既婚者が異性と一定時間密室に入れば不倫が認定される。「一晩中ホテルでトランプをしていました。そうじゃないことを証明してみろ、これは悪魔の証明だ」などと反論したらこの人は正気じゃないと思うだろう。
利害関係者と何度も接触し、また自身の秘書官と接触させた、という事実は状況証拠ではなく直接証拠なのだ。
愛媛県から参議院に提出された文書は、公文書である。公文書というのは基本的に100%信頼されるべきものだ。だからこそ、財務省の改ざん問題があれほど大きな問題になった。
この真偽に対して政府はコメントする立場にない、としている。
しかし、本来公文書を否定するのであれば、きちんと反証しなくてはいけない。雰囲気で事実だけを否定して、反証せず「コメントする立場にない」と言うのはおかしな態度なのだ。
このように、公文書の信頼性と国会答弁の信頼性を著しく落としているのは安倍総理の責任である。
普通、どれほど支持していた政治家であれ、嘘をついているとわかったなら覚めるものだ。
しかし、安倍総理を支持する層の多くは、総理が言っていたことが事実ではなかったという現実にぶち当たった時、自身の認識を上手く調整することで、総理の無謬性を守っているようにみえる。
このような態度は、既に信仰の領域に入っているのではないか。私もTwitterなどのやり取りやコメントなどの反応を見ることもあるが、はっきり言って彼らのロジックは全く理解ができない。
通常我々が社会的に有している認知では、安倍総理の答弁が嘘ではないと判断することは不可能だ。そう考えるためには、通常と異なる認知を持つ必要がある。
「大川隆法総裁(エル・カンターレ)は全宇宙の創設者である」と信じるのと同じ程度特殊な認知を持たない限り、安倍総理の答弁から、彼が真実を述べていると判断することは不可能だろう。
もう一つ、私が気になることがある。安倍総理が「記録を確認したところ、加計孝太郎氏と会ったことは確認できなかった」と述べたことだ。そもそも記録を破棄していると述べたのはご自身である。(その後、「確認できなかった」というのは破棄していたことだ、と官房長官がのべていたが)
嘘つきであることは問題であるが、同時に総理の嘘はすぐばれ、すぐに新しい証拠が出される嘘であるということも問題ではないか。
これは、もう、単なる嘘つきではなく病的な嘘つきである。病的な嘘つきでも総理大臣が務まる、と考えるのは、政治思想ではなく、社会規範を逸脱した信仰である。
このような事実は、この国を愛しこの国に生きるものの一人として、大変に辛い事実として受け止めなくてはいけないのではないか。
これは、正しい意味で議会政治と民主主義の危機である。
(『読む国会』 2018年5月23日)
この記事を書いたブログ主の日々の呟きの中には、賛同できかねるものも少なくないが、一方で強く共感できるものも多い。上記ブログ記事は後者の典型例だ。今「ネトウヨ」と呼ばれている人たちは、正しく「安倍信者」と呼ばなければならないだろう。その心理規制は信仰の対象こそ違え「小沢信者」のそれと寸分違わないが、決定的に違うのは、「小沢信者」は今や絶滅危惧種というしかないほど激減してしまったのに対し、「安倍信者」は若年男性層を中心に多数派を形成しつつあることだ*1。
「崩壊の時代」、これに極まれり。
2013年に、その前年末の衆議院総選挙の結果第2次安倍内閣が発足したのを境に戦後日本の「崩壊の時代」が始まったと語ったのは坂野潤治だったが、その「崩壊」がどのような形になるのか、私には想像もつかなかった。その「二度目には笑劇として繰り返される歴史」における「崩壊」のありようが、まさか「病的な嘘つきでも総理大臣が務まる」ことを受け入れ、その病的虚言者を批判する者の口を封じようと躍起になる人たちがどんどん増えていく社会だったとは。
寒心に堪えない。
なお、ブログ主による下記の呟きも記録しておく。
https://twitter.com/yomu_kokkai/status/999292086997344256
エリ@読む国会
@yomu_kokkai
長尾たかしや(いさ進一は)*2人の心を持っているのか?
あの悲痛な過労死遺族の叫びを聞いてなお、野党を揶揄することに余念がないのは、人の皮をかぶった獣と言う他ない。
基本的に私は政治家に敬意を持っているが、外道に払う敬意などない。
https://twitter.com/takashinagao/status/999247258985029638衆議院議員 長尾たかし
@takashinagao
本日の、働き方改革関連法案、総理入り審議。左の資料をご覧あれ!当然質疑も加計学園オンパレード。厚労委での審議と何の関連性があるのでしょうか?やり切れない虚しさ…
7:12 - 2018年5月23日
安倍晋三は過労死遺族会との面談に応じないと表明した。安倍もまた、「人の皮を被った獣」以外の何者でもない。
首相、過労死遺族会との面談応ぜず 働き方改革関連法案:朝日新聞デジタル
首相、過労死遺族会との面談応ぜず 働き方改革関連法案
贄川俊
2018年5月23日13時22分
過労死遺族でつくる「全国過労死を考える家族の会」が求めていた安倍晋三首相との面談について、政府は23日、応じないと表明した。この日の衆院厚生労働委員会で、内閣官房の審議官が明らかにした。家族の会は面談で、働き方改革関連法案から高度プロフェッショナル制度(高プロ)を削除するよう訴える考えだったが、今後、厚労省で対応することに決めたという。家族会は、22日までの面談を16日夜に申し入れたが回答がなかった。面談の実現と、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す高プロの削除を求めて22日に首相官邸前で座り込みをし、23日も続ける。
安倍首相は、自身肝いりの「働き方改革実現会議」が進んでいた昨年2月には、過労自殺した広告大手「電通」の新入社員の母親と首相官邸で面談した。家族の会の寺西笑子代表は22日夜、高プロの削除を求める集会でこのことに触れ、「なぜ首相は私たちには会ってくれないのか」と訴えた。(贄川俊)
(朝日新聞デジタルより)
こんな安倍(政権)の政策について、「経済政策はリベラル」などとお追従に余念のない「りふれは」の経済学者やそれに追随する菊池誠らもまた、「人の皮を被った獣」でしかない。そんな菊池誠を「左翼」認定して庇い立てる、一部「リベラル・左派」の人たちも同罪だ。労働政策だって広義の経済政策に含まれるはずだが、彼らはそれを見て見ないふりをするからだ。
どいつもこいつも、とんでもない人間ばかりになってしまった。
これが、蒸し暑くなって不快指数が上がり始めた2018年初夏の日本の「耐えられない風景」だ。