kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

イチロー、現役生活に事実上終止符か

ついにこの日が来たか。

https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/05/04/kiji/20180504s00001007028000c.html

イチロー 会長付特別補佐に 今季ラストゲーム後、目を赤くした弓子夫人と抱擁

 マリナーズイチロー外野手(44)が球団の会長付特別補佐に就任した。3日(日本時間4日)に球団が発表した。選手としては今季の残り試合は出場しないことも判明。マリナーズのディポト・ゼネラルマネジャー(GM)は「イチローの存在によってチームが勝つ可能性は高まる。彼の存在価値を余すところなく確保したかった」との声明を出した。
 今季最後のプレーとなった2日(同3日)のアスレチックス戦は「9番・左翼」で先発出場し、3打数無安打、1四球1得点だった。試合後、節目の試合でしか観戦しない弓子夫人が、クラブハウスの外でイチローを待っていた。2人は歩み寄って抱擁。笑顔の夫と対照的に、孤高の天才を支え続けてきた妻の目は充血していた。

 最後の打席は9回1死一、二塁と逆転サヨナラの好機に97マイル(約156キロ)を捉えて鋭いファウルの後、96マイル(約154キロ)直球を空振り三振。左翼守備では2回にライナーを好捕した。次戦以降はベンチ入りの25人枠から外れ、練習しながら選手らをサポートする。

 しかし、イチローの野球人生には続きがある。3月の復帰会見で「今、マリナーズが必要としていること、僕がそこに力になれるのであれば何でもやりたい」と語った球団への恩返し。マ軍との生涯契約だ。関係者によると、メジャーでも極めて異例の契約内容。現役は「最低でも50歳」と話す通り、来季以降にチームの一員として故障者が出た場合などに選手としてプレーする可能性があるという。一方、この契約により日本球界に戻る可能性はなくなった。

 古巣復帰が正式に決まったのは3月7日。右ふくらはぎの張りにも見舞われながら、5年ぶりの開幕スタメン出場を果たした。一方で、2日現在で15試合に出場して打率・205、0本塁打、0打点と数字は残せず。しかし、豊富な経験やムードメーカー的な言動で若いチームメートらを支え、ここまで17勝12敗とチームの好スタートに貢献。かつての球団の象徴、将来の米国野球殿堂入りが確実な功労者という意味もあわせ、生涯マ軍で働いてほしいという声が球団内で強まっていた。

 マ軍はイチローがデビューした01年を最後に16シーズン、プレーオフから遠ざかっている。これは米4大プロスポーツ界で現在、最も長く続く低迷だ。3月の入団記者会見。イチローは「それまで当たり前のようにあったものが全くそうでない、特別なものだった」と感慨深げに話した。日米通算4367安打、メジャー通算3089安打をはじめ、あまたの偉業を残したレジェンドが、最も愛着のあるチームを再建するためにひと肌脱ぐ。

スポーツニッポン 2018年5月4日 05:30)

記事には「来季以降にチームの一員として故障者が出た場合などに選手としてプレーする可能性がある」などと書いてあるが、実際にはその可能性はほとんどないだろう。日米通算4367安打、メジャー通算3089安打というのがイチローの生涯記録になるはずだ。イチローは、事実上現役生活に終止符を打った。

私がイチローのプレーを生で見たのはオープン戦で、倉敷マスカット球場で行われた阪神とのオープン戦を、確か1998年と2000年の二度見ているはずだ。1998年は阪神の主催戦で、2000年はオリックスの主催戦だった。オリックスはいずれの試合にも負けたが、オープン戦だから勝敗はどうでも良い。1998年に最初に見た時には当時阪神にいた新庄との比較を楽しんでいた。イチローはヒットを打ちまくり、新庄は打撃ではさっぱりだった。守備はともに上手だったが、新庄がジャンプを必要としない場面で不必要なジャンプをするのが目障りだったのに対し*1イチローの守備には無駄がなく、攻守とも比較にならないと思った。そのうち公式戦でもイチローを見たいものだと思っていたら、2000年のオフにイチローは渡米してしまった(同じオフに新庄も渡米した)。

2001年にイチローマリナーズ入りし、この年マリナーズは馬鹿みたいに勝ちまくって記録的な高勝率をマークした。むろん「イチロー効果」だった。しかし、当時「ノモマニア」と言われた野茂英雄ファンだった私は*2NHKイチローばかり騒ぐのに若干の不快感を持っていた。しかも2001年にマリナーズプレーオフで「にっくきヤンキース」に負けた*3。そんな経緯もあって、2002年からは「イチローだけは応援するが、マリナーズは負けろ」というひねくれ者と化した。その念力が通じたのか、マリナーズは優勢だった2002年のシーズン終盤に下位のレンジャーズ(この球団も私の好まない金権球団だ)に4タテを食うなどして失速し、地区優勝どころかプレーオフ進出も逃した。以後マリナーズは弱小球団と化したのだが、それも「イチロー効果」の限界だったのかもしれない。2012年にイチローマリナーズを飛び出したが、その後はイチローマリナーズも好成績は挙げられなかった(ことにイチローの最初の移籍先が、あの「にっくきヤンキース」だったことには頭にきた)。しかしイチローには記録の積み上げがあったので、日米通算4千本安打やメジャー3千本安打などの記録は次々と達成された。

イチローマリナーズ復帰は、イチローは(現役選手としての)死に場所をシアトルに求めたのかな、と思っていたが、当たらずといえども遠からずだったようだ。

以下は蛇足だが、そろそろ日本政界のイチロー(一朗)ならぬ一郎も、「事実上の現役引退」をしてはどうかと思う。この男が旗を振った「政治改革」、とりわけその目玉だった衆院選小選挙区制は「安倍一強」体制を招いただけだったし、やはりこの男が旗を振った「野党共闘」にしても、考えてみれば小選挙区制さえなければ不必要だった代物だ。昨年の「希望の党」設立にもこの男が一枚噛んだ、というより主役の一人だった。しかし、他の主役たちが軒並み同党設立劇失敗の煽りを食っているのに*4、この男だけは厚顔無恥にも「野党共闘」陣営の中心に居座っている*5。現在は旧民主党系政党の「統一名簿」にこだわっているようだが、希望の党結成などと同じく、小選挙区制下での選挙に勝つための戦術に過ぎず、そこには全体主義の臭いを私は強く感じる。それは「安倍一強」下の自民党や官僚機構のあり方と相通じるものだ。当然ながら、この男にせよ安倍晋三にせよ、現日本国憲法の精神に真っ向から反する政治家だと思う。

イチローはまだ「そこそこヒットを打てるし、巧守は今も健在」という余力を残しつつの「事実上の現役引退」だが、一郎の場合は全く何らのポジティブな役割を期待できない「百害あって一利なし」の「老害」そのものだ。一刻も早い現役引退(議員辞職)を望む*6

*1:のち新庄は公式戦でこの無駄なジャンプによってエラーを犯してしまい、以後ジャンプはやらなくなったと記憶している。

*2:そういえば野茂とイチローの初対決は2001年5月2日、日本時間同3日の憲法記念日だった。イチローはノーヒットだったが背中に死球を受け、それがきっかけだったかどうか忘れたが野茂が打たれて黒星がついた。なお、次の対決で野茂はイチローに打たれたが試合には勝った。しかしマリナーズ本拠地・セーフコフィールドでは一度も勝利投手になれなかったのではないかと思う。

*3:ただ、この年のワールドシリーズダイヤモンドバックスヤンキースに勝ったことには狂喜した。

*4:たとえば小池百合子は野望が挫けたのみならず人気が失墜したし、前原誠司は国民党入りが噂されると同時に忌避されて国民党入りしない現民進党議員の続出を招いた。また細野豪志に至っては完全にかつての仲間たちから爪弾きにされ、政界で孤立している。

*5:共産党や「野党共闘」の旗振り役たちは一様にこの男に甘いし、それをいいことにこの男は現在枝野幸男に急接近している。

*6:私は、他にも前原誠司に対しても一刻も早い議員辞職を求める者だ。