西日本大水害の最中に「赤坂自民亭」のどんちゃん騒ぎをやらかすなど、7月以来相次いだ災害への対応が信じられないほど鈍かった安倍政権だが、ようやく補正予算を組むという。
https://mainichi.jp/articles/20180908/k00/00m/010/038000c
政府
地震や豪雨、補正予算編成へ 1兆円超規模
政府は7日、北海道で発生した最大震度7の地震や7月の西日本豪雨などを受け、2018年度補正予算案を編成する方針を固めた。秋の臨時国会への提出を検討している。政府関係者によると、規模は1兆円を超える可能性もあるという。また政府は北海道地震について、自治体による復旧事業に国の補助率を1〜2割程度かさ上げする激甚災害に指定する方針だ。
西日本豪雨への復旧・復興では、政府は予備費などで対応している。18年度予算の予備費と災害対応予算は計4200億円。このうち西日本豪雨の復旧支援には既に1058億円を支出し、さらに7日の閣議で616億円の追加支出を決めた。【野間口陽】
毎日新聞 2018年9月7日 18時30分(最終更新 9月7日 22時14分)
記事によると、
とのことだが、現時点では召集日がいつになるか何も報じられていない「秋の臨時国会」への「提出を検討している」というのだから、相変わらずの悠長さだな、と思わずにはいられない。そうは言っても補正予算を組まないよりはマシなのは確かだが。
この件に関して、上記毎日新聞記事をともに引用しながら、内容は実に対照的な地方発と東京発のブログ記事に接した。まず、7月の西日本大水害で大きな被害を受けた広島発のブログ記事を示す。
<政府>地震や豪雨、補正予算編成へ 1兆円超規模 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2018年9月8日)より
素人目に見ても兆円単位の被害が出た西日本大水害から2ヶ月以上。
もはや、当然というより遅きに失したといわざるを得ない。
小泉政権が豪雪を受けて迅速に補正予算を組んだのと比べても遅かった。
きちんと国会を開き、復旧、復興へ議論を!
今は復旧・復興が至上命題で、憲法云々は土砂の前ではお遊びに過ぎない。
総理が夏休みの宿題(大阪北部大震災、西日本大水害)復旧を怠っている間に、
二学期の宿題(台風と北海道大震災)までどーんと出てしまった状況である。
一方、上記とは対照的な東京発のブログ記事を示す。
安倍陣営「不謹慎だが、選挙戦にプラス」~北海道震災で総裁選は自粛。討論避け、バラマきに走る : 日本がアブナイ!(2018年9月8日)より
(前略)
安倍氏が12年に首相に復帰してから、熊本、北海道で震度7クラスの震災が起きたり、各地で豪雨詐害が頻発したりしているのだが。安倍内閣は災害対応に関して、ほとんど評価されたことがない。<自民党は、民主党政権時代にさんざん震災対応に関して文句をつけていたくせにね。^^;>
それをリカバーするためにも、安倍自民党はここぞとばかりに今度の西日本豪雨災害や北海道震災に力とお金をかけるつもりでいる様子。
(中略)
もちろん、私とてどの被災地の支援や復旧事業にも、しっかりと予算を出して欲しいと思っているけど。<とはいえ、自民党の場合は復旧事業(特に建築系)は、利権と重なっちゃうことがあるのが問題なんだけどね〜。>
ただ、このような災害を、いわば利用する形で、自己アピールしようとする安倍首相&仲間たちは、実にあざとい&えげつないと思うし。
もしその映像を見て、国民や党員の中に、安倍首相の災害対応を評価、支持する人が増えるとしたなら、もう「何だかな〜」と嘆くしかないmewなのである。_(。。)_
後者のブログ記事を一読して、まず、現在の「リベラル」(実態は「都会保守」だと私は考えているが)には、ここまで新自由主義的な思考様式が浸透しているのかと改めて呆れた。次に、ああ、ずっと東京に住んでいる人は、かくも地方に冷淡なのかと、これも昔から熟知していることだが、改めて思い知らされた。
今回問題にすべきは、補正予算を組むことを「検討する」のがあまりにも遅すぎることであって、総裁選目当ての「バラマき」(この「バラマキ」もネオリベ用語の典型例なので、この日記では今回のような引用文や、好況期における積極財政や特定分野への傾斜配分などの批判すべき事例を除いて、原則として使用しないことを、12年前の日記開設以来、いやそれ以前の掲示板投稿者時代から、私は自分自身に課している。そんな私から見ると、不用意に「バラマき」と表記するブログ主は、新自由主義的な思考が骨の髄まで染みついた人にしか見えない。
40年ほど前に「東京に三代住むと白痴になる」と言ったのは、香川県出身の元総理大臣・大平正芳だが、10年ほど香川県に住んだことのある私は、大平が発した、現在では決して許容されない差別用語は別にして、その言いたかったことはわからなくもないな、と思う。
過去にも、阪神大震災の時、TBSの『NEWS23』で火事の煙が立ち上る被災地の映像を見て故筑紫哲也が発した「温泉地みたい」というふざけた発言や、同じ番組で同じ人間が発した「こんな地震がもし東京で起きたら」という発言にもずいぶん向かっ腹を立てたものだが、一昨日だか昨日だかに、北海道の地震を受けて日刊ゲンダイが「次は千葉」という大見出しをつけたのを見てまた腹を立てた。この日刊ゲンダイというのも、新自由主義的・都会保守的メディアの代表格であって、上記都会保守のブログはよく日刊ゲンダイから引用していたし、現在はブロガー氏も日刊ゲンダイも自民党総裁選で石破茂を応援するのに余念がない。
そんな日刊ゲンダイが発した与太記事が、選挙分析に定評のある「三春充希(はる)」氏が強く批判している。
https://twitter.com/miraisyakai/status/1037277643790409728
自民党総裁選は石破氏人気が急拡大 安倍首相追い抜く勢い
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236801 …
この記事にあるJNNの世論調査では、6月の時点で石破氏が安倍氏を12ポイントリードしてた。それが7月に7ポイント、8月に5ポイントへ縮まり、9月の調査で安倍氏の逆転になっている。この引用は調査元に迷惑なレベル。
2:53 - 2018年9月5日
つまり、実際にJNNの世論調査が示すところは、石破茂は安倍晋三を「追い抜く」どころか時が経つにつれ支持を失っており、ついに自民党員や支持者以外の一般の人々の間でも、安倍に逆転されたということだ。ましてや最初から安倍がリードしていた自民党員の間では、安倍と石破との差は想像を絶するほど広がっているに違いない。
そんな情勢なのに、清和会に属する議員に「念書」を書かせるなどの独裁者の心理も想像を絶しているが、根拠とした数字が指し示すのとは真逆な「嘘の情勢記事」を垂れ流しているのが日刊ゲンダイであり、それを真に受けているのがブログを書いている都会保守氏なのではないか。そう思わずにはいられない。
もちろん、北海道地震に被災した死者の数をわざわざ自分で発表し、なおかつその数字が間違っていたりとか、連絡橋も復旧していないのに政府機関でも何でもない関西空港の再開を発表する安倍晋三もまた「異常」の一語に尽きる。安倍に振り回される関空職員の家族が発したツイートを下記に引用する。
https://twitter.com/HK85251430/status/1038012252811448320
関空職員の家族です
ふざけんなよ!
橋の強度確認も満足に出来てないうちから
なんで飛行機飛ばすんだよ
台風直撃の時も帰ってこれず、子供と心細く過ごしたわ
やっと帰ってこれると思ったら
関空20時に出て、家着いたの朝4時
今日も朝4時過ぎに出てって帰れるか分からないって!!
3:33 - 2018年9月7日
安倍も異常なら、補正予算を「総裁選での人気取り目当ての『バラマき』」としか捉えられない都会保守氏も異常だし、JNNの世論調査が示すトレンドと真逆の「嘘の結論」を記事にして垂れ流す日刊ゲンダイも異常だ。
まったくどいつもこいつも、と怒りが収まらない。