kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

自民党総裁選で小泉進次郎が態度を明らかにしなかったのは当たり前

先月、下記記事を書いた。


上記記事に引用した日刊ゲンダイのコラムにおける室井佑月の本音は、タイトルにした「小泉進次郎の応援」より、むしろ自民党総裁選での石破茂の応援であり、小泉進次郎は石破を応援してくれるんだろうな、という括弧付き「リベラル・左派」からの圧力がけだったと思われる。

それは、上記記事の3日前に書いた安倍政権の財政政策は小泉政権よりもっと緊縮志向の強い「経済極右」 - kojitakenの日記(2018年8月4日)に書いた通りだ。以下に再掲する。

リテラご推奨の「くりぃむ上田」とやらが司会を務めるTBSの『サタデージャーナル』は、今朝は自民党総裁選で石破茂を応援し、例によって小泉進次郎の動向に注目するというどうしようもなさだったが、例の都会保守氏のブログ記事*1には、それに呼応するかのように恥ずかしげもなく

<もし小泉進次郎氏が立ったら、ちょっとザワつく&流れも変わるかも知れないけどね。それでも安倍氏の方が強いかな?^^;進次郎くん、石破について欲しいんだけどな〜。(@@)>

などと書いてあった。リテラ、テレビ局、ブロガー氏の三者とも、もはや手の施しようがない。

そんな石破茂小泉進次郎を応援する「リベラル」あるいは都会保守と同じくらい悪質だと思うのが、主にリフレ派右派による

「安倍政権の経済政策はリベラル」

という虚偽の宣伝文句だ。これは事実に反している。(後略)


だが、室井佑月、TBS、上田晋也、それにブロガー氏の願い空しく、小泉進次郎自民党総裁選で安倍晋三石破茂のどちらを支持するか明言しなかった。

当たり前である。

考えてもみよ。

年齢的に若く、「安倍以後」を強く意識しているに違いない小泉進次郎が安倍支持を明言するのは損得勘定から言えばどう考えても損だ。さりとて、安倍に睨まれている石破支持を明言することは損得勘定から言えばもっと損だ。

奴が態度を明確にするはずなど、初めから全くなかった*2

私はずっとそう予想していたが、小泉進次郎のことなど記事に取り上げるのも癪に障るので、これまで何も書かないできた。そんなことにエネルギーと時間を割きたくなかったからだ。

そもそも、「リベラル・左派」が小泉進次郎自民党総裁選で安倍支持か石破支持かを明らかにしなかったことにキーキー文句を言うこと自体どうかしている。
「石破支持を表明して欲しい」などと、石破や小泉(進)を当てにする時点で終わっているというほかない。
石破は財政再建厨だし、進次郎は小泉純一郎式の新自由主義者だ。安倍晋三と変わるところなど何もない。

昨日も、これまでまともだと思っていたさるTwitterのアカウントが熱心に石破を応援していたのにショックを受けて大いに幻滅したが、これが「崩壊の時代」の「リベラル・左派」の姿なのだろう。

自民党総裁選に関してもう一つ書くと、昨日行われた討論会だかで読売新聞特別編集委員橋本五郎が安倍に痛烈な質問を浴びせかけたとかいう一件があったらしい。リテラなどはこれを嬉々として伝えているし*3、「陰謀論」大好きな「リベラル・左派」ネット人は「アメリカの意を受けて安倍支持系のメディア(あるいは「マスゴミ」)が安倍に対する態度を変えた」などと囃し立てている。

甘い。馬鹿か。そんな感想しか持たない。そんなものはガス抜きでしかない。どんなに安倍晋三が憮然としようが最初から許容範囲内であり、それどころか安倍政権が言論の自由を保障していることをアピールする狙いがある。

確か昨年の今頃だったか、秋の番組改編で安倍教祖のエバンジェリストたる岩田明子が夕方の番組に回された、NHKは変わった、そういえば岩田は『文藝春秋』に安倍を批判した寄稿を発表した、などと話題になった。当時は、自民党二階俊博が安倍を見限るだろうとの楽観的予測も横行していた。よく「二階ガー」と言いたがるTwitterアカウントとして思い出されるのは、まず菅野完であり、次いでかつてその菅野とつるんでいたものの現在では敵対関係にあるらしい木下ちがや(「こたつぬこ」)だった。後者は沖縄県知事選の告示を前にしてTwitterでの戦線に復帰した。

彼らの予測は全く当たらなかった。この件に関しては特に菅野完の外し方がひどく、岩田明子が夕方の番組で安倍教を布教しまくったことの悪影響は筆舌に尽くし難い。その最悪の例が「外交の安倍」なる虚偽の拡散だ。

また、木下については、二階やNHK、特に後者について、菅野ほどひどいデタラメをばら撒いた印象は持たないが、何より昨年の民主党代表選で前原を容認し、前原が「野党共闘」陣営で働いてくれるかを願うようなツイートを連発していた悪印象があまりにも強い。これは結局民主党代表選で前原を応援した小沢一郎を正当化する役割しか果たさなかったが、実際には小沢は小池百合子と前原による「希望の党」設立に動いていたのだ。しかし、同党設立劇から衆院選に至る過程で小池から逆に切られてしまった小沢が厚顔無恥にも「野党共闘」の戦線に復帰しようとした時、小沢を批判せず受け入れようとする論陣を必死に張ったのも、この木下だった。

いわゆる「しばき隊」と菅野及び木下との関係について私は全く詳しくないが、それはさておいても、この1年間で菅野も木下も全く信を置けない人たちであると見切るに至った。

それゆえ、彼らの言い分に耳を傾ける「リベラル・左派」諸氏の言葉に対しても、私はまず懐疑の目を向けずにはいられない。

*1:https://mewrun7.exblog.jp/27464309/

*2:岸田文雄が安倍支持に回ったのは、いうまでもなく安倍の「禅譲」の口約束を当てにしているからだし、同じく安倍支持に回った野田聖子ともども、小泉進次郎よりずっと安倍晋三との年齢差が小さいことが大きく影響している。彼らにとっては今日明日に安倍に距離を置かれることのダメージの方が、未来に「あの時安倍晋三を支持していた」と指弾されるリスクよりずっと大きいのだ。それだけの話である。

*3:https://lite-ra.com/2018/09/post-4251.html