新党を結成します。
ただし、離党は4月の後半。
その結果にかかわらず離党します。
これからどうするかについて、
いくつかの選択肢があります。
このまま野党の結集が叶わず選挙になるならば、
山本太郎独自のグループで戦います。
(山本太郎オフィシャルブログ 2019年4月10日)
全くいただけないのは、山本が立ち上げた政治団体の名称だ。新元号からとった「れいわ新選組」だという。私は新元号と新選組(新撰組)の両方とも大嫌いなので、それだけでアウトだ。さらに参院選ではまたぞろ右翼(極右民族主義者)の三宅洋平あたりを立候補させるのではないかと危惧している。以下、ハフポスト日本版の「オールラウンドエディター」安藤健二氏の記事より。
自由党共同代表の山本太郎参議院議員が4月10日、参院会館で記者会見を開き、同党を離党する意向を明らかにするとともに、政治団体「れいわ新選組」を結成したと発表した。
山本議員が所属する自由党は、国民民主党に合流する構想があり、4月30日までに結論を出すことで合意している。山本議員の動きは、合流構想への影響も出そうだ。
■名前の由来は?
前日の4月9日には、山本氏が離党して新党「令和新撰組」を立ち上げる方向だとテレ朝newsが報じたが、まもなく記事を削除していた。
山本氏は会見冒頭で、「山本太郎は自由党を離党します。ただし、これには時期があります。統一地方選の後半戦が終わり、国民民主党と自由党の合流の可否が出たあとになります。離党というのは、そこになります。離党しないという選択肢はなく、どちらにせよ離党します。その間にも準備を進めていくという状況です」とした。
その上で「昨日の段階で出た報道ですが、一部違うところがあります」として政治団体の正しい表記を「れいわ新選組」と紹介した。
名称の由来について山本氏は「一つはアイロニーが込められている。それについては想像にお任せします。元号についての思いは人それぞれ。新しい時代に新しく選ばれる人達という意味。(幕末の)新選組は幕府側・権力側ではないかという意見もあると思うが、今の権力は誰が握っているかというと、主権在民だ」と話した。ハフポスト日本版が山本氏に「幕末の新選組は、明治維新に勝てなかったという意味で縁起が悪いのでは?」と質問すると以下のような回答だった。
「過去は、そうでしたね。でも、新しい時代ではどうかというと、維新を名乗りながら、権力にべったりという逆転現象が起きているから気にすることはないと思っています。自由民主を名乗る者たちが真逆なことをしている。そういう逆転現象が起きるのが永田町だと思ってもらえれば」
■政治団体としては届け出済み
ただ、山本氏の話だと、「れいわ新選組」は参加する議員は現在のところ、山本氏1人だけなので、政治資金規正法の対象としての「政党」には該当しない。政治団体としては4月1日にすでに届け出済みだという。
(ハフポスト日本版
)
山本太郎はもともと「保守ど真ん中」を自称しており、山本とつるむ三宅洋平は右翼民族主義色を鮮明に打ち出している。
その山本の政党名が新元号名、つまりラ行で始まるのだが、日本固有の言葉(やまとことば)にはラ行で始まる言葉はない。
これも知られてほしい。日本固有の大和言葉にラ行音で始まる言葉がないというのは日本語学の常識だが、「令和」はラ行音で始まっているところが新しい。
— 李琴峰|『独り舞』発売中 (@Li_Kotomi) April 1, 2019
つまり語義の面においても、音韻の面においても、この新元号は中国の影響なしには語れない。そこは素直に認めるべし。 https://t.co/OkXzrvKuA8
ラ行で始まる元号は過去3つしかなかった。もっとも古いのは奈良時代の「霊亀」(れいき)だが、霊亀は中国の神話に出てくる霊獣の名前だ。
そもそも奈良時代にはラ行で始まる音は日本人には発音できなかったとも言われているらしい。そんな時代に中国かぶれをひけらかすように、わざわざ普通の人には発音できない元号が選ばれたのだろう。もちろん当時の日本国民の大多数は元号なんか使わなかったし、そもそも元号を知りもしなかったに違いない。
残る「ラ行で始まる元号」の2つのうち1つは、現天皇家の祖先なのになぜか皇国史観では正統とは認められていない北朝の元号「暦応」(りゃくおう、れきおう)だし、その1世紀前に用いられた「暦仁」(りゃくにん)は、日本史上最短で廃された元号として知られているそうだ。しかも廃された理由が悪い。
最も使用期間が短かかった元号は
31. 日本の元号のなかで最も使用期間が短かったのは、鎌倉時代、四条天皇在位中の「暦仁(りゃくにん)」だ
32. 1238年12月30日、天変による改元で「暦仁」となったが、わずか〈2カ月と14日〉で「延応」に改元された
33. 鎌倉時代後期13世紀末に成立したとされる歴史書『百錬抄』によると、改元理由は「暦仁」の語呂の悪さ
34. 〈暦仁=りゃくにん=略人〉ということで、この世から人が略される(=死ぬ)という風評が発生したためだ
つまりラ行で始まる元号は、およそ日本的でない(ネトウヨたちの言うところの「反日的」?)なものだったり、「皇国史観」で正統と認められていなかったり、語呂が悪くて忌避されたものだったりする。語頭にラ行がくる、麗子だとか麗香だとか梨紗子だとか瑠麗(笑)だとかの名前は「洋風」だなあと昔から思っていたが、中国風ともいえるのかもしれない。一方、朝鮮(韓国)語は日本語と同じでもともとの言葉に語頭がラ行になる単語はなかった。だから李承晩はイスンマン、盧泰愚はノテウと発音される。また北海道に多い利尻、礼文、羅臼などラ行で始まる地名はすべてアイヌ語だ。つまり、日本語や朝鮮語と中国語やアイヌ語とでは言語の系統が異なるようだ。
このように、万葉集を典拠としながらあらゆる点で「日本的でない」新元号をわざわざ安倍晋三*1が選んだわけだが、その安倍に追随するかのように「れいわ新選組」などという名称の政治団体を立ち上げた山本太郎のセンスも全くいただけないと思う次第。
ところで参院選で山本太郎は自由党や国民民主党党とは統一名簿を作らないという理解で良いのかね。