4月7日、つまり今日、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県を対象とした非常事態宣言が発令されることになったと報じる夜のニュース番組で、遅い時間帯になって、イギリスのボリス・ジョンソン首相の新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎が重症化して集中治療室(ICU)に入ったことが報じられた。この疫病の感染力の強さとともに、重症化した場合の恐ろしさを改めて印象づけた。
その少し前の時間に、東京都のCOVID-19感染状況のサイトがようやく更新されたが、それに示された検査数及び検査実施人数の数字も、ある重大なことを示唆していた。
4月2日からの検査実施件数、検査実施人数、陽性患者数の数値を以下に示す。
4/2(木) 検査実施件数 482、検査実施人数 469、陽性患者数 97
4/3(金) 検査実施件数 557、検査実施人数 551、陽性患者数 89
4/4(土) 検査実施件数 79、検査実施人数 65、陽性患者数 117
4/5(日) 検査実施件数 63、検査実施人数 62、陽性患者数 143
4/2-4/5計 検査実施件数 1181、検査実施人数 1147、陽性患者数 446
4日と5日の土日は検査実施人数よりも陽性患者数の方が多い。これが意味することは明白で、週末の2日と3日に都は検査数を増やしているが、その結果がすぐ出てこないで集計が土日にずれ込んでいることだ。つまり設備か人員か、またはその両方かのキャパが足りていない。それとともに、先週末は発表された数字以上に、東京都内での患者数が急増していたということだ。
もはや毎日の陽性率を計算しても意味をなさないが、4日間の合計値から陽性率を計算すると39%であって、これは非常な高率だ。東京都の累計でも陽性率は実に23.0%に達した。非常に危険な状態が続いている。
安倍晋三は昨夜、PCR検査体制を倍増させて1日2万件にすると言ったらしいが、遅きに失しているし、今までも増やす増やすと言いながら全然増えていなかった。それに現在1日1万件の体制だという割には、日本の人口の約7%を占める東京都の検査で、日に500件ほどの検査をやろうとすると結果が出るのが遅れてしまうことを、上記東京都のデータは示している。検査数を抑えるという日本政府のこれまでのやり方は、少なくとも東京都に関しては破綻したといえる。安倍政権のCOVID-19対応は、ことごとく後手後手になっている。唯一早めに決断したといえる一斉休校も、その後当初のシナリオに沿って緩めてしまったので「早すぎた一斉休校」になってしまった。あれは今井尚哉の発案に安倍が飛びついたというプロセスが最悪だったので、緩めた時に馬脚を現してしまったのだ。
下記のようなツイートが発信されるのも致し方ないだろう。
『感染を上手く抑え込んでいる』
— 鷺尾 烏 (@butsubutsu) 2020年4月6日
『世界的にも成功している』
はずなのに、どうしてわざわざこの時期に検査数を増やすのかも問い正してもらいたいですよね。
それこそ「徒に労力を割く」だけのはずなんですが…。
そして、こんな時期に政局遊びにかまけて国会内で「集会」を開いたという山尾志桜里、玉木雄一郎、山本太郎らの政治家たちも、下記のように批判されても仕方なかろう。
2、3日前から、医療関係の人のツイートが劇的に深刻になりましたよね。あれは現場の実態を反映していた。現場を知る国会議員や地方議員は理解していたはず。
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年4月6日
そんな時に無関係な集会を平気でやれたのは現場みてないからですよ。とんなにツイートで偉そうなこと書こうが、そんな政治家だれが信用するか https://t.co/HmN6asXRVf