kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都内での4/16-22のPCR検査陽性率推算値が「14.58%」とされる理由

 昨日(4/23)公開した下記記事にコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 通りすがりの者

下記のサイトでは検査人数が出ています。ご参考にしていただければ幸いです。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
このサイトのデータを用いて先々週、先週、今週の検査人数、新規感染者数、陽性率を計算すると下記のようになります。
4/6-12 1854人 1040人 56%
4/13-19 2066人 1015人 49%
4/20-26 1635人 491人 30%

今週はまだ3日残しているものの陽性率は減少傾向です。しかし依然として高い比率であり、多少の自粛の効果はあったかもしれませんが、それ以外の要因、例えば、検査が少なすぎてクラスタを追いきれなくなっている、といったこともあるのではないかと思います。

 

 ご紹介の東洋経済オンラインのサイトにアクセスしてみました。

 

toyokeizai.net

 

 しかし、上記サイトの「東京都のPCR検査実施人数」にある「もっと読む」をクリックすると、下記の文章が現れます。

 

東京都の検査実施人数には医療機関による保険適用での検査人数は含まれていない。

 

 この文言が、東京都におけるPCR検査の陽性率をわかりにくくさせているのです。

 上記東洋経済のサイトに表示されている「累計」は9362人(4月24日 12:00時点)、一方の東京都の下記サイトに表示されている「検査実施人数」の累計は9827人(4/23までの累計)ですが、こちらにも「医療機関による保険適用で行った検査は含まれていない」と書かれています。

 

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

 ところが、上記東京都のサイトの「検査実施件数」にある「テーブルの表示」をクリックして4月16日から22日までに東京都内で行われたPCR検査を参照すると、そこには4月22日の分までは「医療機関による保険適用で行った検査」の数が加算されたデータが示されていて、それを加算される前のデータ(現在では見ることができませんが、これを計算するために控えておいたもの。弊ブログ記事の昨日の記事に数値を明記しました)と突き合わせると、東京都内での検査のうち3分の2近い64.4%は医療機関が行ったものであることがわかります。

 当然、同じくらいの比率で都のサイトや東洋経済オンラインのサイトには反映されていない「医療機関による保険適用のPCR検査」を受けた人がいるはずで、陽性率を計算するにはその数が必要なのです。

 しかし、それはなぜか公表されていません。

 だから推算による補正を行うしかないわけです。

 下記サイトではその補正が行われ、4/22の東京都での「週間陽性率」を14.58%としています。私が昨日の公開した記事で都のデータをもとに見積もった週間陽性率14.4%は、やはりそんなに大きく外してはいなかったようです。

 

datastudio.google.com

 

 上記サイトのグラフには、陽性率が緩やかに低下していくカーブが示されており、私は「ああ、検査数を増やせば陽性率が下がるという当たり前の現象がやっと確認できるようになったか」と思ったのでした。繰り返しますが、これはあまりにも当たり前の現象ですが、今まではその当たり前のことさえ確認できない、「視界ゼロ」と言いたくなるほどの惨状を呈していたわけです。

 この推算を行う際、上記サイトでは検査数に0.845を掛けた数字を検査実施人数と見積もっています。同じ人が2回以上の検査を受けることがあるからです。

 本当は、都がきっちり医療機関による検査実施人数を把握して、都のサイトに迅速に反映できるようになっていてしかるべきだと私は思いますが、現状はそうなっていません。

 以上の説明でおわかりいただけましたでしょうか。