kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

昨年は新年度早々、今年は新年早々発出される「緊急事態宣言」

 昨年2月末に前首相・安倍晋三が「一斉休校」を決めた時、私はこれに反対して安倍を強く批判したが、その意見を変えたのは、同3月にワシントン・ポストのサイトに載った、仕切りを設けたり外したりすることによる感染の抑止や拡大をシミュレーションした動画を見た時だった。箱の中の玉同士が衝突する時に感染が拡大するというもので、玉と玉との接触を抑えると感染を減らせるというものだった。

 だから、昨年3月のコロナ特措法改正の頃には、これに賛成とも反対とも立場を明確にしなかった。出されるであろう緊急事態宣言の効果を見て判断しようと思ったのだ。当時、反安倍政権の人たちの間では、特措法改正反対を叫んだ山本太郎や、賛成した立憲民主党から造反して離党した山尾志桜里(この二人は当時「山山コンビ」と呼ばれた)、それにやはり賛成した社民党から党首自らが造反して採決を欠席した福島瑞穂らが称賛されたが(たとえば「造反者に拍手を!」などと呼び掛けられた)、私はそれに与しなかった。ただ、民主党政権時代に制定・施行された法律がそのまま使えるのにそうしなかったことを批判するにとどめた。

 結局、西浦博(当時北海道大教授、現京大教授)が理論的バックボーンとなった「人と人との接触を8割削減する」緊急事態宣言は結果を出し、新規陽性者数は激減した。この結果を見て、やはり人と人との接触を止めることが一番効果があることが示された。もちろん検査の拡充も必要だが、それよりも人と人との接触機会を減らすことが一番効くのだ。しかし、宣言の解除が早すぎ、さらにその後に「GoToキャンペーン」を強引に始めたことなどにより、昨年10月以降の感染の急拡大を招いた。

 今また、西浦教授のシミュレーションが報じられている。

 

www3.nhk.or.jp

 

www.buzzfeed.com

 

 このシミュレーションは、厚生労働省が「非公開」としたものを、西浦教授が個人として公表したものだという。

 菅政権は、現在は制限を「限定的」にしようとしているが(菅は制限を飲食店にのみとどめたい意向のようだ)、感染の急拡大が止まらず、新規陽性者が一時的に減少傾向にあった大阪府でも再び急増する兆しが表れていることなどから、業種についても、また最初は首都圏一都三県にとどまるであろう自治体についても、対象がなし崩し的に拡大されるであろうことは目に見えている。そうなるくらいなら最初から範囲を拡大して宣言を発出すべきだと思うが、惰性力に逆らえない保守政権の政治にはそれができない。

 それどころか、大阪府知事の吉村洋文はこの期に及んで「医療の限界を超えない限り経済を回す意向」らしい(呆)。

 

 

 また、吉村洋文ほどの論外の厚顔無恥さとまではいえないかもしれないが、前述の山尾志桜里山本太郎福島瑞穂らは、9か月前の自分たちの行動について、何の総括もしていない。山尾などはすっかり頬被りして、玉木雄一郎ともども、自粛しない業者には厳罰を求めるつもりらしい。罰則には共産党が反対し、立憲民主党も慎重だというが、民民はこれらの野党よりも自民党によほど立場が近いらしい。下記は玉木のツイート。

 

 

 玉木雄一郎とはこういう人間だ。

 

 また、昨年春のコロナ特措法改正に反対の雄叫びを挙げ、「造反者に拍手を!」と叫んだ人たちも、何の総括もしていない。前記の経緯があった分だけ、彼らの主張に一定のためらいのような歯切れの悪さを感じてしまうのは私だけだろうか。

 もちろん、私も最初は間違えた。そのことは認めなければならない。

 昨年の緊急事態宣言は4月7日に発表され、翌8日から施行された。「新年度早々」だった。

 今年は1月7日に発表され、翌8日から施行されるのだろう。「新年早々」である。

 この9か月間はいったい何だったのか。9か月というと、人生を75年とするとちょうど100分の1(1%)にあたる長い期間だ。その間、何も進歩しなかったということなのか。

 空しさを感じる。