本質的にはノンポリながら、2013年に明仁前天皇に「直訴」したり、その直後に東京スポーツのインタビュー記事で「保守ど真ん中」を自称するなどした山本太郎が、いま大きく「右」に舵を切ろうとしているかに見える。下記はTBSニュースへのリンク。
以下引用する。
【独自】国民・山尾氏とれいわ・山本代表が会談
野党合流構想に参加しない意向を表明している国民民主党の山尾志桜里衆議院議員が、れいわ新選組の山本太郎代表らと19日夜、会談していたことがJNNの取材で分かりました。国民民主党の玉木代表も当初、参加予定だったということです。関係者によりますと、会談には山尾氏、山本氏のほかに、高井崇志衆議院議員、立憲民主党の須藤元気参議院議員が参加しました。これに国民民主党の玉木代表も加わる予定でしたが、関係者は「玉木氏は出席しなかった」と説明しています。会合では山本氏らが主張している消費税の減税などが話題になり、今後も情報交換を進めていくことになったということです。
今回の会合は、立憲民主党との合流に参加しない玉木氏と山尾氏が、近く立ち上げる新党に山本氏らの参加を呼びかける思惑があったものとみられ、今後、協力関係の強化につながるかが注目されます。
(TBSニュース 2020年8月20日 14時19分)
玉木雄一郎、山尾志桜里、山本太郎の3人が3人とも「俺が、俺が」「私が、私が」の人間だから、そんな政党がまとまるとは到底思われないのだが、さらに性質が悪いことに、玉木は維新との連携にも意欲満々だ。
だから、下記「広島瀬戸内新聞ニュース」のような当然の懸念が出てくる。
以下引用する。
既存労働組合への苛立ちの勢い余って、これまで脱原発や若者の貧困問題などで頑張ってきた政治家が、国民民主党残留派?を介して思想が正反対のはずの大阪維新や場合によっては現都知事と組むような事態を危惧している。
具体的には山本太郎の名前を挙げたい。
戦前の労働者の味方のはずの社会大衆党が陸軍統制派と組んだようなことになれば大変だ。
他方で既存労働組合や市民連合、市民連合系野党も工夫改善の余地が大いにあるとおもう。
特に立憲民主党陣営内には方や新自由主義的な考え(野田佳彦さんらが典型)から、方や井手英策先生のようにスウェーデン型社会を目指す考えから、民主党が決めて安倍政権が実施した消費税増税に肯定的な人も多い。
ただ、現代日本では、既に年収100万円台の人の方が社会保険も含めたら大金持ちより負担率が重い実態もある。電通や竹中センセの企業などによる中抜きもひどい。今の日本の消費税自体が悪税である。そうしたことに向き合わないで消費税をもとに戻すのに否定的なので、新選組支持の若手らの立憲や連合不信があるのも事実だ。
あとは小選挙区廃止しないとどうにもならないと思うが別の機会に譲る。
(「広島瀬戸内新聞ニュース」2020年8月21日)
山本太郎と彼の元号新選組の「社会大衆党化」への懸念は、弊ブログにもしばしば書いてきた。それが現実化しかねない状況といえる。
しかし、上記は山本太郎支持派からの数少ない諌言にとどまっている。
旧オザシン界隈は、小沢一郎とその一派の立憲民主党への合流に賛成する意見が多数だが、一部、私が「オザシン系ヤマシン界隈」と呼んでいる人たちは、基本的に玉木雄一郎に肯定的だ。彼らは最近の一時期、山本太郎が東京都知事選で迷走していた頃には「太郎ちゃんは小沢さんのもとに戻って学び直した方が良い」と言っていたにもかかわらず、小沢が立民への合流を決めるともうそんなことは言わなくなり、玉木支持へと傾斜しつつある。
私には、彼らが官邸*1や自民党、あるいは維新の術中にはまっているようにしか見えない。オザシンやヤマシンたちの政局音痴ぶりは以前からひどかったが、最近はますます壊れっぷりに拍車がかかってきたようだ。彼らこそ山本太郎の「社会大衆党化」を後押しする「戦犯」といえる。