もはや先進国に数え入れることができなくなった日本の新型コロナウイルス感染症の把握状況だが、とりわけ検査がお粗末で、たとえば東京都の新規陽性者に占める変異株の割合など、いっこうにはっきりしない。下記NHKの兵庫県についての報道などで、変異株の比率が急速に増加していることを断片的に知ることができる程度だ。
兵庫県 陽性者の8割がイギリスの変異ウイルス 県独自の検査で
2021年4月1日 18時24分
兵庫県が独自に行っている新型コロナウイルスの変異ウイルスの検査で、直近の1週間で検査した70人の検体のうち、80%がイギリスで広がる変異ウイルスだったことがわかりました。井戸知事は、変異ウイルスの拡大が患者の急増につながっているという見方を示しました。
兵庫県は、変異した新型コロナウイルスの感染状況を探るため、県内の地方衛生研究所で独自の検査を行っていて、直近の検査結果を公表しました。
それによりますと、3月21日までの1週間で、検査した陽性者70人の検体のうち、56人、率にして80%がイギリスで広がる変異ウイルスだったということです。
その前の14日までの1週間は52.6%だったため、県は変異ウイルスの割合が急増しているとしています。
井戸知事は記者会見で「変異株が通常株に置き換わりつつある。拡大が先行しているのが関西なのかもしれない。また、家庭内の濃厚接触者がほとんど陽性になっているのは、変異株のうつりやすさから来ているのではないか」と述べて、変異ウイルスの拡大が患者の急増につながっているという見方を示しました。
(NHKニュースより)
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210401/k10012950921000.html
兵庫県も全検体の一部しか変異種の検査はやっていないが、神戸市を含めて積極的に情報を発信しているから変異株の感染例が急増していることがわかる。一方、東京都は知事の小池百合子が「東京都ではPCR検査を民間に委託しているから」と言い訳して検査数が少ないことを正当化し、マスメディアも小池を批判しない。また、版政権の論者たちの多くも、小池がしばしば菅義偉らと衝突するために「敵の敵は味方」とでも思っているのか、小池に対する批判を手控える傾向が強い。彼らは「希望の党」騒動を忘れてしまったのだろうか。
この国のどこをとっても希望など見出せないと思う今日この頃。