kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民民の支持層に占める保守・極右層の比率は約45%で、コア層の約17%を圧倒している。また新選組の支持層に占める保守・極右層の比率は約35%で、コア層の約30%より多い。現在の民民及び新選組支持層の性格は、昨年秋の衆院選以前とは様相を異にしている

 三春充希氏が、巷間言われている説に反して、日本共産党から山本新選組への票の流出は起きていないという主旨のXをポストした。

 

 

 リンク先は有料記事だと思う。私は読めるが、有料箇所を引用するわけにはいかない。しかし有料部分を引用したXを三春氏がリポストしたものは、著者が公認したとみて良いだろう。それを下記にリンクする。

 

 

 埋め込みリンクは途中で切れているので、以下に全文を引用する。

 

れいわはむしろ、自民と維新の票を取り込んでいるのです。このことは、昨年の兵庫県知事選のNHK出口調査で、れいわ支持層の大半が斎藤元彦氏に投票している傾向が見られたこととも無関係ではないと思います。こうしたことは、れいわにとっては次期参院選の選挙区などで、支持層の票をまとめるのがかなり大変であることを暗示しているかもしれません。= ポジティブに捉えて拡大したいところですね。

 

URL: https://x.com/akikofukumoto4/status/1915369613078257891

 

 上記引用部のうち、赤字ボールドを含む部分が三春氏のもとの文章で、青字ボールドはポスト主の意見だ。

 新選組はもともと、元号と「新選組」という、19世紀の2つの流れを党名に冠した政党だし、何より党首の山本太郎自身が「保守ど真ん中」を自認する人だから、保守にも極右にも広く門戸を開いた政党だ。ただ、歴史的経緯によって支持層に左翼や極左が多いだけの話だ。それは、自民や自民にすり寄ってきた維新の支持層が大きく揺らいでいる昨今、自民や維新からの票の流入が多くても不思議はない。

 なお、三春氏が論拠にする「明推協の意識調査」については下記リンクを参照されたい。

 

 2021年と2024年の衆院選における比例代表の投票先については、資料の50頁に一覧表がある。

 2021年に新選組に投票した回答者は22人で、うち77.3%、つまり17人は今回も新選組に投票していた。他党に流出したは5人で、立民、民民、参政、日本保守に1人ずつ流れ、残る1人は不明または未回答である。

 流入のほうは表の構成のために計算がやや面倒だが*1、2021年に共産党に投票していたのに2024年には新選組に投票したのは、2021年に共産党に投票した47人のうち1人だけ(2.1%)だった。それに対して、前回維新に投票した146人中10人(6.8%)が新選組に投票した。後者は馬鹿にならない数である。

 自民党からは458人中10人、立民からは185人中3人、民民からは35人中ゼロ、公明からは76人中2人、社民からは9人中ゼロ、N党からは11人中1人、白票投票者から1人、棄権者から1人、選挙権がなかった人たちから2人、未回答・不明から10人がそれぞれ新選組流入した。従って、2024年に新選組に投票した回答者の合計は58人である。前回の22人から3倍近くに増えているが、これは選挙結果と整合している。

 そして58人中の生え抜きは17人(29.3%)に過ぎないが、これは投票者が3倍近くに増えた以上当然だ。それに対して自民党と維新からの移籍組がそれぞれ17.2%を占める。これは合計するとコア層より多い。しかも他にN党からの流入者1人もいる。

 こう見ると、党の性質も変わって当然ということになる。

 実はもっと興味深いのが民民だ。2021年に民民に投票したと答えたのは35人。それが今回はどうだったか。コア層の歩留まりは71.4%の25人。存外低い。

 他党からは、自民43人、立民13人、維新20人、公明2人、新選組1人、共産4人、N党5人、白票5人、棄権者8人、選挙権なし2人、不明・無回答23人の流入があった。

 合計152人(前回比4.3倍)でコア層の比率は16.6%。それに対して自民、維新、N党の保守及び極右層は実に45.0%を占める。これによって支持層の構成が大きく変わった。いち早くそれを看てとって「転向」したのが井戸まさえだった。井戸とは本当にとんでもないやつだ。私は裏切り者には極めて厳しいのである。平気で掌を返す。

 なお、N党から民民への流入が5人もいるが、これは不思議でもなんでもない。たとえば江東区議の二瓶文隆は、2021年の衆院選より前にN党(N国)から民民へと移籍していた。民民は以前から右側の支持層及び構成員獲得に熱心だったということだ。

 そうした努力が実を結んだのが昨年秋の衆院選だった。

 まとめ。民民の支持層に占める保守・極右層の比率は約45%で、コア層の約17%を圧倒している。また新選組の支持層に占める保守・極右層の比率は約35%で、コア層の約30%より多い。

 現在の民民及び新選組の性格は、昨年秋の衆院選以前とは様相を異にしているということだ。

 なお、共産党についての私の感想は、やはり三春氏がリポストした下記のX群とほぼ同じである。

 

 

 

 個人的には、「マズい」という表記はやめてくれ、「まずい」というひらがな表記にしてほしいと思う。本当に勝手な個人的事情によるが。

 

 

 「自力の後退」は、「地力の後退*2」のtypoだろう。

 

 

 

 そう、そういうことだ。

 要するに岩盤支持層、すなわちコア層が溶出し始めているのだ。

*1:政党の数だけ計算しなければならないが、計算自体は小学生でも簡単にできる。

*2:「後退」よりも「喪失」の方がより適切な言葉だと思うが。