kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

菅義偉、衆院選に出馬せず引退へ

 菅義偉衆院選に出馬せず引退するという。選挙区は神奈川2区。

 功績より害悪の方が多い政治家だったが、たいへんな辣腕家ではあった。

 弊ブログは菅直人を「前菅」または「普通の菅」、菅義偉を「後菅」または「小菅」と呼んだりしたが、残念ながら義偉の小菅行きは実現しなかった。

 「前菅」の方は前回、2024年の衆院選で引退したが、最近認知症の罹患が明らかにされた。「後菅」の方も最近は体調があまり良くなさそうだったから引退のタイミングとしては妥当だろう、というよりもはや国会議員を続けられる体力が残っていないのではないかと思われる。

 ところで安倍晋三の政権を長年支えた菅義偉の引退をネトウヨが惜しんでいるかといえばさにあらず。

 菅の引退を報じる神奈川新聞の記事についたヤフコメを見ていると、小泉進次郎の後ろ盾になり、維新とも公明ともパイプを持っていた菅をdisるコメントの方が、菅の引退を惜しむコメントよりも目立っていた。

 そういえば、立公合流新党が自民党議員の一部にも参加を呼びかけたとのことで、それを受けて彼らネトウヨは、石破茂岩屋毅も「チュードー」に行け、と囃し立てていた。

 それを見て、ああ、自民党政権ももう長くないなと思った。

 「チュードー」も、机上の計算からいえば陣営を引き締めて候補者を多数出せば十分政権交代が狙えるはずなのに、衆院選の候補者擁立を衆院の定数にも満たない「200」という立民単独での目標と同じ数字を野田佳彦が掲げるありさまだ。公明党が合流した上に他党にも参加を呼びかけているはずなのになぜ「200」のままなのか、野田は政権交代を狙うつもりがないのか、などなど、相変わらずの野田の政局勘の悪さには呆れるばかりだ。

 考えてみると、立民と公明の合流も「選挙互助会」かもしれない、というよりその通りだろうが、自民と維新の連立もまた、党勢の下落が進みつつある政党同士の組み合わせだ。ただ総理大臣の高市の人気だけはやたらに高いが、それだけで選挙が勝てるかといえばそうはいかない。

 なにしろ自民は公明票の「下駄」を失ってしまった。公明支持層の中には、前回投票した自民党候補に入れようという人もいるかもしれないが、選挙のたびの開票速報の時に紹介される出口調査の結果などを見ると、党の指示に従う支持者が圧倒的に多い。

 その上、過去の選挙を振り返ると、自民党公明票の下駄を履いていた時期においてさえ、総理大臣の人気だけで選挙に勝てるというわけではなかった。

 たとえば高市が比例復活もできずに落選した2003年の衆院選では、今の高市と同じくらい人気が高かった小泉純一郎が、幹事長に売り出し中の若手人気政治家だった安倍晋三を抜擢して、満を持して臨んだ選挙だったが、自民党議席を減らした(高市の落選は自民党の苦戦を象徴していた)。自民党は12議席減らし、民主党が177議席を獲得して躍進した。私はこの選挙ではどういうわけか日テレ系の開票速報を見ていたが、番組の最初に表示された民主党の予想獲得議席が200議席を超えていたのでつい見入ってしまった。その途中に高市の落選を知って祝杯をあげたとはもう何回も書いた。選挙結果は翌日開票分の東京、神奈川などで自民党が予想外に強かったため、自民と民主の議席差はそれなりについた。しかし自民党が思わぬ苦戦になったことは確かだ。

 それは、選挙の争点がはっきりしなかったからだ。

 「衆院選 2003 争点」でググったら、AIが下記の答えを返してきた。

 

 

 2年後の「郵政総選挙」の時と同じく、「小泉改革郵政民営化」が争点に挙げられてはいた。だがそれだけでは自民党は勝てなかった。

 2005年の郵政総選挙で自民党が圧勝したのは、党内に「抵抗勢力」を設定し、彼らを公認しないことで「自民党公認候補 vs. 公認漏れの抵抗勢力」の対立構造を作り上げ、野党を蚊帳の外に置いたことが勝因だった。

 高市も、もし石破や岸田文雄ら、党内の「伝統保守」系の議員たちとの対立構図を作って解散総選挙を行うなら、たいへんな脅威になるかもしれないと私は思っていた。

 しかし高市はそれをやらなかった。

 今回のいきなりの通常国会冒頭解散(たぶん高市はそれを実行するだろう)も、それをやるからには自民党公明票を確保する目処が立ったに違いないと思って大いに緊張したが、その直後に飛び出したのはその真逆ともいうべき「チュードー」政党の設立だった。

 こんな展開は予想できるものではない。自らの内閣の高支持率に酔い痴れたナルシスティックな総理大臣が、「自民党調査でも260議席以上の数字が出ていたことだし、そんなに人気の高い私が今解散をやったら絶対に勝てる」と思い込み、独断で常識破りの通常国会冒頭解散を決めたことが明らかになりつつある。

 そしてそんな高市を応援するネトウヨも、「石破や岩屋は『チュードー』に引き取ってもらえ」と言ったり、菅義偉の引退を笑いものにしたりしている。

 攻める側も守る側も両方ともあまりにもダメダメなので、衆院選の結果がどうなるかは全くわからないが、日本の政治状況の混乱が延々と続くことはほぼ間違いない。