kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

アンチGの血がうずく

私がナベツネに強い興味を持っている理由の一つは、かつて大のアンチ巨人ファンだったことだ。金の力で膨れあがっていった長嶋監督時代の巨人が、私は大嫌いだった。10年前の「メイクドラマ」では、巨人は広島カープにつけられた11.5ゲーム差を逆転して優勝したが、私にとっては悪夢以外のなにものでもなかった。そして、この年を境にして、広島は優勝争いができなくなった。その後、2001年までは横浜やヤクルトがしばしば優勝していたが、2002年に星野仙一阪神の監督に就任した以後は、セ・リーグの優勝は、資金力のある巨人、阪神、中日の三球団に限られるようになってしまった。私はこの状態を好んでいない(今年優勝の中日は、親会社の中日新聞安倍晋三の著書名をさかさ読みした「憎いし苦痛」という傑作コピーを作ったから、辛うじて許してやろうと思っているw)。前にも書いたように、「ニートの差(2位との差 byきっこさん)よりAB間格差(上位の中日、阪神と下位球団とのゲーム差及び戦力差)のほうがずっと問題」だと思っている。
もっとも、資金力のある三球団のうち、巨人は昨年、今年と低迷していて、これ自体は私にとって好ましいことだし、巨人が弱いから、スポーツニュースにイライラすることもなかった。何より今年はAbEnd活動に夢中で、野球なんかどうでも良いと思える日々がずっと続いていた。
しかし、「週刊現代」10月21日号に載った「長嶋茂雄へのマル秘報告書『Gファイル』開封」という記事は、眠っていたアンチGの血をうずかせるに十分なものだった。これは、今日発売の武田頼政著「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」(文藝春秋社)を取り上げたもので、講談社がライバル文春の本を宣伝しているに等しい、異例の記事だ。
長嶋巨人の「メイクドラマ」の陰には、巨人内部の諜報チームによる情報収集と管理があったそうだが、その内幕が暴露されたのである。そこには、長嶋監督が報復死球を指示していたことや、桑田に「ヤクルトのスパイ」との嫌疑がかかっていたこと、それに、巨人が清原を獲得した際、野球協約で禁じられているタンパリング(事前交渉)を、長嶋自らが行っていたことなどが暴露されている。果ては、長嶋夫妻の心が通い合っていないことまで暴いていて、ここまでくると行き過ぎかとも思うが、マスコミによって虚像が捏造されていた長嶋茂雄の実像を、あますところなく暴露した本であるようだ。早速買いに行かなくては。でも本家とこっちのどちらでレビューしたものか、迷うところだ。
なお、長嶋が報復死球を指示していた試合は、1995年9月2日の巨人−広島戦だそうだが、その前年の1994年、神宮球場で行われて醜い死球合戦となったヤクルト−巨人戦で、長嶋が「目には目を」と発言したことを、私は忘れていない。現役時代の長嶋はもちろん認めるが、長嶋茂雄ほど嫌いなプロ野球の監督はいなかったことを、ここに告白しておく。