kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

頭痛がする朝日と読売のコイズミ惜別社説

思わず、「これはひどい」という「はてブコメント」のタグをつけたくなった。
何がって、今朝の朝日新聞と読売新聞のコイズミ惜別社説である。

まず朝日。
http://www.asahi.com/paper/editorial20080927.html#Edit1

「小泉氏引退―あの熱狂はすでに遠く」と題された社説は、是々非々の文章にはなっているが、

 バブル崩壊後の日本の長い低迷と、それに有効な手の打てない自民党政権に、人々はうんでいた。そんな時代の空気をつかみ、政治のありようを一変させた規格外れの政治家、それが小泉氏だった。

とか、

 だが、小泉改革が残した課題や、やり残した問題は、次に控える麻生自民党小沢民主党の政権をかけた戦いにそのまま引き継がれる。

 それにしても、小泉氏の引退表明は多くの有権者を驚かせ、関心を引きつけた。それは、小泉政権が世の中にもたらしたあの興奮の記憶がまだ鮮やかだからだろう。再び永田町の表舞台に上ると思っていた人もいたのではあるまいか。

などという書き方は、朝日が「小泉改革」をいまだに肯定的にとらえていることがにじみ出ているものだ。ネオリベ新聞・朝日の真骨頂といえる。

一方の読売はこちら。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080926-OYT1T00774.htm

 民営化を拒む候補に「刺客」を立てる郵政選挙で、「小泉劇場」はピークに達した。このポピュリズム大衆迎合)的政治手法は、政治をエンターテインメント化するなどの弊害をもたらした。

 経済政策でみられた「市場万能主義」は、拝金主義の風潮を生んだ。社会保障制度や消費税率引き上げなどの税制の抜本改革は手つかずのままで、後継政権に重くのしかかっている。

など、コイズミの政治手法は批判しながらも、「社会保障制度や消費税率引き上げなどの税制の抜本改革は手つかず」とは、もっと社会保障を削減し、消費税率を引き上げろと言っているのだ。つまり、読売もまた「カイカク」そのものを否定しているわけではなく、むしろ「もっと過激にやれ」ということだ。

しかも、

 一方、イラクへの陸上自衛隊派遣は、歴史的な政治決断だった。国連平和維持活動(PKO)以外では初めての陸自の海外派遣は、日本の国際平和協力活動に新たな地平を切り開いた。高く評価されるべきだろう。

などと、安全保障政策のタカ派面も高く評価している。ネオリベにしてネオコンの読売の真骨頂だ。この社説で評価できるのは、上述のポピュリズム批判と、最後にちょっとだけ触れた靖国参拝批判だけである。朝日もひどいけど読売は「論外」の一語に尽きる。