kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍・橋下会談で「野党共闘にくさび」、大いに結構じゃん(笑)

手違いで、きまぐれな日々 当分の間「安倍晋三との『共生』」の苦痛を強いられるのか にお寄せいただいた「飛び入りの凡人」さんのコメント承認が遅れてしまったが、一理ある内容だったのでこちらで紹介する*1

民主・維新・みんな・未来の共闘ではネオリベ思想からは脱しないどころか、更なるネオリベ強化を打ち出してくる気がします。
以前にも「日本人はネオリベを嫌いながら、ネオリベを唱える勢力になびいてしまう」というようなことを書いた気がするのですが、簡単に人気を集める方法は「ムダの削減」「緊縮財政」「政治改革や行革」という、正論を言っているようで実は何も言っていない腐った手法なので、野党連合がこうした方向を目指すのは十分考えられることです。


要するに安倍のタカ派色を抑えていさえすれば、ネオリベ大連合勢力よりも自民・公明の方が安全な社会になるようにも思えます。
実際、安倍がタカ派色を打ち出せば今度は経済界が黙っていないでしょう。アジアとの経済交流は欠くことの出来ないもので、それを壊してでも思想右翼色を全面に打ち出した政策を取れるとは思えないためです。歴史認識にしても河野談話を完全否定はできずにこれを踏襲するか、あるいは玉虫色の表現に抑える気がします。


アベノミクスと呼ばれ、自公の経済浮揚政策が今は高く期待されています。株価も上がり円も相対的に安くなって自公政権に対する期待は相当なものです(私自身は過大評価な気もするのですが)。従って今の状況からすれば次の参院選も自公が負ける要素は見当たりません。
もし負けるとすれば、安倍が失態を演じた時でしょうが、それで替わる勢力はポピュリズムネオリベに毒された民主+第三勢力であることを思うと、「なぜ日本の政治構図はこんなになってしまったのか?」と絶望感しかわいてきません。

2013.01.10 00:16 飛び入りの凡人

安倍晋三には、第1次内閣時代に教育基本法改定や国民投票法成立などなど、右派にとっては意義の大きな実績をあげており、経済界は改憲に前のめりになった安倍を抑えることはできなかった。総理大臣の権力は、一般に思われているよりもかなり強いものだと私は認識しているので、「要するに安倍のタカ派色を抑えていさえすれば、ネオリベ大連合勢力よりも自民・公明の方が安全な社会になる」とまでは思わない。もてはやされている安倍の経済政策にしても、反緊縮は良いとしても、人口が減っている現状、使い道が公共事業中心で良いかは大いに疑問だ。トリクルダウン理論には私は断固反対で、もっと意図的に格差縮小を図る政策をとらなければ日本の未来はないと思う。日本経済縮小の最大の要因は人口減少だが、それは中間層がやせ細って安心して子供が産めない社会になってしまったからだ。人口が着実に増加していた高度成長期の政策を現在に適用するのはどう考えても間違っている。

しかし、「民主・維新・みんな・生活*2の共闘」とやらが、新自由主義色の強いろくでもないものであるとの認識に関しては、「飛び入りの凡人」さんに同意する。安倍政権に代わるものが「民主・維新・みんな・生活の共闘」であっては、経済政策は要するに小泉の構造改革路線だろうし、憲法・外交・安全保障に関してもこの「共闘」の諸党は決してハト派ではない。維新は言わずもがなだが、たとえば生活の党の森裕子代表も、河野談話の見直しを求める歴史修正主義者である。そして、野党・自民党が右からさらなる圧力をかけることも、民主党政権時代にさんざん経験してきたことだ。だから、現状では再度安倍晋三に「政権投げ出し」をやってもらって福田康夫に相当するような首相に代わってもらうあたりに一縷の望みを託すしかないかもしれない。

上記の意味で、一部で騒がれている安倍晋三橋下徹の会談で、安倍が「野党共闘にくさびを打ち込」んでもらって大いに結構だと思う。安倍晋三が総理大臣になってまでも大阪に「橋下詣で」に出向くのは、それだけ橋下を恐れていることを意味し、安倍は橋下の台頭を抑えて、あわよくば自らの配下に組み込みたいし、橋下は天下獲りを狙っている。会談は、そんな権力者同士の駆け引きであって、「右翼同士気が合うから二人は組むだろう」などというのはあまりにも浅い考え方だ。ついでにいうと、石原慎太郎安倍晋三にとっても橋下徹にとっても邪魔な存在である。

こんな会談のゆくえに気を揉むなんて馬鹿げた話だとしか私には思われない。権力者同士の駆け引きなんか、下々がいくら気にしたって、結果に影響するはずがないからである。民主党細野豪志あたりはかなりやきもきしているようだが、そんなていたらくでは夏の参院選でも民主党の惨敗は確実だろう。

*1:http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1285.html#comment15959

*2:飛び入りの凡人さんのコメントには「未来」と書かれているが、「生活」の打ち間違いだと思う。