まだ開票の最中だが、今回の衆院選で顕著に見られる傾向は、ひとことでいえば「ネオリベの逆襲」だろう。自民も立民も共産も、もののみごとに維新につけこまれた。
自民党総裁選で河野太郎が安倍晋三と結託した岸田文雄に封じ込まれた時、河野が総理総裁になったら衆院選で自民が圧勝するに違いないから、それが回避されたのは不幸中の幸いだと思ったが、新自由主義イデオロギーは一部の人たちの間には根強く息づいていた。そのネオリベ勢力が、衆院選での維新躍進という最悪の形で復活しやがった。
自民も立民も「新自由主義からの脱却」を言い出し、あれほど維新にすり寄った民主右派の後身・民民も玉木雄一郎が積極財政になびくなどしたから、まともにネオリベイデオロギーを掲げる政党としては維新だけが残った形になり、それが小泉純一郎の頃からのネオリベイデオロギーを信奉し続ける人たちの票が維新に集中する結果になったのだろう。
弊ブログは、立民が共産との野党共闘路線を選んだために、同党支持層のうち経済右派的な人が離れ、それが前回の参院選の結果や今回の比例議席の情勢調査に見られる伸び悩みにつながったのだろうと分析したが、それに対して「維新が奪ったのは野党ではなく自民の票だろ」と不満を持つ人たちが少なくなかったようだ。
だが事実は、維新は自民の票も立民の票も奪った。それが選挙結果に示されつつある。NNNの出口調査によると、無党派層の投票先は、立憲・自民・維新にきれいに三分されたという。
【衆院選】NNN #出口調査 分析「#無党派層 の支持を集めたのは、立憲、自民、維新の順」
— 日テレ政治部 (@ntvseijibu) 2021年10月31日
立憲:23.6%
自民:21.2%
維新:18.9%
国民:8.9%
共産:7.1%
れ新:6.8%
公明:6.3%
社民:2.4%#私が選ぶ #私たちの一票 pic.twitter.com/2aV32HXUfD
今後はまたネオリベとの戦局に直面せざるを得ない。初めてネオリベに敵意を燃やしたのは1990年代後半だったからもう四半世紀も前のことだ。
新自由主義など、世界的には何周もの周回遅れになった古色蒼然たるイデオロギーだと思うが、そんなのとまだ対峙し、奴らを今度こそ本当に退治なければならないのかと思うと、本当にうんざりする。