kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「信念を貫く男」城内実の過去の行動

どういうわけか、左派ブログで城内実の「信念」を強調したがる人が多い。今回、大勢に逆らって城内批判に回ったあるブログのコメント欄では、国会で竹中平蔵を問い詰めた城内がいかに信念を貫く政治家であるかを力説し、管理人の変心を求めていたほか、「管理人は感情的になっている」という批判があり、さらに「フライングしてしまったことを城内に謝れ」などと管理人に要求するコメントがあった(最初のようなコメントは私のブログにはこないが、あとの2つに類するコメントは私もよくいただく)。自民党別働隊である平沼一派の一員にして、平沼赳夫安倍晋三以上の極右である城内実(城内は、平沼や安倍が骨を折った「教育基本法」の改定を、「教育勅語があれば十分で、教育基本法など不要」と言い捨てた)を信仰している一部左翼の倒錯ぶりには呆れるばかりである。

城内がどれほど「信念」に満ちた政治家であるかを示すブログ記事を以下に紹介する(以前にも一度紹介したことがある)。
郵政民営化と靖国参拝 - 一石二鳥と政界再編の解散総選挙 : 世に倦む日日

昨日の郵政民営化法案可決劇の報道で面白かったのは、『報道ステーション』で特集された城内実の造反茶番劇の一幕である。ご覧になった方も多いと思うが、コントを見ているようで爆笑してしまった。城内実森派所属の当選一回議員で、静岡七区選出の四○歳。採決の前に議場席で「どうしよう、どうしよう」と手を震わせ、机に顔を伏せたり上げたりして、迷い抜い抜いている様子を露に表現した。あまり目立つので、「迷っている若い議員がいるぞ、あれは誰だ」という話になり、テレビ朝日が撮ったのである。するとお誂え向きに親分の安倍晋三がノコノコやって来て、城内実を議場の後方に連れ出し、バカな真似はするんじゃないと釘を刺す場面まであった。結局、安倍晋三の説得の甲斐なく城内実は青票を投じ、採決後にはテレビ朝日のインタビューで「安倍政権実現のために粉骨砕身させていただきますと申し上げました」とシラッと言いのけた。若いのに芸達者な男である。古館伊知郎の話では、城内実の後援会の有力者が特定郵便局長会の大物なのだと言う。城内実にとっては最高の票決結果となった。

「信念を貫く男」は、「迷い抜い抜いている様子を露に表現した」のだった(笑)。
ところが、同じブログは翌日にはこう書いた。
野田聖子の一言 - 国民と政治家と利害代表についての雑感 : 世に倦む日日

前回の稿で触れた城内実の造反茶番劇はとんでもないヤラセ芝居だった。昨夜6日夜に放送されたNHKの『クローズアップ現代』にその全てが映し出されていたが、芝居は城内実の自作自演ではなく、実際には安倍晋三がシナリオを書いて、二人で二日間かけて熱演した政治ショーだった。人を馬鹿にした話だ。一昨日夜に『報道ステーション』でこの一件が紹介されたとき、私はてっきりテレビ朝日のカメラマンが議場で偶然に城内実の異様な姿を捉えてそれを撮影したのだと思っていたのだが、それはまるっきり嘘で、予め安倍晋三テレビ朝日他の全テレビ局に指示を出して城内実を撮らせていたものだった。初めから仕組まれた芝居だったのである。

(中略)

安倍晋三は日本のテレビ局を完全に支配している。何でもやり放題で、自分の見せたい映像を好きなときに好きなように作って視聴者に見せている。安倍晋三から電話が一本入れば、テレビ局の報道部長は喜んで尻尾を振って安倍晋三のためにカメラクルーを派遣して、ヤラセ政治のニュースクリップを撮影し、ニュース番組やワイドショーでそれを放送するのである。戦慄し驚愕する実態だが、これが現在の日本の政治の姿である。安倍晋三と日本のテレビ局との関係は、金正日朝鮮中央テレビの関係と変わらない。今回の茶番劇を企画制作した安倍晋三の目的は、直参である城内実の売り出しであり、党内にすでに自分の子分を持っているぞという権力者としてのデモンストレーションだったと言える。票読みは万全だから森派から一人くらいは造反者を出してもいいやという余裕のアピールの側面もあったかも知れない。造反者があと三名出ていれば安倍晋三のテレビ政治も大変な火傷になっていた。城内実は安倍直参として顔を売り、有名人の仲間入りを果たしたが、あざとく胡散臭い男だという印象も決定的なものにした。

周知のように、このブログの管理人には思い込みが強いところがあるが、上記2件の記事に示された推測はおおむね妥当だと思う。つまり、安倍晋三は側近の城内実を売り出そうとしていたのであり、当時の城内実はそんな安倍晋三の操り人形に過ぎなかったのである。安倍は、まさかコイズミが城内に刺客を送るなどとは想像もしていなかったに違いない。完全な安倍の読み違いであり、だから真面目な性格ではある安倍は、今でも城内に引け目を感じていて、いつか自民党に復党させたいと考えているに違いない。

平沼赳夫は、麻生首相から協力を要請された時、「自民党安倍晋三を総裁にすること」という条件をつけたというが、4年前のいきさつを思い出せば、平沼の意図も理解できる。