昨年末以来、なぜMMT(現代貨幣理論)が「減税真理教」にねじ曲げられてしまったのかという問題意識を持ってレバ子氏のXを閲覧しているが、それらはビュー数が200にも満たないものが多く、たとえば長谷川羽衣子のXより2桁少ないのは非常に残念なことだ。もっと広く注目されるに値する発信だと思う。
ドナルド・トランプも自分は現代貨幣論者であると宣言していたわけでもなく国債に頼る財政策はトランプも急進左翼も近いということは散々言われた事です。アメリカ共和党はそもそも財政規律派が多い「小さな政府」支持者の党ですが、トランプの党はそれこそ高度経済成長期に戻るなら財政支出も厭わない
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
それは「税は財源ではない」というMMTのテーゼによって、軍事増強や原発の新増設などの政府支出までをも正当化できてしまう弱点をMMTが持っているからだろう。本来のMMTでは前述のテーゼから
とランダル・レイの入門者の監訳者・島倉原が書いているというのに*1。
山本太郎が現代貨幣理論に熱心でしたが、彼は小沢一郎の傘下の時代はベーシックインカム論者でした。何故か本来なら前提が違うはずのBI論と現代貨幣理論を混ぜてとても飲めない代物になった。BI論も古典論として共同所有の概念があり、現代貨幣理論も完全雇用の政策だったはずです。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
路線を変えた。今までの認識を改めた。とせめて主張をすればいいのに、山本は整合性を取るためにBI論と現代貨幣理論を混ぜたものを輸入して使い始めた。当然官僚機構は唖然とします。だから公共の不信を煽ることしかできなくなる。それがいつのまにかウクライナバッシングにも加わる事になる。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
そう、山本太郎の非常に大きな罪の1つが「公共の不信を煽った」ことだ。その延長線上に玉木雄一郎がいる。玉木分派を生じさせた製造責任が山本にはあるというのが私の見解だ。
「ウクライナバッシング」の方は伊勢崎賢治の悪影響だろうけど。
そういう観点から言わせて見れば山本太郎や一部幹部は現代貨幣理論を公共攻撃の材料にしてしまったのは大いなる失敗です。彼らはその総括をする責任がありますが、多分できないでしょう。れいわ新選組という組織体は、分裂を恐れるでしょう。労働運動も組織が分裂すればするほど強度は弱体化する。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
確かに、とてもじゃないけど山本に総括なんかできないだろうな。
AOCが現代貨幣理論を採用した時、70%の累進課税も同時に訴えていたのに、それは採用せず「奨学金チャラ」だとか「消費税減税」ばかりをスローガンにしてしまった。アメリカでは教育格差が問題であり、大卒就職率も極めて悪くなっている状況です。そうした状況は日本でも一部同じ課題がある。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
山本は当初は富裕層増税も言っていたし、それは現在も引っ込めてないはずだけど、街宣等ではほとんど言わなくなって「消費税減税」や「消費税廃止」のワンイシューポリティクスにしたんだよね。その方が街宣やSNSでのウケが良かったからだろうけど。
右翼が都合よく富裕層や多国籍企業の減税に使われている現状、アメリカでは左派も政策全体を見直しているのに対し、日本の場合は現代貨幣理論の支流を輸入し、いまだにスローガンしか語らない点は山本太郎、朴勝俊は総括すべきです。中谷一馬も同じです。私は現代貨幣理論には懐疑的ですが原点に帰れ。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
中谷一馬は「直諌の会」のメンバーで、昨年秋の立民代表選で早い時期から野田佳彦擁立に奔走していた。江東区の高野勇斗区議もボスが蓮舫だから野田Gの人だと思うが「積極財政によるグリーンニューディール」を言っていたから元来のMMTの影響を受けているとみている。問題はそれを「減税真理教」に転化させるような誤りを犯すかどうかであって、そこを私はチェックしている。今のところ高野区議には特に問題点は認められないと思っている。中谷一馬はよく知らない。野田Gというのはある種鵺的な集団で、どういう社会を目指すのかがはっきりしないというか全くわからない。ボスの野田佳彦自身は平然と「維新は立民と全く同じになった」などと放言したりするから、私は野田を全く支持しない。ただ野田G内には前記の高野江東区議のような見るべき人もいることは昨年ようやくわかった。
山本太郎にしろ朴勝俊にしろ中谷一馬にしろ格差に対する想像力が少なすぎて、単純に公共への攻撃を優先しすぎている。ステファニー・ケルトン教授の最初の構想は、完全雇用を達成し、それが環境投資に繋がるものをという構想のもとに生まれたのがケルトン流現代貨幣理論だったはずです。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
中谷一馬や長谷川羽衣子の夫である朴勝俊はよく知らないけれども、山本太郎が「格差に対する想像力が少なすぎる」とは私も以前からずっと思っている。山本は芸能人としての自分の才能に自信を持ちすぎていて、「自分はほかの人たちとは違う」と思っているのがミエミエだ。だからあんなに独裁者然と振る舞えるし、党(組)の規約に平然と独裁条項を盛り込める。唯一の救いは党規約に分派禁止条項を盛り込まなかったことだ。
親の収入で行ける学校が違う、そして苦労して出た大学もかつてに比べて所得は減り続ける。そもそも親の仕事が賃金が減り続ける。貧困から脱却した成功者も代々富裕層も同じ勘違いをします。自分は努力してここまで成り上がった。だから格差に対して微温的になり、スローガンにしか使わない。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月31日
また元旦のレバ子氏のXで注目したのは、私が長年敵視し続けてきた、あの「城内実」の名前が出てきたことだった。このブログに城内の名前が初登場したのは2007年だが、かつてメインにしていたFC2ブログで城内を初めて批判したのは2006年11月22日に公開した下記記事だ。
上記リンクの記事で「安倍晋三につながる極右人脈」の一人として城内実の名前を挙げた。それから今年(2025年)で足掛け20年になる。
その城内の名前が出てきた。
朴勝俊や松尾匡教授が高橋洋一や飯田泰之など極端な新自由主義を信奉する人を集めて自民党のように一部野党にも「積極財政」派「反緊縮」派というものを作ろうとしているのは、私は労働運動側として危機感を持つし、大勢がそうなれば反対勢力になる。労働運動は社会保障を議論する団体です。それが中核
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
高橋洋一とか飯田泰之などの右翼系学者の名前が出てきた。そして‥‥
自民党では「反緊縮派」の安倍晋三直系の城内実でしょうが、野党系ではボスは馬淵澄夫でしょう。玉木ももしかするとそのポジションを狙っているかもしれないが、本人は党と一体化せねば失脚するのだからそうしたものには関われないでしょうね。ただ馬淵澄夫や原口一博は危ない。民主党ネオリベラル派。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
城内実と一緒に出てきたのが、20年前に「きっこ」とのコラボで名を売った極右の馬淵澄夫と、大阪・読売テレビのたかじんの極右番組の常連出演者だった極右陰謀論者の原口一博。非常にきな臭い。
現代貨幣理論を利用して自身に一定の影響力を持たせる。長谷川羽衣子、城内、馬淵はその典型例でしょう。何度も言っておきますが、元々はグリーンニューディール政策についての財源であり、完全雇用を目指すための経済論であり、それを政策化した経緯があります。それなら先に雇用について議論すべき
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
むしろ原点となったグリーンニューディールはオバマ政権から発祥で当時の労働組合も推進しようとした雇用政策です。オバマ流グリーンニューディールは環境の変化で収束しましたが、まずは原点に帰って欲しいです。現在は完全に減税の方便になっています。リバタリアン、ネオリベラルの野望は打倒する。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
だからグリーンニューディールに「減税」がくっつくと、もれなく長谷川羽衣子の元号新選組は言うに及ばず、立民党内最極右である馬淵澄夫だの、"bakawashinanakyanaorai" の城内実だのがもれなくついてくるわけだ。
中谷一馬は2019年に「MMTに関する質問主意書」を出していた。
MMT(現代貨幣理論)に関する質問主意書 https://t.co/aWQHKTqmr2
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
衆議院議員中谷一馬君提出MMT(現代貨幣理論)に関する質問に対する答弁書 https://t.co/S9iut7tmUZ
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
右でもなく左でもなく前へとそういう誤魔化しができる代議士や政治家は数えるだけで沢山いますが、右にでも左にでもいい顔ができるのも現代貨幣理論です。AOCが鮮烈に提唱した時には、私もかなり期待しましたが結局利用するだけ利用して本来の雇用対策という意味が薄れつつあります。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
このあたりには枝野幸男への皮肉も込められている。私もあのスローガンには感心しなかった。なぜなら「喜八」と名乗っていた私の宿敵が掲げた「『右』も『左』もない。オレは『下』や」というスローガンを思い出さずにはいられなかったからだ。喜八はX軸にZ軸を組み合わせたが、枝野はX軸にY軸を組み合わせた。
それはともかく「右にでも左にでもいい顔ができるのも現代貨幣理論(MMT)」というのは本当にその通りで、現状「右」にいいように食い物にされている。
最初に国会で現代貨幣理論を質問したのは、立憲民主党の中谷一馬代議士でした。彼も右にも左にもいい顔できるが、本当のところは右でも左でもなく自己陶酔。いち早くそうした理論を使ってみたかったのでしょう。大正時代マルクス主義に触れた人も中谷と一緒でした。その先進性ばかり目にいった。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
中谷一馬は元維新の重徳和彦が束ねる右派色の強い「直諌の会」のメンバーとして、立民代表選の3か月前から「泉健太下ろし、野田佳彦アゲ」に動いていた。その中谷は今ではMMTを言わなくなっているという。
現状中谷代議士は消費税減税を訴え、税の組み換えと国債の発行という事は訴えますが、現代貨幣理論に基づいた事は言い出しません。むしろ自民党の方にその信奉者が増えていったのは現代貨幣理論を歪ませていって族議員の食い物のような状態にした事は私ははっきりと言って罪が重いと感じます。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
中谷と同時期に現代貨幣理論を言い出した西田昌司はその典型例で特にコロナ禍においてインバウンドが封じられた状況下において言い出した面もあったものの、西欧でもよく存在する極右政党の幹部のような財務省批判は聞くに堪えないものでした。中谷も「どこの国の財務省も現代貨幣理論に反対する」とも
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
ああ、西田昌司もそうだな。あいつは想像を絶する極右だ。あんなのと組んじゃだめだ。山本太郎の大好きな安藤裕なんかも同類じゃないだろうか?
中谷一馬は菅直人秘書でどこかでは民主社会主義者だと言われていますが、人脈的には江田憲司や馬淵澄夫に近いです。彼らにとって現代貨幣理論は消費税減税の方便なのでしょう。彼のキャッチフレーズは「国民の生活が第一」です。どこかで聞いたことのあるフレーズですね。いつまで経っても抜けない呪縛
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
上記Xは知らなかった情報がてんこ盛りだ。中谷は確かに菅直人の秘書を3年間勤めていたが、その前には自民党の人間だった。以下Wikipediaより。
自由民主党の学生部で副委員長を務めた[5]後、菅直人の秘書を約3年間務める[9]。その後、首藤信彦の公設第一秘書となる[10]。
そして「国民の生活が第一」という小沢一郎と同じキャッチフレーズを使っているのも事実だ。下記リンクを参照されたい。
中谷は本当にどうしようもない鵺だよな。もっとも小沢一郎は野田を代表に押し上げた立役者の一人だから、それなりに筋は通っているのかもしれない。しかし私にとってはは中谷などどうしても好きになれないタイプの政治家の典型だ。
中谷一馬に比べると江田憲司は、課税強化を訴えていますが社会保障の強化や公共インフラの主張は抑えめで、消費税の減税の話ばかりが取り上げられます。枝野幸男が2021年に総選挙で敗北したのは、こうした政策責任者である江田憲司の橋本行革延長戦のような公約にも原因がありますが彼もどこ吹く風。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
まあ江田は元みんなの党だからしょうがないけど、枝野も2021年衆院選では中途半端だったかもしれない。負けて代表を辞任してからサンクチュアリの顧問になって、おそらく泉健太との対抗軸を打ち出す狙いもあって再分配重視路線を強めたものだろうか。江田については、江田が譲ったから吉田晴美が立民代表選に出られた面があった。そしてその吉田にもかなりの程度に新自由主義色があることが代表選の時に感じられた。昨年末に、吉田が菅直人の後を継いだ西村智奈美の「国のかたち研究会」に入ったと東京新聞に報じられたが*2、代表選で気になったネオリベ色を払拭できるかを私は注目している。そもそもサンクチュアリにせよ国のかたち研究会にせよ、枝野が代表を退いたあと、何かというと「保守本流」を自認したがる枝野を乗り越える人に出てきてもらいたいと思ったが、そうはならなかったことが残念だ。仮に吉田が江田の主張を取り込むことがあるようなら吉田への期待はしぼんでしまう。
自民党における右翼現代貨幣理論代議士は昨年の選挙で多数が落選し、機能不全に陥っていますが、城内実や西田昌司はまだまだ政治活動を行っている。国債に頼った財政が正解かどうかは別として、もっと雇用を考えよう、環境を考えようと言うことをテーマに戻すべきだと感じます。本来の意義から遠くなる
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
これは安倍派にMMTがかなり浸透していたということなのだろうが、落選せずに残っているのが「あの」城内実と西田昌司だというのが私の警戒感をかき立てる。もっとも城内は自民党復帰後に安倍派には戻らず森山派に属した。2010年代初めに城内が平沼赳夫を裏切ったことと関係があるのだろうか。
現代貨幣理論の根底が何も議論されないまま、単純に城内や西田のような族議員、中谷や馬渕のような消費税減税を目指す代議士しかいないのなら、現状ステファニー・ケルトン教授の真意を日本の政治家は一切出来なかったという評価になるでしょう。期待する方が私がダメだったと言わせないでください。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
城内実、選挙には滅茶苦茶に強くて敵なしだからなあ。一度片山さつきに討ち取られたあと、昨年末に死んだスズキの三代目にして独裁者・鈴木修*3の手厚い庇護を得て選挙で無敵になった。だから弊ブログは鈴木の訃報記事は書かなかった。書こうとしても城内実の悪口しか思い浮かばないに決まっていたからだ。
城内実がMMTの旗手の自民党政治家として影響力を強めることが今後あるかもしれないと思うだけで腹が立つ。現在の城内は安倍派ではなく森山派にいるようだが、今後影響力を増したりすることがあり得るのだろうか。城内のことをよくご存知ない読者の方には、下記検索語でのネット検索をおすすめする。
bakawashinanakyanaoranai
雇用や職場に投資するという感覚をもっと持てるはずです。現状人手不足や設備投資の遅れで職場の環境は悪くなる一方、そして雇用や環境政策に投資する事は世界的に始まっています。旧来の職場も環境をこれ以上負担のかからないものに変わるような投資を求めています。現代貨幣理論の理念はそれでした
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月1日
現在は何を言っても「緊縮派」のレッテル貼りに門前払いされる状態だから、リベラル・左派系の方々にもMMTについて関心を持っていただけたらと思う。ここまで追い込まれるまで動かなかった私自身もうかつではあったが。