kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

高市早苗自維N政権を打倒するためには「玉木分派」を除いた民民から共産までが「共闘」するしかないのではないか

 宮城県知事選は正直言ってあまり関心がなかったので、開票速報も追わずに寝てしまった。日本シリーズ第2戦も退屈だったし。朝起きて和田政宗が僅差で負けたと知っても、最悪の結果は免れたとは一応思ったものの、こちら側として危機感を抱くべきは、3位の立民系会派「みやぎ県民の声」に属していた元県議(知事選出馬のために辞職)・遊佐美由紀候補が接戦を演じた現職の村井嘉浩と2位だった極右の和田政宗の半分強の得票しかできなかったことではないだろうか。遊佐候補は立民と共産の自主支援にとどまっていたが、私が宮城県民だったら、3人を比較したら遊佐候補しかあり得ないと判断して、新自由主義者として悪名高い村井嘉浩への「戦略的投票」など断じてしなかったと思う。和田政宗は確かに論外だけれども村井嘉浩も我慢できないというのが私の意見だ。それとも遊佐候補には固有の問題点があったのだろうか。正直言って宮城県知事選には注目していなかったのでわからない。しかし対立構図が「多選ネオリベ現職」対「極右ポピュリズム」の対立構造になってしまったこと自体を深刻に考えなければならない。

 国政については、また宮武嶺さんのブログ発信があった。

 

raymiyatake09.hatenablog.com

 

 記事中に宮武さんは

 『高市自維N連立政権ができる前だったら私はこんなことなど考えもしなかった。しかし今、最悪の高市極右新自由主義政権が「爆誕」してしまった以上、可能性のあることは思い込み抜きで検討されなければならないと強く思う。』

とおっしゃっていますが全く同感です。

としながらも、下記の懸念を表明されている。

 

 さて、私は頭が固いなあと思うんですが、自民党政権を倒すために第2自民党や第3自民党を入れたりするのには反対なんです。

 

 民民の中で玉木氏や榛葉氏が異端で分派なのだというレバ子さんや古寺さんの立論も正直よくわからないんですね。

 

 そして打倒高市共闘に民民や維新が入ってくるわけがないし、入ってこられたら不祥事や内部対立によって政権を早期崩壊に導き、自民以外の政権に対する国民の期待を根こそぎ奪う結果になるのは目に見えていると考えます。

 

 さすがに古寺さんも連立政権に入れることを考えていないであろう参政党や日本保守党と、維新や民民ではどっこいどっこいです。

 

 では、公明党の斎藤鉄夫党首を押し立てるというのも、26年間も自民と連立を組めた公明党ですから全く信用できません。

 

 公明党は前の代表だった山口那津男氏が悪かったんだという見方もありえますが、大変な組織政党ですから斎藤氏個人の資質がマシでも、あの権力すり寄り体質はどうしようもないでしょう。

 

 今回の連立離脱も自民との連立交渉が高市・麻生ラインが強硬すぎてハプニング的に破綻しただけで、政権与党のうまみを知り尽くしている公明は今でも自民と組む気満々だと思います。

 

 たとえば高市政権が打倒され、小泉進次郎政権が生まれたらさっそく自公連立に飛びつくでしょう。

 

URL: https://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2025/10/26/103447

 

 以下に返答します。

 まず第一に、橋本健二氏の下記記事に書かれた分析によれば、2022年の時点で13.2%しかいなかった「新自由主義右翼」を主な顧客とする高市現自維N政権は、何がなんでも打倒されなければならないというのが大前提になります。

 

gendai.media

 

 

 上記の表で、「リベラル」は(その命名に抵抗はありますが)、再分配重視にして平和志向のクラスターで、比較第一勢力ではあるけれども26.4%に過ぎません。それに次ぐのが21.0%の「伝統保守」で、ここを主な顧客にしていたのが岸田文雄石破茂自公政権でした。3番目の「平和主義者」は反戦平和に主な関心があるものの再分配には冷淡という人たちで、このクラスターが20.9%を占めるという橋本教授らの分析には小記事言って少し驚かされました、18.5%を占める4番目の「無関心層」は流されやすい人たちでしょう。そして、問題の「新自由主義右翼」は13.2%しかいません。

 安倍政権がもっとも優遇した顧客もこの13.2%の「新自由主義右翼」でしたが、それだけでは政権は保てないので、安倍晋三は「働き方改革」などの、「伝統保守」にも、そして連立のパートナーである公明党にも受け入れられる政策を取り入れました。

 しかし、政権が安倍から菅、岸田、石破と代わっていっても、自公政権と一般有権者のニーズとの乖離は大きくなる一方でした。

 たとえば昨年の衆院選ですが、私の住む東京15区では、その前の春の補選では自民党柿沢未途逮捕のために候補者を出せずに1回休みだったおかげで、「立民+共産」型の野党共闘候補だった酒井菜摘が初当選しました。ところが本選ではその共闘は解消され、自民が推して公明票が乗っかるであろう大空幸星が、小泉進次郎の大々的な応援を受けて乗り込んできました。普通の票読みだと酒井が勝てる可能性などほとんどありません。しかし、酒井陣営の立民区議・高野勇斗らが中心となって、自民支持層から「江東御三家」の一角を占める木村家を取り込んだりしながらの必死の選挙戦が功を奏したほか、無所属の須藤元気が保守票を相当に食ってくれたおかげもあって酒井が再選されました。

 しかし酒井再選の要因はそれだけではありませんでした。かなりの公明票が寝たり、または酒井に流れたり、また共産票の一部が「戦略的投票」をしてくれたおかげの酒井再選でもありました。

 このことからいえるのは、たとえ石破政権下で小泉進次郎が熱心に応援した候補に対してではあっても、票の相当部分が寝てしまうほど、公明党の上部構造(執行部)と支持層との乖離が大きくなっていたということです。

 ましてや極右新自由主義全開の高市早苗ではこの乖離には耐えられない。そう判断した斉藤鉄夫ら公明党執行部が自民党との連立解消に踏み切ったということなのです。

 おそらく、公明党が連立から離脱して最初の選挙になるであろう次の衆院選では、公明票は自民票には乗らないどころか、自民候補に対立する一番手の候補に票が乗ることになると思います。そうなるとどうなるかというのは、三春充希氏(彼は「政治学者」の範疇には入らないのではないかと私は思います)の分析に詳しいです。

 また民民ですが、先の東京都議選では、前述の「江東御三家」の木村家は候補者を民民から出して当選させました。しかしこの木村家は、決して「新自由主義右翼」を顧客とする政治家一家ではありません。木村家は萩生田光一に近い山崎家(現自民党都議の山崎一輝)と敵対しています。今回は都議選に議席を得たい民民とニーズが一致したので民民に入りましたが、思想信条的には木村家は「伝統保守」に含まれるでしょう。

 だから「共闘」の範囲から民民を全部除外する必要はなく、除外するのは「玉木分派」だけで良いのです。もっとも民民の場合は支持層の8割くらいは玉木・榛葉の「分派」の方でしょうから、その分だけ公明よりも厄介ではありますが。

 とにかく、高市自維N政権にだけは何があっても勝たなければなりません。準決勝に勝たなければ決勝には進めないわけです。

 10月22日付『広原盛明のつれづれ日記』の結びの文章も良かったです。

 

hiroharablog.hatenablog.com

 

 窮地に追い詰められている弱小政党の共産が自維政権に対決しようとすれば、「議員定数削減阻止=抗日戦争」に見立て、国民民主や公明とも「一点共同=国共合作」する以外に方法はない。「自民党政治を根本から変える改革を推進し、極右・排外主義とのたたかいを断固として進めることができるのは、日本共産党を措いて他にない」といった前衛党ばりの大言壮語を続けていれば、共産は他党から孤立して滅んでいくしかない。自らの力量を謙虚に振り返り、それにふさわしい態度と行動を打ち出すことが、この危機を乗り切る唯一の道であることを銘記したい。

 

URL: https://hiroharablog.hatenablog.com/entry/20251022/1761115805

 

 議員定数削減に関しては、上記広原さんの記事にも書かれている通り野田佳彦が賛意を表したり斉藤鉄夫が日和ったりした問題はありますが、斉藤は与党時代の悪習がでてしまっただけでしょうし、野田の場合は政治的信念だから斉藤よりも大きな問題ではありますが、かつての民主党とは別の政党である立民の政策のどこにも「議員定数削減」は書かれていないとのことです。現に米山隆一のほか数人の議員からも、平然と野田の主張に反対する意見が出ています。民民や公明とも「一点共同=国共合作」をすることは決して夢物語ではないと私は思います。木下ちがや(こたつぬこ)氏などは例によってこのような意見を冷笑しているようですけど。

 宮武さんのブログに話を戻すと、lavenderkun(旧名ラヴェンダー・ホリフィールド)さんから心強いコメントがあったので以下に引用します。

 

 lavenderkun

「不倶戴天の敵とされる公明と共産をくっつける案は思い浮かばないのだろうか
共産が閣内に入るのは無理だろうけど」

古寺多見氏の上記記事はスターだらけで私も一つ☆をつけさせてもらいましたが、天邪鬼さんが紹介してくれた公明幹事長の「立民推薦もあり得る」発言と併せて、やはり与野党伯仲だと野党の選択肢のほうが増えるな、という感じです

公明はおそらく、立正佼成会の票はとうに自主投票になってて立民にはあまり行ってない、と見てるんでしょう

共産のほうは何とも言えませんが、打診があったら双方胸襟を開いて対話すべきです

公明次第の政局になってて立民の存在感はありませんが、立民は小選挙区の得票率が4年前と昨年とで29%と横ばいとのこと

公明の基礎票を欲しがるだけじゃなく自分で基礎票を積み増すことが必要でしょう

 

 上記lavenderkunさんのコメントにスターを進呈しました。

 そうそう、lavenderkunさんがはてなIDに登録されたことでもあり、下記「混沌の自由の討論会」のメンバー(編集者権限)にも登録したいと思いますがいかがでしょうか。

 また既にメンバーになっている宮武さんの権限を「管理者権限」に引き上げたいと思いますが、こちらもいかがでしょうか。以上提案いたします。現在は管理者権限は私にしかありませんが、そのための限界を感じていることがあることに加えて、これまでやったことのない共用ブログの共同管理をやってみたいという思いもあるもので。

 以上よろしくお願いします。

 

 最後に宮城県知事選の話に戻って目を覆いたくなる出口調査の画像を紹介する。

 

 

 和田政宗に投票した人を支持政党別に多い順並べると下記のようになる。

 

  • 参政 93%
  • 民民 57%
  • 新選組 46%
  • 維新 43%
  • 自民 27%
  • 立民 23%
  • 公明 15%
  • 共産 2%

 

  これを見ると民民支持層は確かにひどいが新選組支持者もたいがいだ。両党支持層とも維新支持層よりも和田に投票したと答えた人の割合が高い。それらに比較すると、公明支持層の15%は、さすがに共産支持層の2%には及ばないものの立民支持層の23%よりもずっと良いスコアです(もちろん和田に投票しなかったかどうかの一点だけでの比較ではありますが)。

 これでも、新選組は共闘の枠内に入れるべきだけれども公明には抵抗があると言えますか? 政党を本当に動かすのは党の執行部ではなく支持層だと私は思います。

 とにかく、まず高市極右ネオリベ政権を打倒して準決勝に勝たないことには話は始まりません。