kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

世間一般の常識と「ブログ村落共同体」の共通認識の隔絶があまりに大きいのにあっけにとられてしまった

いやはや、これには驚いた。
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-782.html

はじめにお断りしておくが、私は、このエントリを読んで、皮肉や嫌味ではなく、リンク先のブログ主の方を純真無垢な方だと思った。だが、だからといって何も書かないわけにはいかない。

ブログ主はたしか「水伝騒動」の頃、自分のことを「お玉は」と三人称で書くのを止めて、一人称の「私」を使うことにしたと書いていた記憶があり、私はそれに好感を持った。それがなぜかは当時は考えなかったが、今にして思うと、ムラ社会からの独立への意志を感じたからかもしれない。しかし、一人称の「私」はいつしか三人称の「お玉」へと戻っていた。

エントリはどこが「総括」かよくわからないのだが、昨年の国籍法改正騒ぎの頃の記事が引用されている。私はこのブログを巡回先に入れていないので、これらの記事は今回初めて読んだ。

私が国籍法改正に絡んだ城内実ブログの悪名高いエントリを知ったのは、『日本がアブナイ!』の下記エントリによってである。
http://mewrun7.exblog.jp/9014392/

この記事を読んだのは、昨年11月19日の朝だった。

上記エントリから城内実氏に関して書かれた部分を引用する。

 私は、国籍法改正案の争点について知りたくて、先週からチラホラと、報道記事や政治家の書いたブログなどを見ていたのだが・・・。

 城内みのる氏のブログのこの『「国籍法」の改悪に反対する!』という記事<コチラ>を見て、ギョッとさせられてしまったところがあった。(゚Д゚)

 城内氏は元衆院議員で、郵政民営化法案に反対して離党&片山さつき氏を刺客に送られて惜敗落選。次の衆院選に出馬予定の政治家だ。 

 彼は安倍晋三氏の弟分&平沼赳夫氏とつながりが深く、いわゆる・超保守勢力のひとりであって、私とは国家観が合わないので、彼を支持することはないのだが。
 でも、郵政国会で自分の意思を貫いた姿勢や、次の衆院選を目指して選挙区でコツコツと努力を続ける姿、そして彼が国民の生活を重視した経済、社会政策を考えていることに関しては、評価できる部分があると思っていたし。TVなどで見る言動やブログの記述を見て、それなりに品格や理性がある人だと思っていた。(・・)

 ところが、上述の記事の後半に書かれた「たとえ話」は、あまりにもヒドイものだ。本人が作ったのか、他者が作ったものをアップしたのかわからないが。これは、品がないを通り越して、あまりに下劣なものだし。他国の人を愚弄し、蔑視するようなもので、政治家としてだけでなく、ひとりの人間として、人権概念を有していないと言っていいだろう。(ーー;) 

 けど・・・他の地方を含む政治家系ブログにも、時々見られることであるが。これが近時の超保守系orウヨ保守系の政治家の実態なのである。(**)

ブログ主は、普段は淡々と記事を書かれる方で、ブログから受ける印象も温和な感じなのだが、このエントリに関しては、ブログ主の激しい怒りが感じられた。えっ、あのmewさんを怒らせるなんていったいどんな記事かと見に行った私は、その内容のあまりのひどさに頭に血が上ったのである。

それで、まず当ブログにエントリを上げた。タイムスタンプは11月19日の20時33分になっている
これはひどい!! 人権感覚ゼロの極右政治家・城内実の差別エントリ!! - kojitakenの日記
もちろんこれだけでは腹の虫がおさまらなかったので、翌朝、『きまぐれな日々』でもこの件を取り上げた。
きまぐれな日々 テロ行為と極右政治家・城内実だけは絶対に許せない

ところが、そのさらに翌日の11月21日に、お玉さんは下記のエントリを上げた。
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-518.html

以下引用する。

 さて・・お玉自身はある時からよそのブログを名指し批判することをやめておりますので、軽くしか触れませんが、確かに問題発言だと感じる人気上位ブログもありました。だけれど、その一度の記事を大きく取上げて、攻撃的に叩く姿勢を示す左派系有名ブログにも同じような不快感を持ち・・・・

 人間が心の底にもつ差別意識、攻撃性がネット社会では文章表現方法によって、いかようにでも相手に伝わってしまう・・・・ネットの中では同じ思想意識で固い絆や連帯感を感じたり、真逆な思想のために敵視し、攻撃しようと思う心を持ったり・・こういう事がとても簡単に起きてしまう・・・・・

だから扇動することは簡単。右派であれ左派であれ簡単。だけど、それがリアルな運動にはなかなか結びつかない悲しさを、皆さん結構経験されているんじゃないかな?

リンクが張られていないので記事がどこのブログを指すかが明確ではないが、「確かに問題発言だと感じる人気上位ブログもありました」というのが城内実"bakawashinanakyanaoranai"を指すというのが普通の解釈だろう。そして、「Aの発言は確かに問題だと思うけど、そのAを大きく取り上げて叩くBに不快感を持った」と書く時、非難の主たる対象はAではなくてBである。

当時、Bに相当する論陣を張ったブロガーは私だけではなく、右側からの批判も結構あったが、お玉さんの記事の表現は「左派系有名ブログ」となっている。城内実から煽りの反撃を受けたブログは4つあって、そのうち左派に属するブログは私のブログだけではなかったが、少なくとも「攻撃的に叩く姿勢を示す左派系有名ブログにも同じような不快感を持ち・・・・」と書かれた対象に、私のブログも含まれていたことは間違いないだろう。

私はこの記事を今日知ったばかりである。「リベラル・平和系ブログ」であれば、先に取り上げたmewさんのような反応を示すのが当たり前だと思っていたので、お玉さんがこのような反応を示していたことに驚いた。

さらに驚いたのが下記のくだりである。

 今後、城内さんが一転、平和主義を返上し、東アジアの恒久平和や他国との友好関係を述べるのをやめて、よその右翼系議員同様に安易に、九条を変えるとブログで言い出したならば、(いやそれ以上に、議会で改憲を言い出したならば・)そして、それでも彼を支持すると保守系ブロガーが言い出せば・・・・・ネット上などではなく、リアルに本気で闘う・・・・それだけのこと。


「一転」って?

平和主義を「返上し」って?

東アジアの恒久平和や他国との友好関係を述べるのを「やめて」って?

よその右翼系議員同様に安易に、九条を変えるとブログで「言い出したならば」って?


私は、「左」側で城内実を支持している人というのは、城内の反新自由主義的主張を買って、政治思想的なタカ派の部分には目をつぶっているものだとばかり思っていた。だから、城内実憲法9条の改正や集団的自衛権憲法解釈見直しへの支持を表明したり(http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090913/1252780686参照)、憲法改正ではダメだ、自主憲法制定でなければならないと主張していても(http://hepoko.blog23.fc2.com/blog-entry-207.html参照)、それを黙認しているのだろうと思っていた。

ところがそうではなく、お玉さんは城内実を「9条護憲派」だと信じていたみたいなのだ。そうでなければ、「九条を変えるとブログで言い出したならば」などという表現を用いるはずがない。

そしてその背景には、「9条護憲」を掲げながら城内実を応援するブログの存在があった。
http://kihachin.net/klog/archives/2009/09/kiuchi090911.html

また、城内さんはいわゆる「改憲派」ですが、憲法9条は残すべきと発言しています

だが、毎日新聞の「えらぼーと」への城内実自身の回答は、これを否定するものだ。このことを、当ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090913/1252780686で示した。

城内実が「9条護憲派」であろうはずがないことは、城内がかつて安倍晋三の懐刀として台頭し、「郵政総選挙」での落選後は平沼赳夫を頼ったことからも明らかだ。そのことを、私は何十回書いたかわからない。世間一般も、平沼グループ自民党系無所属だと認識している。

だが、一部のブログ村落共同体における共通認識は、世間一般の常識とは隔絶したものだったらしい。ここまですさまじいとは思わなかったので、お玉さんのブログ記事を読んであっけにとられてしまった。