kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

石破茂「小選挙区って、党にいろんなものが集中する。個人の力じゃどうにもならない。そういうのが発揮できない選挙制度になっちゃったね」(2020/11/11, たかまつななチャンネル)

 少し前に石破政権側から選挙制度改革の話を出してくるとの観測が昨年来以来なされているとの情報を紹介したが、その記事に下記のコメントをいただいた。

 

 しょむ研 (id:shomuken)   
 山崎拓氏が、「月刊日本」で単純小選挙区制(比例区完全廃止)又は中選挙区連記制(恐らく完全連記制)を主張してました。民民も此に乗るんじゃないでしょうか。
ろくでもないリバタリアン政党と化した玉木民民だが、比例代表制をベースにした選挙制度の再改変にもっとも有利な立ち位置にあることに気づいた

 

 いただいたコメントを読んで、玉木雄一郎榛葉賀津也以外に名の売れた国会議員がいない(というより前原誠司菅野志桜里のように大部分が党外に去ってしまった)民民に単純小選挙区制のメリットなど皆無だから、それはあり得ないけれども、中選挙区連記制ならあり得るかもしれないと思ったら、やはりそうだった。下記は産経新聞記事(1/6)より。

 

www.sankei.com

 

石破首相、衆院選現行制度は「党派超えた検証必要」 総裁選前は「中選挙区連記制」を提唱

2025/1/6 18:29

 

石破茂首相は6日、三重県伊勢市で年頭の記者会見に臨み、衆院小選挙区比例代表並立制を巡り「約30年の現行制度の歴史を踏まえ、改めて党派を超えた検証が必要だ」と述べた。具体的な制度改革案には触れなかったが、昨年9月の自民党総裁選前に、定数を複数とし有権者が候補者を複数選べる「中選挙区連記制」を一つの選択肢に挙げていた。(後略)

 

産経新聞より)

 

URL: https://www.sankei.com/article/20250106-WW6GKG3EQBIBRIKK6D3QRHSCS4/

 

 さらに、下記は一昨日(1/10)の時事通信記事。

 

www.jiji.com

 

石破首相「中選挙区連記制」を意識 衆院選挙制度、各党協議へ

2025年01月10日07時03分配信

 

 衆院選挙制度の見直し議論が、24日に召集される通常国会で再燃する可能性がある。現行の小選挙区比例代表並立制が抱える問題点が多く指摘される中、石破茂首相(自民党総裁)は各党による協議の必要性を強調。「中選挙区連記制」導入論も意識し、選挙制度改革をてこにした与野党連携を模索しているとみられる。

 

 「より幅広い民意が反映されることが重要だ。約30年の歴史を踏まえ、党派を超えた検証が必要だ」。首相は6日の年頭記者会見でこう述べ、1994年に成立した政治改革関連法に基づく衆院選挙制度の再検討に意欲を示した。首相が就任前の昨年8月に「一つの選択肢だ」と前向きな姿勢を示していたのが中選挙区連記制だった。

 

 連記制は、選挙区の定数を2人以上とし、有権者が複数の候補者に投票できる制度。自民の候補同士が争い、派閥間の競争や有権者へのサービス合戦など「金権選挙」が批判されたかつての中選挙区制とは異なり、多様な人材や民意を反映できるとされる。中小政党にもメリットが及ぶ可能性がある。

 

 通常国会では、衆院選挙制度改革に関する与野党協議会が設置される。「1票の格差」是正などと合わせ、中選挙区制復活や連記制導入の是非が焦点の一つとなるとみられる。

 

 現行制度は、リクルート事件などを受け「カネのかからない選挙」を目指して導入されたが、自民派閥の裏金事件などその後も続発した「政治とカネ」の問題で理念の空洞化ぶりが明らかになった。比例代表との重複立候補や、世論の「風」に選挙結果が左右されやすい点にも疑義が投げ掛けられている。

 

 30年前の「平成の政治改革」に関わった元衆院議員からは中選挙区制復活論が上がる。当時自民総裁だった河野洋平衆院議長は女性議員の拡大へ「中選挙区で複数(候補)が当選する制度にしなければ」と指摘し、田中秀征経済企画庁長官は中選挙区連記制の導入を提唱している。

 

 自民の閣僚経験者は「連記制実現を通じた与野党連立で局面を転換すべきだ」と期待をにじませた。だが、通常国会は25年度予算案などの懸案が山積。夏の参院選を控え、野党の関心も「103万円の壁」見直しや教育無償化などまちまちで、選挙制度議論の優先順位が高まるかは見通せない。政府関係者は「小選挙区導入までに政権が二つ倒れた。簡単ではない」と指摘した。

 

時事通信より)

 

URL: https://www.jiji.com/jc/article?k=2025010901098&g=pol

 

 目を開くほど感心できるブコメは1件もないが、中でも下記ブコメには目を剥いた。

 

石破首相「中選挙区連記制」を意識 衆院選挙制度、各党協議へ:時事ドットコム

理由についてはこの動画で語られてるのでよければどうぞ。小選挙区制が思うようにいかなかった点などについて語られてる(4:40以降) <a href="https://youtu.be/Bectjr1M_C4?t=279" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://youtu.be/Bectjr1M_C4?t=279

2025/01/11 14:32

b.hatena.ne.jp

 

 なんと、私が激しく敵視している、あの「たかまつなな」のチャンネルがリンクされている。閲覧注意である。飲食しながらたかまつが石破にインタビューした動画は、2020年11月11日に公開された*1。しかし、ミュートにして字幕を見る限り石破による小選挙区批判はそれなりにまともである。以下字幕から拾う。上記ブコメが推奨する4分40秒以降。

 

石破 まだ総理になっておられなかった小泉純一郎先生がね、お前ら何が小選挙区制だと。そんなもんにしたら党の言うことしかきかない、つまんない議員ばかりになるぞと言われたけどね。

 小選挙区っていうのはね、党が絶大なる力を持つわけね。党の意向に逆らえない人が増えたのは事実だろうね。

 

たかまつ でも中選挙区制に戻した方がいいとは思わないですよね。

 

石破 いやどうかな。中選挙区制の方が良かったかもな。

 

たかまつ でも金権政治に戻っちゃうんじゃないですか?

 

石破 だけど今は金権政治ではないだけに、少ないお金で人が動くようになっちゃった。

 

(中略)

 

石破 だから小選挙区って、党にいろんなものが集中する。個人の力じゃどうにもならない。そういうもの*2発揮できない選挙制度になっちゃったね。(後略)

 

URL: https://www.youtube.com/watch?v=Bectjr1M_C4&t=279s

 

 こんな「閲覧注意」の動画から長々と引用したのは、上記の石破の言葉から、石破が選挙制度を再改革しようと考えている理由がわかるからだ。

 周知の通り、小泉純一郎は自らが熟知していた小選挙区制の問題点を最大限に悪用して、あの2005年の「郵政総選挙」を仕掛けた。その後2009年に小沢一郎が実権を握っていた民主党にお返しされたが、小沢が自滅して分党に追い込まれた2012年に安倍晋三が「お返しのお返し」をやり、2021年までの9年間に及ぶ「安倍菅政権」の暗黒時代に入った。その安倍菅時代に石破は冷飯を食わされ続けた。

 その石破が2024年の自民党総裁選に勝つや、その直後に仕掛けた解散総選挙で安倍派を干し上げてリベンジした。

 しかし今後、たとえば高市早苗一派などの再リベンジを許してしまうと、小選挙区制の欠点として石破自身が指摘した「党が絶大な権力を持つ」力学によって、自らの政治生命が絶たれることは絶対に間違いない。下手をしたら安倍派にスキャンダルを発掘されて逮捕される可能性さえある。

 そんな事態を回避するために、石破としては選挙制度の再改変がやりたいものと推測される。

 問題は、それとは別に、野党に政権を握られるような選挙制度だと困るから、選挙制度再改変の議論を石破自民党がリードする必要があることだ。

 だから野党側からも選挙制度の改変案を出すことが絶対に必要だ。

 ことに、長年小沢一郎小選挙区制に固執したことに束縛され続けた民主・民進系の3政党、つまり衆議院議席が多い順に立民、民民、新選組の3政党の姿勢が問われる。ここで新選組をカウントしているのは、同組は明らかに小沢一郎一派からの分派の政党だからである。また小沢一郎が現在在籍する立民には特に注目したい。現代表の野田佳彦は昨年の代表選で小沢一派の支援を受けて選出されたからである。

 弊ブログが比例代表制をベースとする選挙制度を強く推すことはいうまでもない。このことは、民主党への政権交代が実現するよりも前から、もう20年近くも主張し続けている。

*1:本論と関係ないが、あの城内実が "bakawashinanakyanaoranai" の汚らしいブログ記事を公開してから、ちょうど丸12年に当たる日である。

*2:原文ママ