kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

植草一秀と安倍晋三(0) 序説・安倍晋三の脱税疑惑を暴いたのは誰か

私が植草一秀センセに疑問を持った最初のきっかけは、植草センセが安倍晋三をほとんど批判しないばかりか、安倍の言葉を肯定的に取り上げていたことだった。「AbEnd」(安倍を「エンド」にするという意味を、abnormal endを意味するコンピュータ用語 "abend" に掛け合わせた造語)の命名者である私は、昔も今も安倍晋三はあらゆる政治家の中でもっとも忌み嫌う人物であり、安倍晋三に親和的な人間の匂いを敏感に嗅ぎ取る。

BLOG版「ヘンリー・オーツの独り言」 マスしゃぶに対抗するブログの価値とは?~漢方薬問題に思う! に、

おもしろいことは彼らは権力が恐れた故に冤罪を押し付けた植草一秀さんをまるで私たちが教祖のように祭り上げているかのように指摘している点である。植草さんのように純粋で理知的で紳士的な方に対して汚くののしる理由がどこにあるのだろうか?

という文章に続いて、

時間的に余裕があれば鳩山献金問題が如何に重箱の隅でしかないことを具体的に示したい。美爾依さんが一部、安倍晋三の例を紹介している。そういう大手マスしゃぶが書かないことを公にすることこそブログの真骨頂だと思う。

と書かれている。しかし、おそらくこの記事が指しているであろう
カナダde日本語 漢方薬の事業仕分けに関する虚偽報道
には、阿修羅の記事へリンクが張られているのだが、そのリンク先を見ると、

週刊現代9月29日号
緊急ワイド
史上最低の「無責任な官邸」全真相

突如辞任を発表、翌日には緊急入院―「安倍首相をここまで追い込んだ」と、発売前から永田町、メディアを騒然とさせたのは、本誌のこのスクープだ。


週刊現代9月29日号 P26〜30
(1)本誌が追い詰めた安倍晋三首相「相続税3億円脱税」疑惑
     亡き父・晋太郎の「遺産」6億円と“出資者不明”の巨額献金
                   ジャーナリスト 高瀬真実と本誌取材班

と書かれている。ここで、「週刊現代9月29日号」とあるが、これは2007年9月に安倍が退陣を表明した直後に発売された号である。つまり、『カナダde日本語』は週刊現代のスクープを紹介しているに過ぎない。安倍晋三の脱税疑惑という、「大手マスしゃぶが書かないことを公に」したのは、政権交代の旗を掲げていた素人ブログではなく、『週刊現代』だったのである。本流ではないとはいえ、れっきとしたマスコミである。

そして、この時『週刊現代』に協力して安倍晋三を叩き、安倍にとどめを刺したのが立花隆である。そんなことは、安倍晋三を批判してきた人間であれば、誰でも覚えているはずだと私は思っていたが、ヘンリー・オーツはそうではないらしい。この件は、当時立花隆日経BP不定期連載していた「メディア ソシオ-ポリティクス」に詳しく記述されていたが、現在ではリンク切れになっているので、立花隆の記事を転載したブログを示しておく。
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10048359882.html

立花隆のブログ記事を読んだブログ主の感想を引用する。

 何だ、そうだったのかぁ(^g^)
週刊現代』(9月15日発売)を読んだが、立花隆氏のブログに書いてあることと同じじゃ〜ん! と思ったのは、わたしだけではあるまい。活字媒体の週刊現代と、ウェッブの立花隆氏が連動した「情報戦」が、安倍首相を辞職に追い込んだということになる。
 週刊現代あっぱれ! こうした権力に媚びないスクープこそが、週刊誌の醍醐味ではないか。新聞も「マスゴミ」なんて言われないように、本来のジャーナリズム精神を取り戻して欲しいものだ。

ブログはブログでも、素人ブログではなく、大新聞などの大手マスコミ本流への影響力も強い著名ジャーナリスト・立花隆のブログが安倍を追い詰め、とどめを刺した。ヘンリー・オーツなど安倍の退陣に何の貢献もしていない。

それでは、植草一秀センセは安倍に対していかなるスタンスを取っていたか。本当は、本稿でこれを論じるつもりだったのだが、長くなったので次回に回す。かくして、本エントリはパート0の「序説」となった。

(この項続く)