『世に倦む日日』というブログには、共感できる記事とそうでない記事があり、かつその落差が大きいが、昨日(3月5日付)のエントリは前者に属するもので、そこでは社民党と国民新党について取り上げられていた。
世に倦む日日 辻元清美は国交副大臣を辞任せよ、普天間移設問題で論陣を張れ
このブログの記事は、一定時間が経つと有料で購読している読者しか読めなくなるようにされているので、文章をそのまま引用するのは避けるが、前半が社民党の辻元清美に対する注文で、タイトルにもあるように国交副大臣を辞職して(つまり前原誠司大臣と立場を分かって)普天間基地の県外・国外移設の論陣を張れと求めている。ブログ主は辻元清美が普天間基地問題についても労働者派遣法改正問題についても何も語らないと不満を述べており、福島瑞穂よりむしろ阿部知子に近い立場にいるのではないかと疑っている。
私の知る限りでは、昨年夏の衆院選で民主党に対立候補を立てられた阿部知子以上に、民主党の支持を受けた辻元清美は民主党に親近感を持っている政治家であり、枝野幸男や自民党の加藤紘一あたりと仲の良い政治家のはずだ。辻元清美に普天間基地県内移設に反対する声を上げよと求めても、率先して動いてくれる可能性は小さいのではないかと思う。
むしろ、エントリの後半にある、国民新党の亀井静香を動かせという発想に、私は注目した。コメント欄には、
ブログ主さんは亀井氏が鍵であるとおっしゃっていますが、下地氏が平野氏サイドにたっている以上、県外移設を唱えることはないと思えます。期待はしたいですけど
と悲観的な声が寄せられているが、亀井静香には「君子豹変」した実績がある。
それは、「脱ダム」問題である。亀井静香を動かしたのは、天野礼子氏らの訴えだった。そのいきさつは、天野氏の著書『ダムと日本』に詳しい。
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天野さんのこの著書の中で、亀井静香を動かしたくだりは特に印象に残る。それは、180度と言って良い政策転換だった。亀井静香は、理と情熱を持って訴えれば、必ずや動かせる政治家なのだ。亀井静香を動かすことは、決して無理な目標ではない。現に天野礼子さんがそれを実行して結果を出した。亀井静香さえ動けば、何も辻元清美に働きかけなくとも、社民党全体が動く。民主党左派も動かせるし、同党中間派の一部も動かせる可能性がある。
確かに亀井静香がキーパーソンだ。諦めてはならないと思う。