kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

保守の論客・中島岳志のTwitterに見る辻元清美離党論

保守の論客・中島岳志は、先週だったかの『報道ステーション』で、「日本は既に小さすぎる政府だ」と語った。ただ、中島氏自身は「大きな政府」論者ではなく、「中くらいの政府」が良いと言っていたはずだ。

そんな中島氏が、辻元清美社民党離党について、Twitterで立て続けにつぶやいている。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19579309366

社民党は辻元氏を党首にする時期を逸した。社会民主主義者が権力志向を持つのは当然。国家による弱者への再分配を重視するのだから。しかし、辻元氏は民主党に入っても埋もれてしまうのではないか。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19579911081

社民党は「負けっぷり」を重視するか、社民主義の王道を歩むべきか。私は堂々と「大きな政府」論を掲げ、真正面から増税論(特に所得税の累進強化)を打ち出すべきだと思う。辻元氏のいらだちは十分に理解できる。このまま社民党が消滅すべきだと、私は思わない。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19581022180

民主党との選挙協力を進める以外に、消滅を避ける方法はないのだと思います。社民党は積極的に生き残る方法を模索するべきだと、私は思います。 RT@sugawarataku べき論以前に、消滅の道を歩んでいることは確実。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19581656220

これは本田由美に宛てたつぶやき。

@honda_yumi 辻元さんの離脱表明の最大の原因は、やはり福島党首との微妙な関係にあるのではないでしょうか。私は福島氏が党首のままでは、社民党の未来はないと思います。福島氏はしっかりとした国家ヴィジョンを語ることができていないと思います。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19582929727

民主党に不満・違和感を持つ社民リベラル系浮動票を獲得する以外に、社民党の生き残りは難しいのだと思います。社民党に残された道は、とにかく社民主義の王道をブレずに掲げることではないでしょうか。RT @sugawarataku


http://twitter.com/nakajima1975/status/19584013815

ちなみに私は社民党の支持者ではありません。民主党への「失望票」がみんなの党へ流れるよりも社民党に流れた方がいいと考えているのです。そんな票の受け皿になるためには、社民党は古い体質を改め、正統な社民主義をブレずに打ち出すべきです。国家権力から逃げていては、社民主義は実現しません。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19584627292

社民党は、話題になっている時が最大の党内改革のチャンス。この数日の対応が重要。


http://twitter.com/nakajima1975/status/19585640574

民主党内に新自由主義的なるものが根強く存在する限り、社民党には存在意義があるはず。民主党との選挙協力を進めつつ、民主党への「失望票」を取り込む戦略を練る必要がある。そのためには古い体質の改善と社民主義の確立、そして有力な若手候補の発掘を進めるべき。


これらのつぶやきは、私には概ね納得できる内容だが、こんな発言を「有識者委員会」でやられたら、某ブロガーは発狂するかもしれない。

最近の辻元清美のテレビ出演を見て、社会民主主義社会のビジョンと、それに至るまでの道筋を示す能力を辻元氏は持っていると思ったが、中島岳志氏も同じように感じていたようだ。

もういつまでも社民主義勢力が外からの権力批判にとどまっていてはならないくらい、日本社会の格差や貧困は深刻化していると思う。もう結果を出さなければならない時期がきているのだ。

とはいえ、福島瑞穂党首の連立離脱の判断は正しかった。鳩山由紀夫前首相にあんなことをされたら、連立を離脱するしかないし、それは党内でもっとも福島瑞穂との仲が悪い阿部知子でさえ認めていた。辻元氏だって、感情的には納得できなかったと思うけれども、連立離脱は正しかったと語っている。

普天間基地問題が社民党の一丁目一番地だというのは、それはそうだろう。それにもかかわらず辻元氏がこの問題について積極的に語らなかったのも事実だ。それらについてまで辻元氏を弁護しようとは、私も思わない。

しかし私は、社民主義社会実現のために、辻元氏が影響力を発揮してくれることを強く期待するものでもあるのだ。民主党に入っても埋もれてしまうというのは、中島岳志の言う通りであり、だから無所属議員として活躍するという辻元氏の判断は正しい。

実は、立場こそ正反対だが、城内実の判断も正しかったのである。私としては、城内実にはなんとしても「たちあがれ日本」に加わって、平沼赳夫と一緒に沈没してほしかったこともあってこれを煽ったのだが、城内実は馬鹿ではなかった。

辻元氏離党騒動については、ネットでは辻元氏批判が多数意見だが、マスメディアは辻元氏支持が大勢だという。マスメディアと同じ意見を言うのは癪だが、実務者能力にも、社民主義社会実現のビジョンを示す能力にも長けていると思われる辻元氏の離党は決して悪くないと、重ねて当ブログは意思表示する。

それに何より、人間は自分のやりたいことをやるのが一番だ。