kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

短絡的な「リベサヨ」を嗤う

菅直人首相の所信表明演説から「最小不幸社会」が消えたことを懸念する、朝日新聞・福田宏樹記者の好記事 - kojitakenの日記 で、かつて菅直人シンパだったと思われる朝日新聞福田宏樹記者の記事を好意的に評価したが、この記事は一定の反響を呼んだ。しかし、好意的な論評ばかりではないのは当然のことだ。

その中で、「はてブ*1のあるコメントが目についた。

TOM2005 政治 私とは全然価値観の合わない人の思考回路を垣間見ることができた。そうか、これが団塊サヨクの思考回路か・・・(ブログ主の年齢は知らんが) 2010/10/02


これには苦笑させられた。というのは、私はしばしばこの手の揶揄というか冷笑を浴びることがあるからだ。しかも、それらは決まって同じパターンであり、「ブログ主の年齢は知らんが」とかいうのが決まり文句になっている。つまり、勝手に「団塊の世代オヤジ」認定をされているのである。

当ブログをいつもお読みいただいている方ならわかると思うが、私は当該記事で紹介した朝日新聞福田宏樹記者と同世代である。なるほど、同世代の人が書きそうな記事だなあと思っていたのだが、世代間格差論を植え付けられて頭が凝り固まってしまった人には、気に食わない議論は全て「団塊の世代オヤジの繰り言」に見えるらしい。

あまりに批判や揶揄・冷笑が同じようなパターンであるのに呆れるばかりだが、これが最近ブログで知った「リベサヨ」の人たちに特徴的な思考パターンなのではないかとふと思ってしまった。格差や貧困の解消、つまり再分配を要求しているにもかかわらず、「小さな政府」を求める人たち。本当に困窮している人たちが少しでも負担を少なくしてほしい、というのであれば理解できるが、そんな人たちの多くはインターネットどころではないのではないか。某ちきりん氏ではないが、むしろ余裕のある人たちの方が、世代間格差論や既得権益論を声高に唱えているのではないかと私は思う。

「世代間格差論者」や「既得権益批判論者」を批判する人間は、世代間格差や既得権益の受益者ではないかと疑うのは、浅はかな考えである。私見では、むしろ甘い汁を吸っていない人間ほど「世代間格差論」や「既得権益批判論」を強く批判する。考えてみれば当たり前の話で、甘い汁を吸っている人間にとって一番自らの利益になるのは、沈黙を守ることである。「沈黙は金(カネ)」とでも言うべきか。

以上は、陰謀論批判論者がしばしば浴びる、「お前は世の中に陰謀が存在しないと思っているのか」という批判と似ている。陰謀論批判論者が誰もそんなことを思っていないのと同じように、「世代間格差論」や「既得権益批判論」を批判する人間で、世代間格差や既得権益なんて存在しない、などと考えている者など誰もいない。ただ、「それは一番大事な問題ではありませんよ」と言っているだけなのだ。