kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

さて、そろそろ孫崎享のトンデモ本でも買おうかな(笑)

「キッシンジャーの『寵児』」だった大の親米政治家・田中角栄はなぜロッキード事件で失脚したか - kojitakenの日記 のコメント欄より。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120925/1348585088#c1348846194

id:yossie90 2012/09/29 00:29
私も孫崎史観(?)の蔓延には苦々しく思っているほうなので(何しろ三宅雪子中村哲治のような政治家まで称揚しているのだから笑えない)、エントリに共感します。孫崎本については、新聞などでまともな識者による書評はあまりないと思うのですが(というか相手にしないのでしょうが、その事実がまた愛読者の間でのこうした本の「権威」を高めるのかもしれません)、山口二郎氏がツイッターで、奇しくも有馬本と孫崎本について触れた上で、「戦後日本の平和と民主主義の土台を根底から揺るがされた思い。しかし、孫崎さんの本はおおざっぱな断定があると思う」と書いていたのですが、こういう曖昧な物言いも困ったもので、きちんと批判すべきは批判して欲しいと思いました。

ところで孫崎本についての批判は
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-459.html
に引用されている「Valdegamas侯日常」というブログの書評が見事です(ちなみに引用者のmizukithブログも孫崎批判を精力的に展開していて、kojitakenさんのブログも前後に引用してあります。ご存知かもしれませんが)。いちいち具体的に孫崎史観の無理を指摘していてたいへん説得力があり、特に私はたまたま池田勇人の事跡について割と詳細に調べたことがあったので、安保闘争における池田の扱いについての箇所など、我が意を得たりという感じでした。この書評の末尾にあるように、この本があえて「書かなかった」事例を挙げていくことが、反論として有効であり、ご指摘のように、有馬氏が挙げる田中角栄の例などは、その材料の一つになることでしょう。(なお、この評者にも、日本の指導者の「親米性」に対する批判的な視点はちゃんとあるわけです。しかし、それは孫崎本のような安易な図式では到底読み解けないといっているわけで、全くもっともだと思いました。)

しかし先日書店にいったら孫崎氏の新著、ずばり『アメリカに潰された政治家たち』というのが出ていて、また気分が悪くなりました。


東本高志さんのブログで拙論を評価していただいていることは、最近ネット検索で知りました。孫崎本を「読まずに批判する」という、われながらふざけた態度で孫崎本の支持者を挑発したブログ記事まで東本さんに評価していただいたことは恐縮の至りです。そんなふざけた私のブログとは全く異なり、ブログ「Valdegamas侯日常」の書評は確かに見事ですね。
過剰に大きな星条旗―孫崎享『戦後史の正体』を読む - Valdegamas侯日常


山口二郎氏のTwitterもネット検索しました。こちらですね。
https://twitter.com/QooAta/status/249510056658341888

孫崎さんの戦後史の正体、有馬哲夫氏の原爆と原発を読み、戦後日本の平和と民主主義の土台を根底から揺るがされた思い。しかし、孫崎さんの本はおおざっぱな断定があると思う。陰謀論と科学主義の中間的リアリズムの言説を提供するのが政治学者の仕事だと痛感した次第。五野井君、山崎君頑張ってね。


なるほど、山口氏は孫崎本を「陰謀論本」と位置づけているわけですね。正論ですが、確かにもう少しストレートに書いてほしいと私も思います。


さて、『戦後史の正体』がウケて図に乗った孫崎享は、二匹目のドジョウ狙いで『アメリカに潰された政治家たち』と題した本を出したとのこと。もう相当に孫崎享の害毒が広がってきたみたいなので、私もそろそろ「読まずに批判する」のは止めて、孫崎本を買って読み、さらに孫崎を徹底的に批判したいと思います。ただ、レビューについては既にご紹介の「Valdegamas侯日常」の立派な書評があるので、素人が末席を汚す愚は避けたいと思います。孫崎の狙いは明らかに彼が属する小沢一郎鳩山由紀夫クラスタの勢力を拡大するためのプロパガンダでしょうから、もっぱらそちら方面への批判が多くなろうかと思います。