本エントリは3部作の完結編。下記エントリの続き。
私が最初に田中龍作の記事に目を剥いたのは、2012年に小沢一郎が立ち上げた「国民の生活が第一」の結党パーティーで故勝谷誠彦が挨拶をしたことを取り上げた田中の記事を読んだ時だった。
上記記事中には田中龍作の記事へのリンクは張られていないが、ネット検索で簡単に引っかかった。
記事の引用はしないが、田中龍作が小沢一郎及び「小沢信者」御用達のライターであることをまず押さえておかねばならない。
その次に田中龍作を取り上げたのは、先行するエントリに書いた通り、2013年7月の参院選直後だった。
上記記事では、田中龍作の妄論を批判した下記ブログ記事を紹介・引用した。
上記記事から、ブログ主氏が田中を批判した箇所を抜粋して引用する。
(前略)個人得票数は、あくまでその政党の名簿内で比較するのに使われるのみであって、当落には全く関係がないのである。
こういう事実を差し置いて、最初に提示した「三宅洋平の個人票は17万で落選なのに、渡辺美樹の個人票が10万で当選」を理由に、「比例代表制は大政党有利」などという主張をすることは、無知が元なのであればジャーナリストとして恥を知るべきであるし、意図的に歪めているのであれば悪質である。
https://twitter.com/tanakaryusaku/status/359512730278961155
(しかし、↑のツイートはすでに600以上リツイートされている。全てが賛同ではないにせよ、影響力のあるジャーナリストの1人として責任を感じてもらいたいものだ)
比例代表制への攻撃は、真に大政党有利、というよりは第1党のみが圧倒的多数を握る小選挙区制への傾倒をますます進め、日本の民主主義をさらに破壊することに繋がりかねない。
(現在、衆議院の選挙制度において、比例代表制の存在は小選挙区制の害悪をわずかなりとも緩和する役割を果たしているが、既に「定数削減といえば比例を削る」という方針が繰り返されているように、単純小選挙区制を狙う権力側の謀略は非常に強いのである。私たちはこれを察知し、徹底して闘わなければならない)
※ちなみに、選挙区での当選ライン票は、比例よりは少なくなる(東京選挙区では60万ほど)が、「一票の格差」問題もあり、選挙区によって事情がずいぶん違う。といっても、混戦だった岩手でも当選者は26万票を取っており、17万票で当選できる選挙区はおそらくないだろう。
(『Melting Pot』より)
当時田中龍作が発した悪質なデマツイートは下記。
17万6,970票を獲った三宅洋平氏が落選し、10万4,176票のワタミ氏が当選する。 大政党ほど有利になる比例区のシステムは、民主主義のシステムを破壊するものだ。
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) July 23, 2013
今読み返しても当時の怒りが生々しく甦る。こんなデマゴーグは絶対に許せない。
当時私は下記のように書いた。
この田中龍作というのは、ネットでちょっと調べたところ、自由報道協会所属の自称「ジャーナリスト」らしい。要するに「小沢信者」である。小選挙区制を推進した小沢一郎を婉曲に擁護するためにこんな戯れ言をほざいたのではないかと勘繰りたくなるが、世間にはこんな妄言に真剣に共感するらしい人間が後を絶たないようだ。
日本の「リベラル」の将来は、どうみても真っ暗だ。
呆れたことに、当時、東京新聞と『週刊金曜日』が田中龍作の尻馬に乗りやがった。
なお、上記記事につけたタイトルに「反知性主義」と書いたのは不適切だった。これは当然「反知性」とすべきところであり、要するに週金編集部はただの馬鹿だったってことだ。それはともかく、東京新聞も週金も平気で「小沢信者」系デマゴーグの尻馬に乗ろうとしたことは重大だ。
一方、赤木智弘は田中龍作の妄論をきっちり批判していた。
当時赤木智弘が書いた記事へのリンクはまだ生きている。
以下引用する。
今回の選挙では、ネトウヨも反原発サヨクも、非拘束名簿方式という選挙制度を自分勝手に利用した。
どっちも酷いことは言うまでもないが、僕としては下手な屁理屈を並べて民意を否定する反原発サヨクに対しての方が、より腹立たしく感じている。
都議選での「不正選挙」もそうだが、納得する結果にならなかったからといって、選挙制度のせいにしたり、民意を捻じ曲げるような恥知らずな言動は、今すぐにでも辞めるべきである。
(「【赤木智弘の眼光紙背】非拘束名簿方式をめぐる2つの嘘」2013年7月27日)
余談だが、TBSの『サンデーモーニング』は、今日(2019年5月26日)の「風を読む」のコーナーにも白井聡を登場させてダメぶりを露呈していたが、この時にもダメダメだったようだ。ここまでくるとさすがに枝葉末節なのでそれを批判した私の文章を再掲するのは止めておくが。
さて、2013年の参院選の次に田中龍作の記事で目を剥いたのは、同年秋に山本太郎が園遊会で当時の天皇・明仁への「直訴事件」を引き起こした時だった。
清水潔氏が田中龍作に疑問を呈したのは2017年2月だった。
青木俊氏が清水氏とつるんで田中龍作批判を行ったのはこの直後だった。現在の青木氏は大きく立場を変えて田中にすり寄っていることは既に書いた。
昨年には、カルロス・ゴーン逮捕に絡んで田中龍作が「スピン陰謀論」を垂れ流した。これを批判したのがこたつぬこ(木下ちがや)氏だった。
また変な陰謀論が...
— こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 (@sangituyama) November 19, 2018
田中龍作ジャーナル | またスピン、ゴーン会長逮捕 入管法改悪の目くらまし https://t.co/EIGnxLUnfG
この事件、陰謀でもなんでもなく、ゴーン会長の長年にわたる独断的かつ特権的な支配に対して、日産社内からも怒りがあがっていたことに起因するんでしょう。あれだけ冷酷な労働者の首切りをやりながら、自分は莫大な不正蓄財をやっていた。グローバル資本家への怒りが爆発したんですよ。 https://t.co/HDcoBYBoCt
— こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 (@sangituyama) November 19, 2018
以上が、この日記で田中龍作を批判した主要な記事だ(もちろんいくつかの記事は省略した)。
その多くは、山本太郎や山本子飼いの三宅洋平に絡む記事で田中が発した妄論に関するものであって、果たしてこたつぬこ氏が言うように「山本太郎を評価して田中龍作のようなデマゴーグを批判する」ことが可能なのか、両人はだいぶ前から密接不可分の関係なのではないかとの疑念も頭に浮かぶが、とりあえずは両者を切り離して田中を徹底的に批判することを試みるか。どうしても山本太郎への批判に踏み込まざるを得なくなる気がしなくもないが。