旧民主・民進の合流話はまだ揉めているようだが、繰り返し書く通り、玉木雄一郎や前原誠司、山尾志桜里といった「右」の連中を無理やり引きずり込んだりせず、外に出させてやりたいようにやらせるしかない。合流推進派には「全員合流」にこだわっている人が多いようだが、なぜそんな有害なものにこだわるのか、私にはさっぱり理解できない。
玉木雄一郎が維新及び新選組とつるみたがっていることはもはや疑う余地はないが、論外の維新はもちろん、新選組のコアな支持者(MMTなどの勢力が加わる前の人たち)は脱原発・反原発の流れを汲む人たちとオザシンから流れてきた人たちからなるはずで、維新や玉木に組み込まれることを彼らがよしとするのかを私は問いたい。
その新選組支持層の中では、党とは直接の関係を持たないものの外野スタンドの応援席からもっとも熱心な応援を送ってきた田中龍作が、どうやら山本太郎との関係を相当に悪化させたらしい。田中は最近玉木雄一郎応援に走っていると一部で話題になっていたが、それは山本との関係が悪化したためのようだ。下記は田中龍作の呟き。
山本太郎にはガックリきた。これまで れいわ支持者 に 袋叩きにされながらも 厳しいことを言ってきたのは、山本に期待していたからだ。
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) 2020年8月12日
田中がカネをもらって、れいわの批判をするような人間と思われていたとは・・・言葉を失う。
どうやら、原因は山本太郎が田中龍作の悪口を言いまくったことにあるようだ。年季の入ったオザシンであられる山岸飛鳥氏の2件のツイートを以下に示す。
「市民の党なんて実態がない」と太郎さんは言いますが、H30年の収支報告書では沖永さんは134万円を市民の党に寄付してます。もちろん代表は斉藤まさし(酒井剛)さんhttps://t.co/wp9oZVdos4
— 山岸飛鳥 反戦な家づくり (@sensouhantai) 2020年8月12日
【れいわ地下2階B2サンデー】山本太郎代表への質問 2020年8月12日 https://t.co/BYvrNV9LdQ
長いけどれいわ新選組のB2動画確認しました。唖然とします。田中龍作ジャーナルを腐す口調は、安倍晋三が朝日新聞を罵倒するのと同じじゃないですか。沖永事務局長と市民の党のくだりは、市民の党の収支報告書を見ればウソがバレバレ。これが私の知っている太郎さんだとは思いたくない(泣) https://t.co/mx5WN3WJBI
— 山岸飛鳥 反戦な家づくり (@sensouhantai) 2020年8月12日
要するに山本太郎は田中龍作が発した斎藤まさし及び市民の党に対する批判を一蹴し、「(誰かに)金でももらっているのか」とまで言ったらしいのだ(私は暇ではないから動画など確認していない)。
山岸氏は「私の知っている太郎さん」などと言っているが、山本太郎の本職は俳優だ。そう、演技などお手のもの。経済政策でも、MMTの論法を覚えて弁舌爽やかに口真似することによって、松尾匡あたりの心を掴んだのかもしれない。それは役者がセリフを覚えているだけではないかと私などは疑うのだが。
いずれにせよ山本太郎と彼の某元号新選組も、もう先は長くないだろう。
玉木雄一郎は、結局維新とくっつく道をたどるだけではないか。四国は昔から大阪との結びつきが強く、維新の得票力もそれなりにある。いや、あったと書くべきか。最近はだいぶ退潮気味のようにも思われる*1。しかしそれでも、香川の玉木雄一郎が維新と組むメリットは、東日本や九州などの政治家よりもよほどあるだろう。
そもそも「消費税減税」だけで「反緊縮」と認定すること自体がおかしい。ベーシックインカムを「再分配政策」と呼ぶのと同じ誤りだ。MMTには国粋主義系右派の応援団がついているが、彼らの中には「無税国家」を夢想する向きも少なくない。もちろんMMT右派は富裕層や大企業への増税は言わない。山本太郎はかつてはよく言っていたが、最近言わなくなったと一部から指摘されている。ベーシックインカムと数学的に同値である「負の所得税」はあの新自由主義の超大物だったミルトン・フリードマンが提唱していた。それと同じで、消費税減税も他のいかなる政策と組み合わせるかで総合的に評価されなければならない。しかし、あの界隈ではそうはなっていない。「消費税減税=反緊縮」という短絡的な恒等式がドグマ(教義)になってしまっている。
ところで、オザシン系ヤマシン界隈(現時点では山本太郎と距離を置くようになった人を含む)を見ていると、もともとの小沢信奉の立場に戻ったり、自分の都合のいいように小沢一郎を忖度していたりしていて(そんなものは当の小沢にとってもいい迷惑だろうとしか私には思えない)、見るに耐えない。たとえば下記呟きの主は、立民を中心とした合流論者が小沢のメンツを潰したとでも思っているのだろうか。
小沢一郎のメンツを潰しただけでも大勝利というところではないでしょうか?
— a pair of glasses (@pair_glasses) 2020年8月11日
同じ人が発した下記の呟きに至っては、目も当てられない。
二大政党制も小選挙区制度も、小沢一郎だから遺漏なく扱える代物で、一般の議員では全く手に余るだけです。
— a pair of glasses (@pair_glasses) 2020年8月11日
小沢一郎の失敗は、政治家の技量の基準値を自分に置いてしまったことだと思います。
出た! 「小沢一郎が扱う保守二大政党制や小選挙区制は『良い保守二大政党制』、『良い小選挙区制』」だとするトンデモ理論!
結局こういう個人崇拝に行き着く。しかし、こんなことを言う人がオザシン系ヤマシン界隈ではもてはやされている。結局、彼らには保守二大政党制や小選挙区制を批判することすらできないのだ。どうしようもない。
選挙制度といえば、かつて田中龍作は「比例代表制は大政党に有利な制度」と宣ったことがある。2013年の参院選で三宅洋平が落選した時のことで、私が最初に田中の名前を認識したのはこの時だ。当時、田中を批判する下記記事をこの日記に公開して以来、この人を評価したことは一度もない。
だから、話を最初の山本太郎と田中龍作との喧嘩に戻すと、どっちもどっちとしか言いようがない。
*1:たとえば岡山・香川の民放局は、在阪局の番組はさほどネット受けせず、土日にくだらない首都圏の情報満載の番組をネット受けして垂れ流していたのをよく覚えている。こんなの岡山・香川の視聴者にとって何の役に立つのかといつも思っていた。