kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎氏が立憲民主党と「維新と、玉木君の国民民主とかね。ドイツほどの違いはないよ。考えてみてよ、一緒にやるのは合理的だよ。」と大暴走。そして小沢氏の野党共闘構想には「共産党」の3文字が出てこない。(『Everyone says I love you !』, 6/24)

 先週は仕事が厳しかったためブログをあまり更新できなかったが、その間に小沢一郎がまた妄動を仕掛けてきた。この件については宮武嶺氏の下記ブログ記事が冴えていた。

 

blog.goo.ne.jp

 

 なんといっても、小沢が新潮のインタビューに答えた長いインタビュー記事を紹介して、小沢の理不尽な主張を粉砕しているところが良い。

 宮武氏は「小沢グループの目的が、共産党との候補一本化よりも、やはり日本維新の会立憲民主党選挙協力を目指していることを隠そうともしない」と指摘し、小沢インタビューからの引用をその根拠だとしている。

 以下引用する。

 

小沢氏いわく

「我々と、維新と、玉木(雄一郎)君の国民民主とかね。考えてみてよ、ドイツほどの違いはないよ。一緒にやるのは合理的だよ。」

「現状で満足するという日本人的な考え方。万年野党のゆでガエルさんだと、もうジリ貧で立憲だってどうなるか。維新だって一党では政権取れないよ。

 今はもう、強気でやっていいけど、最終的に選挙の時は小が大を呑む気持ちで立憲を包み込まないと、自民党には勝てない。だから、少なくとも維新と立憲のリーダーが志を持って見識ある行動を取れば次の選挙は政権交代できる。」

などと言っており、これは維新と立民の協力というより

「最終的に選挙の時は小が大を呑む気持ちで立憲を包み込まないと、自民党には勝てない。」

というのですから、むしろ維新が立民を飲み込んでしまえという話なんです。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/25b66b834be0810ac9bc3204cbabe96e

 

 小沢の頭にあるのは、間違いなく2003年に「大きな」民主党に合流した自由党が、2006年に小沢自身が代表に就任して「呑み込んでやった」成功体験だろう。一昨年の立民代表選で泉健太を支援した時にも、泉を小沢自身に重ね合わせていたのかもしれない。

 

 下記の指摘も鋭い。

 

 そして、小沢氏は共産党との関係も良好と言われているのですが、この前後編1万字以上のロングインタビューの中には、一回も共産党という言葉さえ出て来ません。

 共産党は現在衆議院議員が10人しかいませんが、2021年の衆議院選挙での得票率は7・25%で、完全比例代表制なら33の議席を獲得できたはずなんです。

 これだけでも、衆議院小選挙区中心の小選挙区比例並立制をとっていることで、いかに少数派の民意が国会に反映していないかがわかります。

 また、小選挙区制度絶対主義者の小沢氏が共産党社民党やれいわなどの少数政党を実は軽視していること、小選挙区制度のせいで議席が3分の1以下になっている共産党が小沢氏と協力していることがナンセンスなことも明らかです。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/25b66b834be0810ac9bc3204cbabe96e

 

 今回の小沢の妄動は、一部では共産党執行部から頼まれたものではないかとの憶測も流布している。私もその可能性は否定しないが、小沢自身にとっては共産党議席数の数合わせの道具にしか過ぎず、しかも共産党は選挙のたびに議席を減らしているから、年々小沢にとっての重要性は低下し続けている。そんな小沢に共産党がすり寄っていること自体、確かにナンセンスの極致だ。

 

 引用を続ける。

 

 そして、小沢氏はドイツの今の政権が社民党緑の党などの連立政権であることと比較して

「我々と、維新と、玉木(雄一郎)君の国民民主とかね。考えてみてよ、ドイツほどの違いはないよ。」

というのですが、いやいやいや、ドイツ社民党緑の党のほうが維新と立民より脱原発を実現するなどよほど政策が近いでしょう!

 そりゃ、橋下徹大好き人間の小沢氏と維新は思想が近いのでしょうけれども、立民支持者は維新みたいな自民党より右で、自民党より下品な悪党と自分の支持政党が近いだなんて思っていません。

 

(中略)

 

 それにそもそも、泉健太氏を立民代表から引きずり降ろさないといけないのは、泉氏が自民党に対しては批判を手控える政策提案型政党に立民をしようとして支持率低下、おまけにそのあとは維新との連携・共闘をしようとしたことが原因です。

 つまり、泉氏が維新との共闘を批判されて

立憲民主党は極めて自然体で、あくまで必要であれば開くという立場。日本維新の会改憲政党ではあるが、実はそんなに差がないと思っている。

 憲法裁判所、緊急事態条項は、我々も議論はやっていいと思っている。憲法9条も、集団的自衛権をフルで認めるのは我々はまだ問題があると思っているので、必要であれば憲法審で議論すればいい。

 決定的な対立ではないのかな、と感じている。』

と反論するような「容維新」の態度だったことが立民低迷と泉氏退陣要求の理由なのに、小沢氏の「ドイツほどの違いはないよ」という認識では、泉氏と言っていることがそっくりではないですか。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/25b66b834be0810ac9bc3204cbabe96e

 

 上記引用文中で太字の部分は宮武氏のブログ記事通りだが、赤字にした部分は引用者(弊ブログ運営者)による。

 泉と小沢とは「維新を含めた『大きな塊』論」で共通している、両者の相違点は共産党を含めるか否かだけだとは弊ブログも指摘していることだ。山本太郎新選組の信者たちは新選組との距離感も違うというかもしれないが、そもそも彼ら自身、さほど泉健太を敵視していないように見える。それは彼らにとっての「敵の本丸」が枝野幸男であるため、ある種「敵の敵は味方」的な思考が働くためではないかと私は推測している。

 なお、2012年に「国民の生活が第一」に属していた小沢系の衆院議員一期生たちの多くは「私(たち)も橋下さんたちと一緒にやりたい」と口にしていた。そしてそんな彼らをたしなめるオザシン(「小沢信者」)など誰一人いなかった。当時のオザシン自身が「容維(新)勢力」だったといえる。

 上記引用文のあと、宮武氏の記事は小選挙区制批判へと進む。小選挙区制批判は新自由主義批判と並んで弊ブログの一丁目一番地ともいえる論点なので当該部分も強く共感するが、その部分の引用は省略し、ブログの結びの文章を引用する。

 

 こんな反省なき政治家小沢一郎氏に(一回「国民の生活が第一」と言っただけで)いまだに期待する人がいるとしたら、一刻も早く目を覚ましてほしいものです。

 

URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/25b66b834be0810ac9bc3204cbabe96e

 

 いいねえ、この結語。

 幸い、この胸のすく小沢批判記事に噛みつくオザシンは、もうほとんどいなくなった。